50代オヤジの通関士受験記録

天日元博 1962年生まれ 仕事は貿易商社(実質自営)のシッピング部門で輸出入を一人で一手に担当して20数年、いまだ現役。

仕事では直接資格を使っていません 49回(2015年)合格

ある事情から通関士試験を受験しようと決意しましたが2014年第48回試験への挑戦は突破できませんでした。リベンジすべく2014年12月より次回2015年10月の第49回通関士試験のための取り組みをはじめました。

試験は10月の第一日曜日です。経験上、試験勉強の時間としては10か月~12か月は必要です。

はじめて試験に挑戦を考える方はここで使う教材を決めましょう。通信教育か資格学校へ通うかですが、独学は学生以外はお勧めしません。やはり取り組み方というのはあります。試験教材はその進め方/スケジュールを示してくれます。ちなみに私は通信教育のフォーサイトでした。学校に通うよりははるかに費用は安いです。

12月は通関業法と関税法を中心にぱらぱらと見ていた程度です。それでいいと思います。最初からとばしていくともちません。ここでは「通関士試験ってこういう試験なんだ」というのがわかればいいと思います。そのひとつ、実感してほしいのは「通関士試験というのは法律の試験だ」ということ。今まで使ったこともない日本語がわんさとでてくる試験です。

1月頃から教材に従って本格的に取り組みを始めました。ここで気を付けたいのは「毎日取り組む」です。とにかく毎日、少しでもいいから取り組む。例えば「朝、少し早くおきてテキストを開く」、「電車ではスマホをいじらずテキストをみる」、「飲む前に少しテキストを開く」などなど。

そしてお休み日はなるべく図書館などに引きこもる。教材や過去問にじっくり取り組む時間は毎日は取れませんので日々の隙間時間の活用をお勧めします。

1月~3月にできれば関税協会発行の月刊誌「貿易と関税」を見ることをお勧めします。前回試験の解答解説がでます。それと法改正の情報が載ります。法改正されたところは高い確率で出題されます。何書いてあるのか解りませんが「なんか変わる」だけでも見てください。詳細は教材会社/資格学校に聞きましょう(独学ではこれができない)。大きめの図書館にいけばあります。面白くもなんともないので買うことはありません。

4月から5月にかけて徐々に通関実務に取り組み始めました。はっきりいって手ごわいです。これが通関士試験のキモです。特に過去問に丁寧に取り組み始めました。まずは解答時間はあまり気にせずにむかいました。徐々に時間を気にしていけばいいと思います。

で、この頃、取り組みをはじめて半年足らずくらいになって「中だるみ」がやってきました。多分誰もがこの「中だるみ」に陥ります。しかしそれがやってくることも計算に入れとけば「やっぱり中だるみ来た!」と思ってリフレッシュに努めることができます。

6月頃になると通関実務の勉強のための必須問題集「ゼロからの申告」(通称「ゼロ申」)というのが関税協会から発売されます。3000円ほどしますがこれは必須の問題集です。最初手にしたときはめまいがしました。「これやるの?」。でもめげるわけにはいきません。土日のまとまった時間が取れる時に集中して取り組みました。

7月に試験要領が発表され受験の申し込みが始まります。けっこうあせりました。ここまでくるとあせりと「あせるな!」と自分に言い聞かせる日々です。

8月には関税協会主催の模擬テストがあります。これは受験しましょう。実は私2015年は手違いで受験できませんでした。SNSで知り合った(お会いしたことはない)方が親切にこの回の模擬試験を貸してくれましてなんとか勉強できました。

この時期は根を詰めてテキストや過去問に取り組みました。特に実務はゼロ申と過去問を何度となく繰り返しました。それは、例えばインスタントコーヒーを飲んでいる時に「これは何類だったっけ?」と考えるようになったほどですが、それくらいにならないと突破はしんどいと思います。

8月9月は資格学校でも模擬試験が開催されますのでできるだけ受験したほうがいいと思います。私はTACとLECを受験しました。それとこの頃に私は自分なりの「要点整理ノート」を作成しました。要点はテキスト教材にありますが自分にわかりやすいわけでもありませんでしたし。それと「書いていくうちにわかってくる」ということもありました。

10月の本番。体調には万全を期したいものです。それと私は3科目の試験を始める前に問題用紙の端に「読め!」と書きました。問題をよく読まずにとりかかる悪い癖をなかなか克服できませんでしたので。意外に時間はあります。落ち着いて「読みましょう!」。そして試験は最後まで全力を尽くしましょう。せっかく長い間一所懸命勉強してきたのですから。

私は試験終了時「アカン!」と思いました。諦めず全力を尽くしましたが実務がとても難しく(実際合格判定点が当初より下がりました)、前回より手応えは悪かったです。

しかし、3回目受験か?と悩んでいた11月27日、大阪税関から合格通知が(郵便で)来ました。はっきり言います、とにかく感激、最高の気分でした!50歳過ぎての試験合格でしたし、「俺はまだまだやれるぞ!」と強く思いました。

僭越ですが最後に一つお聞きいただきたいことがあります。通関士試験は理屈の上では受験者全員合格がある試験です。受験者はライバルではなく”同志”です。資格学校でも、通信教育でも、緩くても、SNSだけでもいいから「仲間」を作ることをお勧めします。私はツィッターである通関士さんからたくさん応援と叱咤激励をいただき大変ありがたかったです。