50才過ぎでの国家試験初チャレンジ

デナリ さん(50代男性 メーカー勤務 2021年度合格 受験回数1回)

<プロフィール>

 当方50歳超えのメーカー勤務(男)です。約2年半前に貿易関係部門に異動しました。2年前に貿易実務検定 B 級を取得しています。

昨年より貿易実務関係の社内教育担当となったこと 、委託している通関業者の方とのやり取りで知識不足を痛感したこと、コロナ禍で在宅時間が増えたこと等から通関士試験の受験を昨年12月に決意しました。

<教材選び>

  初学のため、ネットで検索してテキストが見やすいと評判の高かったフォーサイトに昨年12月に決定しました。(割引キャンペーンもやっていました)

長所

  ・通信教育に実績のある会社なのでテキストがコンパクトにまとめられていてカラフルで見やすい。 テキストが丈夫につくられているため 破れ、汚れ等に強い。

・講義動画(WEB)も聞き取りやすく、テキストと同じ画面が出てくるので理解しやすい。

・Web のサイトで学習計画を半自動的に作れるようなっている点も良い。(以上、当初の印象です) 

・問題集は過去問をジャンル別に整理して構成、テキストに書かれてないことも含めて問題集を繰り返し、解くことで必要な知識を取得するように作られている。(後で思ったことです)

短所

勉強するにつれ、分かったことです

・テキスト&講義動画が通関実務の解説が圧倒的に少ない。特に輸入申告書は輸出申告書で説明済の旨、大幅に省略されている。原産地規則ついての解説はほぼ皆無。

・問題集は解説が不十分な問題(なぜその解答になるか)が多くありました。計算問題(過去問)についても加算要素等の解説(加算、不加算の理由)があまりありません。また、別途、再現問題集なるものがありましたが、単に昨年の過去問でした。 (ネットでタダで入手できます)

・9月になってテキスト、問題集に基本的な間違い(NACCSでできない申請内容等)があり訂正(焦りました。直前に訂正する内容じゃないかと)

・途中からアニメの講義動画(初音ミ○もどき?)も追加されましたが、内容は講師の方の講義と同じ(当方、ガンダム世代ですがアニメは不要。その分、安くして)

・質問は無料では5問まで以降は1問1千円。 躊躇して結局、質問は2回だけしました。(コスト削減なのでしょうが、質問しづらいし質問するのが遅くなるのが致命的)

・ネットで通関士試験関連の検索を沢山したからか、やたらとフォーサイトのネット広告が出てくる(今でも)

<学習時間>

コロナ禍で原則、在宅勤務なので平日は仕事前に30分から1時間、昼休みに30分、就業後に1、2時間程度、週末は直前期以外は土日祝の半日を勉強に当てました(あくまで則)。直前期は土祝日は8時間程度です。

<12月〜4月 学習開始&早くも中弛み?>

昨年12月に学習を開始し、通関業法、 関税法、通関実務の順番でとにかくフォーサイトのテキストを講義動画を見ながら3回繰り返しました。

その後、ジャンル別の問題集(過去問)を解きましたが、憶えたと思っていた箇所を間違えます。テキストで解説のない問題も多々ありました。

間違えた箇所を繰り返し解くうちに通関業法と関税法はだんだん正確に解答できるようになりました。 

フォーサイトも言っているようにアウトプット(問題演習)が大事だということを痛感しました。

しかしながら、通関実務については申告書の問題が理解できません。特に品目分類が苦手で時間(約1時間)をかけてもなかなか解けませんでした。

余談ですが、スキーが趣味なのでこの時期(12月から3月頃)は 2週に1回ほど滑りに行って週末はあまり勉強しませんでした。(昨シーズンはスキーは積雪、混雑度では当たり年でした)

<5月〜6月 停滞期?&みこ会との出会い>

関税協会のサイトで本試験の過去問をダウンロードし  直近の問題から解き始めました。フォーサイトの問題集は過去問を再構成したものなので一度解いた問題もあるため通関業法と関税法は70%程の点数を取ることができました。(当たり前ですが)

しかしながら通関実務は50%前後しか得点できずまた時間もオーバーしてしまう状態でした。 (正直、この頃は合格は無理と思ってました)

焦りを感じて勉強方法の見直しをすることにしました 。ネットで調べる中で評判の高い、みこ会に6月初めに入会しました。(藁にもすがる思い)

<みこ会>

・みこ会の記事を一通り読みました。 目標得点、申告書問題の解き方 、課税価格の計算、原産地規則等がとても参考になりました。

 以降、何度も読み返して勉強の焦点がずれないようにしました。(無料でネットで調べることも可能かもしれませんが時間が勿体ない。時は金なりです)

・記事を見て教材の追加としてヒューマンアカデミーの「通関実務集中対策問題集」を購入。課税価格の解説が詳しく書いてあり役に立ちました。

・課税価格等、模試や過去問で不明な箇所を最終的に3回ほどですが質問させてもらいました。

・Twitter は見るのみでしたが情報収集や皆さんの頑張りに刺激を受けました。(Twitter の皆さんのやる気と実力は凄すぎです)

<7月〜8月 またもや中弛み?>

通関業法、関税法は フォーサイトの問題集の違えたところを 中心に繰り返し解き、テキストを見て復習しました。

通関実務は計算問題はフォーサイトの過去問を繰り返し、加算要素で間違えた箇所を理屈を理解できるように復習しました。(解説が不十分なところはみこさんに質問)

「通関実務集中対策問題集」の計算問題も解きましたが難易度が高く間違えてばかりです。

週末に過去問中心にを解き(3科目全て)、間違えた箇所を復習しました。この頃になってようやく過去問の申告書問題が解けるようになってきました。

申告書は「通関実務集中対策問題集」もやりましたが、結局、1回づつしかできませんでした。

余談ですが、オリンピックをテレビ&ネットで結構見ていました。ながら勉強です。(チケット 持ってたのに。。。)その分、お盆休みは大部分を勉強時間にあてました。 

<模試 8月下旬から9月上旬>

通関士試験は初受験のため試験に慣れるため3つ受験しました。 以下感想です。

関税協会:難易度、マークシートの 形式などが一番本試験に近いと思います。解説も充実していて復習に役立ちました。(本試験を想定して一つに絞るとしたらここかと思います。 )

LEC: 会場試験(水道橋)があったため受験しましたが 、試験官が途中で退出するなどあまり緊張感はありませんでした。座席も自由でした。難易度はかなり高かったと思います。輸入申告書の課税価格が加算の判断違いで全滅し通関実務は14点と散々な結果でした。かなり凹みましたが(お葬式状態)、実力不足を痛感し、奮起するきっかけになったのは今思えば良かったと思います。LECを受けなかったら油断して合格しなかったかもしれません。(本番に優る経験なし)

MHJ:貿易実務検定の主催もしているところですが、 どうも日本語の表現が私にはしっくりきません。(本試験とはかなり違う?)またマークシートも普通の紙でマーク欄が四角だったり、数値の解答は0の桁はマークしない等、本試験と違う形式になっていました。計算問題は後々、練習問題として繰り返し解きました。(この点では役立ちました。)

<直前期9月>

テレビやネット視聴も制限し勉強に集中しました(当たり前ですね)。計算問題は内容別(延滞税、過少申告加算税、消費税など)に毎朝必ず解くようにしました。

消費税の計算問題を定期的にやっていたのが本試験で役に立ちました。

通関実務の勉強時間を増やしましたが、通関業法、関税法の問題を解くと以前は正解していたはずの問題を間違えていることが多く、通関業法と関税法の勉強も少し増やしました(減らした分、戻しました)。直前期は毎日必ず3科目勉強したのが、今年の本試験には良かったのかもしれません。

<試験前日>

東京会場(東大駒場)でしたが、 電車の遅延も考慮し(当方、千葉在住)、 会場から徒歩15分ぐらいのホテルに泊まりました。 前日に下見をしましたが、Google Mapでは正門ではなく最寄りの入り口を案内します。実際はコロナ禍の影響で正門以外は閉鎖されていました(下見で正門の守衛さんに確認済)。

なお、下見ではコロナ対策か構内には部外者は入れませんでした。 (こちらも正門の守衛さんに確認済)

また東大駒場周辺は 細く道が入り組んでいるため 、徒歩で行く方は下見をしておく事をおすすめします。(井ノ頭線だと正門の目の前に駅があります。やっぱり東大ってすごい)

<試験会場>

・会場は1号館の一番奥の教室でした。 時計はありましたが、なぜか横の壁にあり私の席からは見えませんでした。(時計は必ず持っていきましょう。)

・座席は四人掛けの机に2人、前後の人とは互い違い座るようになっていました。私は左端に着席だったため右側の空いてる机に予備の筆記用具と時計などを置くことができました。

・試験直前に慌てて入室してくる方がいました。集合時間は過ぎてましたが受験はできたようです。(時間に余裕を持って行きましょう。)

・食事はコロナ対策で自席で取るように試験官の方から説明がありましたが、実際は外で食べることもOK だったようです。(今年は快晴でした)

<持ち物>

・B の鉛筆3本、 鉛筆削り、三色フリクションボールペン3本、消しゴム3個、定規、卓上時計

・電卓:簿記用のカシオを買いました。(値段は多少しますが、 安いものとはキータッチ等の使い勝手が違います。通関実務は時間が厳しいので電卓にも拘ったほうが良いです)

補足:関数機能付きや液晶表示が角度調整ができるのもの(カンニング防止?)はNGなので注意が必要です。

・テキスト参考書:前泊だったので、ほぼ全て持って行きました。(持って行かなかったことで試験当日に不安になるといけないので)

・昼食&おやつ:パンとチョコ、ゼリー飲料を持ち込み休憩時間にもエネルギー補給しました。 眠くなるといけないので昼食は食べ過ぎないようにしました。

<本試験>

・通関業法:いきなり語句選択で躓きました。難しかったです。いくら考えても分からないものは分からないので、迷ったところは勘で選んでどんどん進めました。あまり時間に余裕はありませんでした。(一通り見直しをして時間終了)

・関税法:通関業法の結果を考えてもしょうがないので 気分を切り替えて臨みました。こちらも例年より若干難しかったのではないでしょうか。時間が余ったのでじっくり見直しましたが、マークミスが見つかりました。(複数選択2点分でした。 見直しはしっかりしましょう)

・通関実務:申告書は後にして、他の問題を先に解きました。消費税の計算に手間取り15分ほどかかってしまいました。(正解はできました)

選択問題は深く考えてもしょうがないので早めに済ませて、残り1時間ほどで申告書問題(配点の高い輸入→輸出の順)に取り組みましたが 今年は申告書がとても易しかったので助かりました。

<自己採点>

試験直後は通関業法と関税法は落とした、通関実務は易しくて余裕と思っていましたが、自己採点は以下の通りです。

(通関実務はマークミスの可能性も高いため合格発表までハラハラドキドキでした。5社で自己採点しました)

・通関業法: 合計32/45 語句選択16/25、複数選択8/10、択一式8/10→得点源になるはずの語句選択が難しかったです。

・関税法:  合計40/60   語句選択17/25   複数選択10/20、択一式13/15→択一式になんとか救われました。(こちらも得点源になるはずの語句選択が。。。)

・通関実務: 合計31/45 申告書19/20、複数選択4/10、計算問題6/10、択一式2/5→余裕と思っていたら、計算問題は2問間違い、申告書が易しくて大変助かりました。

<総括>

ギリギリの点数でも、合格できたので良かったのですが、 もし通関実務が例年通りの難易度だったら合格は厳しかったと思います。

他社の通信教育の教材を見ていないので比較はできませんが、今だったらフォーサイトを選ぶかは微妙です。(あくまで個人的感想です)

みこ会の入会が6月と遅かったため、もっともっと早く入会して活用できれば良かったと思います。(今なら教材決定前にみこ会に入り、教材の検討したと思います)

でも、みこ会に入会していなかったら、おそらく合格できなかったと思いますので、みこさんには感謝、感謝です。

これだけ勉強したのは大学受験以来、30年数年振りでした。年を取ると体力、記憶力、気力も落ちて、正直辛いところもありましたが

五十才過ぎても国家試験に挑戦できて良かったです。もし年齢を理由に受験を躊躇されてる方がいれば、遅すぎることはないと思いますので、是非チャレンジされることをおすすめいたします。(上から目線ですいません)

<おまけ>

せっかく勉強したので 12月の EPA 検定 と通関ビジネス実務検定 (みこ会タイアップ)も受けることにしました。(勉強するのが習慣になりました)

今さら気が付きましたが、EPA 検定のテキスト(C 級)は通関士試験の通関実務(原産地規則)の勉強に役に立つと思います。(今年も通関実務で3点分、出題されました。テキストだけなら安いかも)

通関ビジネス実務検定のテキストも貿易実務検定(同じく実質MHJ主催)と違って良くまとまっていて見やすいです。

フォーサイトのテキストより 解説が丁寧で理解しやすい部分もあり、こちらも今さらですが、なるほどと思う部分があります。通関士試験の準備に受験されるのも良いかもしれません。

以上、長文失礼致しました。

来年受験の方、頑張ってください。

半年で一発合格!

あや さん(22歳女性 新卒営業職 2021年度合格 受験回数1回)

【自己紹介】
新卒1年目22歳です。就活に失敗し妥協で入ってしまった会社をどうしても早く辞めたくて絶対に一発で受かって次の4月には転職しようと決意。
学生時代にIATAディプロマと貿易実務検定C級は取っていたので、専門用語的なのはなんとなくわかってのスタートでした。

【勉強期間】
入社のタイミングの4月から
だいたい半年です

【使用したテキスト】
1.翔泳社通関士完全攻略ガイド
2.翔泳社過去問題集
3.翔泳社通関実務集中対策
4.過去問(通関業法と関税法は5年分、通関実務10年分)
5.みこ会の記事&みこさんの課税価格決定のテキスト

いろんな教材使うより、最低限の教材をやり込むのがいいと思います。

【通関業法、関税法】
翔泳社のテキストと過去問題集、過去問を使用しました。翔泳社のテキストはかなり情報量が多いので読み込めば最強だと思います。1日100ページ以上読むくらいのスピードで読みました。最初は文章の意味がわからなくてもいずれは点と点が線で繋がり、読んでいればなんとなくわかるようになってきます。過去問題集は3、4周くらい、問題文も覚えるくらいでやりました。間違えた問題はもちろん、正解した問題でも曖昧な箇所はテキストを読み直してその部分とそれに付随する知識の強化、確定(テキストの最後の方に索引があるので見つけやすいです)→テキストや解説を読んでもわからなければみこさんに質問、の繰り返し。
過去問は5年分100点とれるまでやりました。夜勉強したことは朝復習すると効率が良いです。読むだけでも十分です。昨夜間違えた問題を次の日の朝間違えたら付箋を貼って隙間時間で読んで、仕事中暇なとき頭の中で復習とかしてました。

【通関実務】
みこさんのテキスト、翔泳社過去問題集、実務集中対策、過去問を使用しました。翔泳社のテキストのみでは理解できなくて焦っていたところ、みこさんのオリジナルテキストで感動しました。翔泳社のテキストではわかりづらくて理解できなかった部分も誰でもわかるように噛み砕いて説明してくれています。みこさんのテキストと過去問をメインに、翔泳社の集中対策問題集の申告書はかなり難しいので力試し的な感じでやりました。計算問題は易しいので忘れた頃にやる、というようにしてました。実務はとにかく問題を解きまくりました。
問題を解く→なぜ間違えたのか考える(計算ミスなのか、読み間違いなのか、暗記不足なのか、問題を理解できていないのか等)→それでもわからなければみこさんに質問、の繰り返しです。
こちらも過去問は5年分は100点取れるまで何回もやりました。計算はミスしないように1問につき5回はやる、問題をまじでよく読む!を徹底しました。

【勉強の流れ】
○4月〜8月上旬
あそびながら適当に楽しみながら勉強してました。5〜6月はほとんどしてませんでした…。この時期に使っていた教材は翔泳社のテキストと過去問題集のみです。

そして覚えるだけだしいけるのでは?と謎の自信に満ちて8月頭に昨年度の過去問を解いてみたところ

通関業法 63%
関税法 42%
通関実務 2%

あ、これ無理かも…。って一瞬諦めかけましたが、業法と関税法はもう少しやれば全然余裕でいけそうでしたし、実務だけ本気で頑張ればまだ間に合う!と思い、この時期に翔泳社の実務集中対策購入&独学では厳しいと判断しみこ会に入会。

○8月半ば〜試験当日(10/3)
本気出し始めました。飲み会も全部断って禁酒、同棲していた彼氏とも別で住み、仕事以外はずっと勉強してました。19:30に仕事が終わって20:00~2:00まで勉強、朝起きて30分〜1時間ほど復習を毎日。休みの日は11時間ほど。
ここでみこさんのテキストを一日で読み切り、理解しながら覚え、問題を解き始めました。品目分類を覚え始めたのもここからです。ここから猛烈に実務は伸びました。
8月下旬から試験当日までは過去問→テキスト→みこさんに質問、の無限ループです。

【試験前日〜当日】
試験前日はものすごく不安で眠れず、テキストを眺めてました。睡眠時間は結局2時間ほど。 

試験会場についても、試験中も眠すぎて頭がふわふわしてました…。が、気合で乗り切りました。

休憩時間はテキスト眺めてました。これ結構大事だと思います。特に最初の2科目は。

あとトイレは試験時間終わった瞬間に人目を気にせず誰よりも早く真っ先に行くべきです!激込みです。

【2021年度の試験の感想】
通関業法:マニアックな問題が2.3問出たくらいでほかは普通だと思いました。
関税法:全体的に一番難しかったです…。複数選択の問題は3問しか合いませんでした。
通関実務:かなり力を入れていたのと、難易度が低めだったので余裕な手応えでした。 

過去問をやりまくったおかげで試験当日はどの科目も試験時間の半分以内で一周目解き終わって、見直しは6.7周できました。
途中退室するか悩みましたが、時間ギリギリまで問題を読み込んで見直ししました。

過去の傾向的に今年は合格率下げる問題が出ると覚悟はしていましたが、まさかの科目免除勢の合格率下げるような問題かーという感じでした。例年通り業法、関税法はまぁまぁ簡単、実務が鬼、と思って勉強していたので最後の方はほとんど業法と関税法の勉強はしてなくて前日夜にテキスト読んでたくらいです。でもそれがかなり試験に影響したと思いますし、暗記系は直前の復習がとても大事です。関税法でかなり焦りましたがなんとか合格でした。
試験が終わって家についた瞬間ぶっ倒れて爆睡しました笑

【試験を終えて】
短期間のゴリ押し勉強だったので後半はもう辞めたい…つらい…投げ出してラクになりたい…と思う程しんどかったですが、今思えば青春でした、楽しい半年間でした!
通関士試験は年に一度しかないですから、死にものぐるいで絶対今年受かりたい!こんなに勉強して受からないならもういい!という気持ちで勉強すれば絶対大丈夫です!

【みこ会について】
勉強し始めたときからツイッターで拝見していてみこ会の存在は知ってましたが、絶対独学で受かる、という謎のプライドでずっと入ってませんでした。でも過去問の解説やテキストを読むだけでは全くわからない、法改正等もあり今現在の正しい知識が判断しづらい。そこでみこ会に入会。この料金で質問し放題はコスパ良すぎですし、みこ会の記事も有益すぎる情報ばかりです。もっと早く入っておけばよかったです…。しかもみこさんの課税価格決定のテキストは本当に神です。翔泳社のテキストだけでは絶対理解できませんでした。
試験後、あなたはみこ会を使い倒した人ですと言われるほど質問しまくりで、ちょっと申し訳なかったです…。試験前日の夜まで質問するくらいでした笑。理解力の乏しい私にも即レス、丁寧な解説、とってもいい人です!!手のかかる子でほんとにすみませんでした…。
みこさんなしでは絶対にこの短期間で合格できませんでした。これから通関士試験を受けようとする方は絶っっ対みこ会入るべきです!!感謝してもしきれません!!本当にありがとうございました!!

私と通関士試験ちゃん

Noob さん(30代 会社員 2021年度合格 受験回数1回)

第55回通関士試験に合格致しました。社会人、業界未経験、初学者という条件下での受験となりましたが、これから学習を進められる私と同じ境遇の方の参考になれば幸いです。

        * * *

1月に受験決意並びに試験までの9ヶ月を正しく進められるよう情報を収集。飽きっぽい性格から、一発合格以外に通関士資格取得は難しいと見定め、収集した情報の中から自身の性質に合い尚且つ有効であろうと思われるものを模索。春に別の国家試験を控えており、そちらを独学で進めていたため、通関士試験は資格予備校の通信講座受講を検討。


2月になる頃ようやく
  ( TAC+みこ会+Twitter )×  学習
         を最適解と推定しました。


方針の決定後は自身が定量の学習を重ねるのみとシンプルでわかりやすい状況になります。
しかしながら私は、意思が弱く、自分に甘く、不合理な方法を取ることに抵抗がなくと、長期に及ぶ通関士の学習においておおよそタブーとされる要素で構成される日常を送ります。

  • 毎日勉強することを良しとしない
  • 通勤等の隙間時間を勉強に充てない
  • 通関実務の学習は7月から開始(TAC準拠)
  • オリジナルのまとめノートを作成

試験攻略に学習の習慣化は欠かせませんが、習慣のサイクルは人それぞれで良い筈です。
毎日の勉強を自身に強いて息切れしたり、通勤や仕事の合間に内容の伴った勉強ができるほど器用ではないことを私は知っていました。
意図的に学習時間を抑えることで、「早く勉強したい」と思う飢餓感になり、それは机に向かった際の高いモチベーションと集中力保持に役立ちました。一番恐ろしいのは、ダラダラと時間を費やし「勉強した気になること」です。
まとめノートの作成は、その作成時間、手間を大きく上回る自身へのメリットがない限り必要ありません。誤った知識定着のリスクももちろん高いです。
私はTACの授業配信の間、ジッと聞いてると退屈して集中できないため、学習において能動的な時間の確保を目的としてあえてノートを作りました。あくまで自分の心持ち優先です。
授業は1.2倍速で聴き流すような形にし、その間にTACのテキストから要点を抽出したものに翔泳社の通関士完全攻略ガイドから補足情報を加えてノートに纏めて、TACスピードマスター、過去3年間の過去問と併用する形で通関業法と関税法等の学習を進めました。


以下、具体的な学習の流れへと続きます。

      * ① *


【通関業法及び関税法等のインプット期】
【2月〜3月*通関業法+貨物分類】
【2月〜4月*関税法等+貨物分類】
【4月〜6月*関税定率法+課税価格の決定】

通関実務同様、通関業法と関税法等においても本質的な理解は欠かせないものの、合否を左右するのは最終的に単純な知識量であるため、時間をかけて頭に入るよう「忘れる」ことを恐れずに、一定の間隔をかけて学習を進めました。
覚える → 忘れる → 覚え直すという反芻は、遅々とした歩みながらも頭に残れば容易には消えない強固な記憶となるため、通関実務の学習が始まる7月の頃には業法と関税法は本試験で充分に合格できるレベルに達しており、残りの3ヶ月を通関実務の学習に集中して使用できるアドバンテージとなりました。

       * ② *

【通関実務学習開始】
【7月〜8月*通関実務+2科目定期メンテ】
【Twitter本格使用開始+zoom勉強会参加】
【「みこ会&LEC貨物分類」の二大攻略本】

TACのカリキュラムでは通関実務対策が7月開始と遅いものの、通関業法と関税法等と並行して貨物分類並びに課税価格の決定の学習を進めるため、ある程度前提知識を持った状態で迎えることになります。しかしながら通関実務は本質理解が不可欠であろうことは2月の情報収集で察知していたため、Twitterで評判の高かった、

    「みこ会 • 課税価格の決定」「LEC • 貨物分類対策講座」

こちらの2つのテキスト、講座で知識を補完。それまでの表面理解から本質理解に昇華させ、尚且つ体系化した状態で自身に落とし込むことができ、通関実務の学習に大きな効果を発揮してくれました。また、セオリーと反することになりますが、通関実務の過去問は一度も触れずに、TACの実務対策教材と、日本関税協会の「ゼロからの申告書」、「計算問題ドリル」の周回を重ね、自身の心地良さを優先してきた学習方法でどの程度の結果が出るのか、9月初旬に4つの模擬試験を受けることとなります。

       * ③ *

【試験直前期】
【 TAC / LEC / MHJ / 関税協会 / 模擬試験】
【zoom過去問会で溜めてた過去問に着手】

4種の模試は全てで3科目ともに合格ラインを超えることが出来ましたが、個人的には会場受験で本試験の擬似体験をすることの他に、模試で大きな効果を得られるとは思いませんでした。
関税協会のものを除き、予備校模試は本試験に比べればニッチな出題傾向にあり、それだけに本試験との関連性は薄いと感じたからです。
実際に模試の復習は不必要と判断し、これまで重ねてきた基礎知識、頻出問題の確認に時間を割きました。通関実務に関しては、これまで努めて触れないようにしていた過去問にようやく着手することを許し、直前期に本試験に直結する良質な問題を初見で解ける、自身で用意した模擬試験のような形で利用。Zoom過去問会で本試験同様のタイムスケジュールでその時間を重ねられ、得点も8〜9割取れていたので、学習に飽きず、良いイメージを保ちながら本試験を迎えられる直前期を過ごすことができました。


         * * *

官報に名前を見つけ、合格証書を受け取り思うことは、本試験に向けて1月から情報収集をし、自身の性格に沿った形でうまく反映させ実行できたことが勝因であろうこと。また早くに基礎知識の大切さに着目し、大切に育ててこれたことも大きな要素であると実感しております。そして何より9ヶ月間の学習(約500時間)を積み重ね、継続できたのは、みこさんをはじめ、Twitterで出会った多くの方に刺激を受け、支えられたからにほかなりません。コロナも終息に向かいながら、常に不安定であった2021年を結果的に素晴らしい1年にすることができました。

皆様本当にありがとうございました。

これからチャレンジされる方も、健康に充分な配慮をされながら是非ともTwitterを情報交換とモチベーション獲得のために活用していただき、その中からご自身にあった選択を以て学習を進まれるよう応援しております。

がんばってねー!!

やらなかった後悔には負けたくなかったから

msさん (メーカー勤務 2021年度合格 受験回数1回)

【はじめに】
私が通関士という資格を知ったのは、実は大学生の時でした。
もともと貿易業界には興味がありましたが、当時は学校の先生になりたいという思いもあったので、新卒で英語の先生になりました。
学校の先生もとても楽しかったのですが、学生時代に興味のあった貿易業界にも挑戦してみたいとも思い、思い切って貿易事務へ転職を決意しました。そして自身に箔をつけるべく通関士試験の勉強を始めました。

【使用教材】
①みこ会テキストと記事
②フォーサイト教材一式
③翔泳社通関士完全攻略ガイド
→全ての教科において辞書代わりに使用。
④ゼロからの申告書2020
⑤白スミレ先生の「はじめての品目分類」講座
⑥ユーキャンセレクト過去問題集(頂き物)
⑦LEC 実践力Power Up講座(申告書編・計算編)
→みこ会タイアップ企画にて単発で購入。
⑧2021〜2022年度どこでもできる通関士選択式徹底対策
⑨模試(関税協会・LEC)

【1年間のハイライト】
勉強期間:413日間、少なくとも1,200時間以上は勉強しました。
出勤前の30分(業法or関税法等)
昼休みの30分(業法or関税法等)
帰宅後最低1時間(実務メイン+他教科)
※直前期は最低2時間
休日は各日ともに最低4時間 (3教科ともやる)

時間数は比較的多い方だと思います。私自身が“他人がいつもの3倍努力して掴むもの”を10倍努力しなければ掴めないタイプなので、こんな時間数になってしまったのもあります(笑)
私と同じようなタイプの方は、ご参考になさってみてください。

過去問演習は1月から始めました。
業 法:4年分を6周。
関税法:5年分を6周。
実 務:10年分を5周。直近4年分は6周。

「過去問は最強の教材」です。答えを覚えるくらい解くべし。
間違えたところの正しい理解は絶対に放置しないことをオススメします。
ちなみに私は、解いた日付・得点・得点率を毎回記録することでモチベーションUPにも繋がりました◎

過去問を解く上で今まで法改正がネックでしたが、そこは今後みこ会でクリアになりそうですね!

【通関業法と関税法等】
・フォーサイトの過去問題集をメインで使用。
(注)練習で6割覚えていたら本番でも6割取れる、わけがないです。問題集を完璧に解けるレベルに仕上げてやっと合格へのスタートラインという感覚で勉強しました。
・通勤時間やスキマ時間にどこでも通関士で反復して勉強。
・分からないところは必ず翔泳社通関士完全攻略ガイドで調べる。

*業法
過去問や問題集を繰り返してやれば十分に対応可能でした。
他教科に比べて範囲が狭いがゆえに疎かになってしまいがちですが、毎日5〜10分だけでも業法のための時間を捻出してください。(私の場合は通勤時間のどこでも通関士でカバー)

*関税法
こちらも過去問や問題集の反復練習で対応可能でした。
私は問題を解く上で自分の答えが正の場合はなぜ正なのか、誤の場合はなぜ誤なのか、回答の隣に簡単にメモをしていました。問題の丸つけに加えてそこの丸つけもしていました。
なぜなら仮に答えが合っていても、理屈の理解を誤っていたら、次にまた正解できる保証がないからです。

初学者&業界未経験なので現場でのイメージが出来ないため、どうしてこの答えになったのか?をきちんと理解することが大切だと感じました。

【通関実務】
・フォーサイトの実務の教材だけでは手薄感があり、他の教材を使用。
・実務はとにかく数をこなした。
→申告書と計算問題を完璧にしたら30点獲得できるという意識を!

ゼロ申:12月〜3月頃までで3〜4周しました。
LEC実践力Power UP:申告書は3~4周。計算ドリルは6周しました。
LECの計算ドリルは、問題を読み解く力がかなりつきました。問題は表現の仕方ひとつで答えが変わることもあるため(この文言があるから丸に見せかけて実はバツみたいな。)、ここで鍛えられた読解力は実務だけでなく他教科にも応用されたと感じています。

分類は白スミレ先生の講座で基礎を作り、あとは申告書を解きながら覚えました。
日頃からこれって何類だろう?と疑問や興味を持って調べるようにしていたのも良かったと思います。

【さいごに】
とここまで書くと1年間順調に勉強できた人なんだなぁと思いますよね。残念ながら人生そんなに甘くありませんでした(笑)
試験までちょうど100日とツイッターで盛り上がる中、私は難病の疑いを宣告されてしまい、正直心身ともにボロボロでした。
そこからは勉強しなきゃと焦る気持ちと体調との闘いでした。
受験自体をやめてしまおうと思った時もあったけれど、「やれない理由をいくつ探したって、やらなかった後悔が勝つ」と自分に言い聞かせ、やれることをやれるだけやろうと切り替えました。

身近にいる方々はもちろんのこと、同じ目標に向かって切磋琢磨できた勉強会のメンバーにはたくさん刺激をもらい支えてもらいました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

心身ともに健康でいられる環境が何よりも大切であり、受験勉強はその上に成り立つものであると痛感した1年でもありました。

さてここまで長くなりましたが、私の体験記が少しでもお役に立てれば幸いです。
次年度以降受験される方々を心から応援しています!

仕事と育児の合間に2,000時間を捻出

kashim さん(33歳 業界未経験 時短勤務 娘2歳 2021年度合格 受験回数1回)

●挑戦の動機

仕事と子育ての両立にも慣れてきたので、身動きの取りづらいコロナ禍を利用して何かに挑戦したいと思いました。ゆくゆくは英語+α(専門知識)の仕事をしたいと考えていたため、大学時代に憧れた通関士受験を決意。申し込んだ通信教育のテキストでは不十分に感じ、みこ先生に師事しました。

●開始時期と勉強時間

・2020年通関士試験の日に初めてテキストをひらき、きっかり1年間

・1日5時間〜7時間の勉強時間を捻出

(朝4時から娘が起きるまで/職場でのお昼休憩/帰社から保育園のお迎え時間まで等)

合計勉強時間は恐らく2,000時間をゆうに超えています。しかし最後の数ヶ月はこの世に実在する問題をすべからくやり尽くし、手持ち無沙汰になってしまったので、ここまで時間を費やす必要があったのかは果してわかりません。丸々一年は長過ぎたかもしれませんが、元来きまじめな性格のせいか中だるみもなく、これだけがんばったのだからという自信にはなりました。

●使用した教材とその印象

・通信教育F:初めの数ヶ月のみ使用。基礎が上手くまとまっていて導入には良かったのですが、内容の薄さを感じました。宣伝文句に合格基準の6割を取るための最短コースなどととありますが良くも悪くも真実です。合格ギリギリの6割を目指していると僅かなミスで涙を呑むことになるので、満点を目指して取組むべきだと思います。

・合格ハンドブック:通信教育Fで基礎を頭に入れたのち、主たるテキストとして使用。大抵の知識は書いてあるので、繰り返し読んで過去問を解くことで習熟度が高まりました。

・関税評価ドリル:文章丸暗記ではない「深い理解」が得られます。

・計算ドリル:必携。関税の計算はただの算数のように素直に足して行けばいいというものではないので、問題の数をこなす必要がありました。

・通関実務集中対策問題集:関税評価の解説がどのテキストよりわかりやすいです。第一版〜三版で掲載問題がいくぶん異なるので、いずれも購入しました。

・ゼロからの申告書: 皆使っているので、やはり必携。解説は不親切なので、ある程度実務の理解が深まってから使用したほうがよかったです。

※私は20年12月頃に実務の勉強を始め、ゼロ申に取りかかりましたが当初は計算方法が全く理解できませんでした。幾つかのパターンを理解してペンがスムーズに進むようになるまでに1,2ヶ月かかりました。申告書一つを1時間以内に解けるようになるまでにはさらに2ヶ月かかりました。

・本試験過去問:ネットから引用。

・実行関税率表:税関HPより。全ての類を2〜5周。重要な類は印刷して読み込み、ピンときた所にマーカーし、分類専用ファイルを作りファイリング。時間も精神力も削られる作業でしたが、森羅万象おおかたの分類は頭に入りました。

模試: 新しい問題を入手したかったため4社申込みました。「どうしよう、わからない、でも落ち着いて!」を体得する練習になるので、本番同様のスケジュールで取り組むことが大事。

●合格できた理由3つ

①いつでもみこ先生に質問できたこと

LINEで24時間、質問を受付けて下さり、お返事も迅速なのでこんがらがった頭が忽ちスッキリします。いい加減な質問ではきっとお説教をくらってしまうとびくびくしていたので、今一度よく考えてから質問を投げたのも自分のためになったと感じています。

②繰り返し学習したこと(一度出来た問題も含めて)

新しい知識をインプットすると古い知識が抜けていきます。あまつさえ、ある程度知識がついてくると、それまで難なく出来ていた問題でも深く考えすぎて間違います。勉強はこの連続でした。幾度もつまづき、乗り越えて理解が深まっていくので、繰り返し学習することはとても大切です。マイナー資格のため問題集の数も少ないので、上記の問題集はそれぞれ20周ほどさらいました。

③自分に合った勉強スタイルを見つけること

私は勉強することがいっこう苦にならないタイプですが、人それぞれ集中できる時間・時間帯が異なると思うので自分に合った勉強スタイルを早いうちに見つけることが肝心と思います。

●おすすめの記憶定着法

あさ頭に入れた知識を、その日の就寝前にも覚えているか確認することです。

貨物分類は、写真のように専用のファイルを作り自分なりの覚えかたで理解していくのが良いと思います。

●結果と感想

点数:通関業法34/45 関税法49/60 通関実務44/45

通関士試験に挑戦して得られた成果は、ひとえに精神力の向上です。この一年間、背もたれのない椅子にずっと腰かけているような落ち着かない気持ちが続きました。娘がひとたび泣けば勉強はプツンと中断されるので、追込み時期は育児との気持ちの切り替えに苦心しました。

当日は通関業法がことのほか難解で弱気になりましたが、心を持ち直す練習を模試でしていたのが幸いしました。また、6割ではなく満点を目指して取り組んでいたことも心の余裕に繋がりました。

今回得た知識が今の業務に直結することはなくても、転職活動の足がかりになったのは確かですし、寸暇を惜しんで勉強する行為そのものが自分を成長させてくれたように思います。しばらくは真心込めて家族と向き合う時間を大切にし、フルタイムで働けるようになった暁には、合格証書を引っ提げて憧れの貿易業界にデビューしたいと思います。

長くなりましたが、学習意欲を奮い立たせてくれる一節で締めくくります。

勉強というものは、いいものだ。日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。

学間なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものなんだ。これだ。これが貴いのだ。-太宰治『正義と微笑』

転職への足がかりに!異業種から2回目の挑戦での合格

いおり さん(30代女性 金融業 2021年度合格 受験回数2回)


現在金融業に勤めておりますが、そもそも通関士試験を受験しようと思ったきっかけは以前の自宅近くに税関があったことです。通関士という職業があることを知り、「かっこいい名前のお仕事だなぁ!」と思っていました。
しばらく忘れていたのですが数年後転職を考えるようになった時に「何か資格を取って転職の足がかりにしたい、何か勉強したい、せっかくなら国家資格取ってみよう!」と考え、通関士資格の事を思い出しました。
貿易の事を何も知りませんでしたが何だか面白そうだぞ!と興味を持って勉強を始めました。
独学で当然周りに通関士の事を知ってる人も、情報もない状況で1年勉強しましたが54回は業法7割、関税法と実務は5割の得点で不合格。
6割取れたら合格する試験ですが、甘く見て勉強を6割の理解でいいやと思っていたのが敗因だと思います。初見で取れない問題も出ますし、6割の理解では太刀打ち出来ないと痛感しました。

試験の直前にみこ会の存在を知り、もし落ちたら入会しようと決めていたので合格発表当日に早速入会。
記事を読み漁り、勉強の進め方や計画の立て方などを特に熟読しました。
方針としてはテキストをまず1周、それから早速過去問を解き間違えた箇所や正誤判定の根拠が曖昧か不正解の箇所をテキストに戻って確認するということを徹底しました。過去問は何度も何度も解答を覚えてしまうくらいやりこみました。

教材は下記の通りです。
○テキスト:通関士完全攻略ガイド ヒューマンアカデミー
→2年目ですが1から学び直す気でしたので、細かく解説されていてありがたく、分かりやすい内容でした。
○どこでもできる通関士 選択式徹底対策
→選択肢無しの穴埋めです。
通勤や昼休みのお供にずっと持ち歩いていました。3分野に別れていますが試験範囲を偏り無く満遍なく復習するために、それぞれ3つ付箋を付けておいて並行して読み進めました。これはかなり効果的で、学習が偏って忘れてしまうことがあまりありませんでした。
○みこ会のテキスト
課税価格の決定について初年度は丸覚えしていましたが、加算、非加算、控除になる理由が丁寧に解説されていて大変勉強になりました。理由が分かると変化球が来ても落ち着いて考え、判断ができるようになりました。
○過去問スピードマスター
過去問ですが分野別になっているので本試験の過去問とは別にやりこみました。7周はしたと思います。

上記とは別に計算ドリル、ゼロからの申告書、単発で貨物分類講座等も大いに活用しました。

初年度ではやらず2年目でやってみてこれは良かったなと思うことは以下の通りです。

1、テキストは早く読み進める
まず早く1周して過去問、問題集を取り組みながら理解を深めて知識をつける。
2、実務対策は早めに!貨物分類の知識は早めに勉強して分類のポイントを自分の物にして下さい。申告書問題はとにかく時間との戦いです。分類の切れ目や知識は大いに時間短縮に役立ちます。申告書楽しくなると一気に勉強が楽しくなります!
3、隙間時間を大切に!勉強しない日をつくらない!
子供2人と仕事もフルタイムだったのでととにかく勉強時間を捻出するのが大変でした。どこでも通関士やみこ会のテキストをタブレットで電車の中で15分読んだりしてとにかく暇さえあれば勉強しました。
試験範囲にたくさん触れることは知識の定着に必須です。また勉強の習慣をつけるために勉強しない日を作らないことを遵守しました。しんどい時は1日15分でもいいのです。必ず1回は範囲に触れること。平日2時間、土日は4時間やり結果的に1年で900時間勉強しました。
4、耳から勉強する
みこ会のテキストをPDF読み上げアプリで再生したり、LECさんの貨物分類講座の音声のみを子供の寝かしつけ時や勉強出来ない時に聞いて勉強していました。
5、模試を受ける
2年目で初めて模試を受けました。会場でしか確認できないこと(科目の合間の時間の活用の仕方~トイレのタイミングまで)を体感する為です。緊張のあまり時間配分を完全に間違えてしまい、実務で大失点しましたので本試験ではきっちり時間配分を決めて受けることが出来ました。
6、勉強仲間を作る
Twitterアカウントを作ったことで同じ通関士試験を受ける仲間が出来ました。質問をして皆で解決したり、教材や試験情報の交換を頻繁にしていました。一緒に頑張れる仲間が出来たことは異業種で挑戦している私にとって大変心強かったです。

試験当日は念の為前泊して当日は6時に起床しました。予め直前に確認しておきたい箇所に付箋を貼っていたので、会場に向かう前や試験の合間はそこから確認していました。
着席してからは周りを見渡して深呼吸を繰り返しとにかく落ち着くよう務めました。

○業法:かなり自信があった語群選択で初見の問題があり、血の気が一気に引きました。もうダメかも…….と思いましたが「これは皆分からないはず!」と思い直し、最後まで解いてみ見直ししてから考えることにしました。
※余談ですが語群選択問題は過去問ほぼ完璧に解けるようにしておくのがいいです。合計で25点ありますのでここが強くなると点数が安定します。
○関税法等:複数選択でかなり悩みました。結果ここは半分しか合っていませんでしたが他の問題で何とか取り返しました。
○実務:模試での失敗を踏まえてかなり細かく時間配分を考えました。輸入申告書40分、輸出申告書15分、問3~7問を10分、問8問~12問を15分、13問~17問を10分、見直し10分が目安。輸入申告書をじっくり考えたかったので問3~17→輸出→輸入の順で解きました。
去年は消費税を落とし今年出たらぜったい当てると決めていたので、出題されてるのを見た瞬間心の中でガッツポーズしました(笑)
輸出申告書は注にほぼ書いてあったので悩まず分類出来てラッキーでした。輸入は何度も過去問をやった飲料類やお菓子だったのでこれは貰ったと再び心の中でガッツポーズ!

試験が終わり自己採点で大丈夫なのを確認しましたが、見直ししたのにマークミスしてないかと合格発表まで不安でした。
当日ドキドキしながら官報で自分の名前を確認した瞬間目が潤んでしまいました。去年の悔しさを思い出し、本当に嬉しかったです。
2年かかりましたが貿易のぼの字も知らない状態からここまで来れたことは、勉強に集中させてくれた家族の協力や応援、そしてお世話になった講師の方々、苦楽を共にした勉強会のメンバーのおかげです。
この場を借りて御礼申し上げます。

試験は年に1回しかないので、これから挑戦される方は「ここまでやってダメなら悔いはない」と思うまでぜひやり込んで頂きたいです。
そして、試験当日は自分の1年間の思いをぶつけてきて欲しいです!心より応援しております。

継続力が肝心!最後まで走り切ろう!

りょーたろう ちゃん(男性 国際物流企業(フォワーダー)3年目 2021年度合格 受験回数1回)

使用教材
1.通関士試験の指針(関税協会)
2.通関士試験 問題・解説集(関税協会)
3.ゼロ申(関税協会)
4.計算問題ドリル(関税協会)
5.LEC分類講座
6.みこ会課税価格決定テキスト
7.過去問

指針に関しては、内容はかなり網羅的でこれ一冊を完璧にすれば他のより点数獲得に近づくと思います。問題集と組み合わせて使用していました。
関税法、業法は後述しますが、指針を3.4周回くらいしてから問題集を一度やり、その後はずっと過去問を回す様にしてました。
ゼロ申、計算問題ドリルは言わずもがな、必須です。
LECの講座は分類に苦手意識を持ってるいる人は受けた方がいいと思います。一度全部見るだけで、分類についての考え方が変わるので実務の申告書問題と大問3以降も役立つと思ってます。
みこ会のテキストは5周ぐらいした気がします。必ずやって下さい。これが分からないと実務の申告書、課税価格の計算で詰みます。
参考書では難しい日本語で書かれているものも分かりやすい例えで書かれています。

4月課税価格、税率の順番、原産地規則、事前教示の勉強
5月上記+申告書
6月上記を忘れないように少しやりつつ関税法スタート
7月関税法過去問初め
8月業法スタート。実務、関税法は複数周回しつつ
9月毎日過去問

みこ会でおすすめされてたスケジュールを参考に実務の勉強から始めたのが功を奏したと思います。

過去問は以下の通り四分割してました
実務大問3〜17(4.10)
実務申告書(4.12)
業法(3.4)
関税法(3.10)
カッコ内の最初の数字は周回数で、後ろの数字は何年分の過去問をやったかです。

・総括
総勉強時間数は400時間程でした。
4月から徐々に始めて基本的には毎日少しずつ勉強してました。
平日の仕事後は疲れて集中出来ないので朝5:20に起床し2時間弱の勉強、後は行きの電車とお昼休憩で合計40分ぐらいやってたかと思います。1日平均3時間弱程です。
帰宅後は気が向いたらやるようにしており、夜は23時には寝てました
土日は少ない日は3〜6時間ほどやってたかと思います。仕事が忙しく全然できない場合もあるかと思うので、こまめに時間を見つけれると良いと思います。

実務から勉強し始めたので、実務の勉強時間が足りなくなる事もなく、スムーズに勉強が進んで行きました。
長期、中期、短期で計画を立てていたので、スケジュールを意識しながら出来たのが良かったのかなと思ってます。

最初は分からないことをすぐみこさんに聞いてしまい、自分で調べることが少なく厳しめに怒られた事もありました。(みこさんあの時は本当にすみません。)
自分で調べながら勉強する事で理解度がより一層ますと思うので、時間をかけながらでも自分で紐解いて行くのが大事です。

参考書はアンダーラインを引きながら何度も何度も読み込む事で覚えていきました。過去問もやりながら参考書をやる事で、理解度が増すと思います。
過去問はやればやる程点数が伸びていったのでモチベーションの維持に役立ちました。
点数は記録するのがオススメです。
ただやるだけではなく、なぜ間違えたのか、どこかを誤って理解してたのか、それとも単純に知識がなかったのかなどを考えながら復習するといいと思います。

最後に
みこさん半年間お世話になりました。
何度質問しても丁寧にお答えいただきありがとうございます。
今まできちんと勉強してきたことがあまりなく、初めて自分の意思で勉強を継続して来ました。それもこれも皆様の支えがあった為できたと思ってます。
ここまで拙い文章で申し訳ありません。読んで頂きありがとうございます!
これから受験する方も勉強を継続すれば必ず合格できます!頑張って下さい!

異業種からの通関士試験挑戦~2years~

ふくのすけ さん(40歳男性 医薬品メーカー営業 2021年度合格 受験回数2回)

【通関士試験に挑戦したきっかけ】

・現在の職種15年以上経験。将来国際的な業務に挑戦してみたいと思い、そのきっかけにしたかったから。貿易・通関業知識全く0からのスタート

【勉強に使用したテキスト】

◎自宅学習の中心テキスト◎

・SHOEISHA:通関士テキスト・SHOEISHA:通関士過去問題集が〈メイン教材〉

 ☞1回読むだけではほとんど過去問題解けない、過去問の本番カバー率はそこまで高くないため、後述の通関士試験問題解説集と組み合わせると最強。本番、模試1科目・2科目共に一度も合格点下回りませんでした。

・日本関税協会:通関士試験問題解説集〈1・2科目を確実にしたい方〉

 ☞基本通達問題がたくさん出て解けなくても、この問題集を徹底的にやっていれば通関業法・関税法等で落ちることはほぼない!過去問だけで心配な人は早めに購入。ただ5択や択一の問題集でないので上記の過去本とセットで勉強するのが理想。量が多く同じ過去試験の問題が載っているので確実に分からない問題をチェックしておくと良い。

・日本関税協会:計算問題ドリル〈実務計算対策〉

 ☞購入必須。3周するのが理想。確実に解ける問題は飛ばして、間違えた問題を中心に繰り返し勉強すれば効率よく勉強できます。何故加算か?非加算か?を繰り返すこと。

・日本関税協会:ゼロからの申告書〈申告書対策〉

 ☞購入必須。これで申告書はかなり実力つきます。あらゆる類やパターンを網羅しているので3周が理想。あとみこ会会員になれば同テキストの問題解説を丁寧に解説されているので、独学できちんと理解したい人はおススメ!このコラボで申告書は実力つきます。

・SHOEISHA:通関実務集中対策問題集〈実務対策〉

☞申告書、計算が一冊にまとまっている。ゼロからの申告書、日本関税協会のドリルをやって物足りなければ+αでやる、くらいで良いと思います。問題数が少ないため、こちらはサブ的で余裕があれば購入くらいで良いと思います。

・統計品目カード:AMAZON/メルカリで購入できます。〈貨物分類対策〉

 ☞絵が描いてあるので、独学の場合は購入検討ありだが、4000円以上するのでお財布と応相談。 絵がうまい人は自分で手書きしたり、EXCELでまとめている人いました。

・模擬試験:TAC・日本関税協会・日本通関業連合受験しました

☞模試は日本関税協会は模試の中では易しい問題が多いのと開催時期が最初なのでほぼ必須!であと+2つくらい受験ススメます。(LEC/MHJ/通関業連合)

◎通信教育◎

・TAC 実務パック受講:昨年本試験実務が自己採点25点で不合格だったことと、通関業法・関税法等はある程度勉強が進んでいたため実務に絞って受講。

・貨物分類のテキスト自体と小貫先生の講義が秀逸。(本試験:貨物分類系全問正解)

☞講義ずっと聞いていると集中力落ちますが、小貫先生の独特ネタが面白くてずっと聞けてしまいます。

・計算課税価格の所も加算・非加算のところを徹底的に対策し、数・質も高い!(計算の苦手克服できました。昨年本試験4点→今年8点)

☞TACの実務パックは貨物分類、計算対策は特に秀逸です。申告書も問題こなすので、今年の本試験の輸入の分類にTACの直前答練とそっくりの問題が出ました。お蔭で輸入申告書は満点取れました。

☞ほかにLECさんも実務パックあるのでお値段など見て決めるのが良いかと思います!

【試験当日】

〈会場〉来年はわかりませんが、熊本会場は駅チカで、駅前にホテルがあるので、楽でした。会場の選択も大事かも。

〈食事〉お昼挟む試験なので、カロリーメイトやゼリー食など眠くならないものが良し!

〈早出〉実務に備えて、通関業や関税法等1・2科目試験時間早期退出はアリ!

☞※確実に合格点が取れると踏んだ場合に限る。

〈実務〉輸出は輸入より分類が難しく時間が取られることが多いため「輸入→輸出」の順で解くのがおススメ!参考:計算→輸入→輸出→択一→複数選択の順で解きました。

〈持ち物〉マーカ、定規、電卓2個、時計必須(※時計無い会場もあります!)

【俺的おススメ】

〈疲れて勉強する気が起きない時〉You Tube「税関チャンネル」がおススメ♪

【全体的な感想】

・異業種で業界未経験の方は早めの勉強をススメます。(理想2月頃~)

・貨物分類は暗記と申告書対策にもなるため実務対策で早め+継続的に勉強した方がよいかも。スーパーでこの商品は〇類!とすぐ分かればばっちり!

・通関業法は本番試験で基本通達攻めされても日本関税協会の問題・解説集でほぼカバーできるので基本通達の勉強まで手を広げなくてよいです!(過去問+問題解説集のみで2021本試験は38/45点取れました)

【最後に】

・みこ会のゼロからの申告書解説が秀逸です!お蔭様で常に申告書に絶対的自信が持てました。ブログも最近~過去までの読むことをおススメします(^^♪他にもいろいろと特典あるのでコスパは激しく良いです。(※特に独学の方)

・これから勉強される皆様、たくさん勉強して是非通関士試験合格を勝ち取ってくださいね!

貿易アドバイザー協会(AIBA)

こんにちは!

私は2020年の通関士試験合格を目指して、みこ会に入会し、みこさんの手厚いサポートのおかげで合格することができたハンドルネームbankooです。

みこさんのサイトを見てくれた皆さんは通関士試験に関心がある人だと思いますが、通関士試験合格に向けて一生懸命頑張って見事に合格される方はきっと向上心がとても強い人達ですよね。

通関士試験に合格できたら、その次には何をやろうかな、と真剣に考えている皆さんのひとつの選択肢としてこんな試験もあるよと、と言うことで私bankooも会員である貿易アドバイザー協会(通称*AIBAと呼んでね、以下AIBAで統一)が行う貿易アドバイザー試験をみこさんのご好意で紹介させてもらいますね。*Association of International Business Advisersの頭文字からだよ!

この試験は通関士試験対策でもお馴染みの日本関税協会さん、ジェトロ(日本貿易振興機構)さんなどの貿易業務に関りが深い多くの団体さんも応援してくれていて、毎年11月に行われます。AIBAの会員になる為には、ちょっと難しいかもしれないけど(でも通関士試験も難しいと思うので、合格した人はすごいぞ)、この試験の合格が条件なのです。試験に合格できた人達のほとんどがAIBA会員になってくれますが、入会金(20,000円)と毎年の年会費(18,000円)もあるので、実際に入会するかは自由です。

私bankooはAIBAの理事でもなんでもないので、あくまでも個人的な感想ですが、この試験は皆さんもご存知の貿易実務検定試験と出題科目も似ています。私bankooは貿易実務検定A級にも合格していますが、比べてみると貿易アドバイザー試験は英語で英作文1問ある以外は選択式なので、筆記試験が主体の貿易実務検定A級よりは準備がしやすいかも。難しい通関士試験に見事に合格し、更に貿易実務検定B級レベルの知識や実務経験がある人は、十分合格の可能性がありますよ。ただ、英語は貿易実務検定B級よりは難しいけど、通関士試験合格を目指して勉強した皆さんはTOEICの点数も高い人が多いようなので、そのような人は是非挑戦してね(但し、TOEICとは少し違う対策は必要かな。私bankooはこの試験を受けた頃のTOEICの点数は600点代程度だったかな)。

AIBAの会員のバックグラウンドは商社やメーカーの海外営業、物流関係、銀行や保険会社などの金融機関など現役で勤務している人やOB・OG、通関士講座の講師をやっている人、又、貿易アドバイザーの資格を活かして独立している人も多く在籍しており、今は正直、おじさんが多いけど、最近は20代の人や女性も増えていますよ。

私bankooは会社員なので、直接、貿易アドバイザーの資格を活かして仕事をしているわけではありませんが、会員になって良かったなと思うことはたくさんあります。その中でも特に個人的に感じているメリット2点だけ紹介させてもらいます。

ひとつは普段、国際輸送や信用状取引、固有の国の規制等仕事の中で同僚や実務本、ネットなどで調べてもどうしてもわからないことに出くわすことが特に国際ビジネスでは多いけど、こう言うことでわからないことがあって困っているのですが、ご存知の方はいますか? どうすれば良いでしょうか? 打開策はありますか?のように機密情報は伏せた上で会員全員に一斉に発信されるメーリングリストで質問すると、その分野に詳しい会員がボランティアで回答してくれます。大抵のことはだれかがアドバイスしてくれます。私bankooも何回も助けてもらいました。

ほぼ毎日、会員間で様々な質問やそれに対する専門家のアドバイス、あるいはこんな情報がありますよ、等々が飛び交っています。もちろん、忙しい時は見なければ良いだけのことですが、通関や物流に関すること、決済に関すること、契約に関すること、トラブル発生時の対応、特定の国の税務上の規制に関すること等々、まさにある会員が目の前で困っていることや知りたいことを発信すると、それに対するアドバイスが満載です。

一例を紹介すると、昨年末ぐらいに、通関士としての経験が豊富な会員から、こんな情報が寄せられました。マスクは従来、通関士試験でもお馴染みの実行関税率表上の分類(HSコード)はその他の繊維製品にひとくくりに分類され、マスクだけの輸入量はわかりませんでしたが、2021年1月から例えば、綿製のマスク 630790-010 → 630790-011、N95マスクについては 630790-022 に別途分類されるようになったとのように。そして、HS番号の5年ごとの見直しは上6桁の部分で、こちらは国際条約に基づき各国の担当者が集まり議論を経て改正されます。今回の実行関税率表のマスクの改正は下3桁の各国の実情に応じて利用できる部分の改正です。新型コロナ禍でマスクや防護服の輸入が増え正確な輸入量を知る必要に迫られたのだろうとのコメントがありました。これを読んで、私bankooも納得。

もう一つだけ、事例をあげると、ある物流会社に勤務する会員から、ちょっと難しいかもしれないけど、最近は船で輸送する場合、輸入地で荷物を受け取る際に原本提示が必要な船荷証券(B/L)ではなく、原本提示が不要なSea Waybill(海上運送状)が普及していますが、信用状取引ではどうですかとの質問。それに対して銀行出身の会員からは信用状取引に限ってみれば、Sea Waybillはほとんど普及していない、それは銀行にとっての担保権の問題からだと思うとの回答。Sea Waybillが普及しているのは実務本やネットでも確認できるけど、信用状取引では普及していない、と言うのは多分、どこにも載ってない情報かも。

ふたつめのメリットはほぼ毎月、会員や外部の方が講師となって行う物流事情、国際金融、海外での実務経験等様々なテーマによる勉強会です。コロナ前は東京、大阪、名古屋の会場に集まって別々に開催されていましたが、コロナ下、現在はオンラインで行っていますので、毎月、100人程度の全国の会員が自宅から気楽に参加しています。テーマによりますが、外部の方も無料で参加可能になっていますので、ご関心がありましたら是非覗いてみて下さいね。この勉強会も講師の裁量で業界の裏話し的なこともたくさん聞けておもしろいですよ。

これも一例をあげると、最近、通関士試験にも合格し、中古車の輸出を主に扱っている会社勤務の会員から中古車の通関業務の流れや注意点(盗難防止の為、新車にはない手続きや現物検査を受けやすい車種等)、更に最近、通関士試験にも合格されたので、その経験談やお勧めのテキスト(通関士試験合格ハンドブックは実務にも役立つそうですよ)等に関してレクチャーがありました。その他、船舶代理店業務に勤務されていた会員の体を張った(沖待ちする本船への荒波の中での通船での訪船等)体験談、海外勤務経験が豊富な会員の海外駐在奮闘記的(途上国では賄賂を要求されて困った等)なテーマ等どれもとても興味深い内容ばかり。

さて、貿易実務検定も有益な資格ですが、合格者によるコミュニティがあるわけではありませんね。一方、貿易アドバイザー試験に合格すれば会員となることができて、貿易に関するあらゆる業界の人達との交流(昨今はコロナ下で開催されていませんが、勉強会やその後の懇親会や年次総会、忘年会に参加することにより直接的な交流やメーリングリストやオンライン勉強会を通じた交流)を深めて知見を高めることが可能です。

少し長くなりましたが、ここ迄読んでくれてありがとうございました。更に詳しく知りたいなと思ったら、Please visit  https://trade-advisers.com(AIBAやこの貿易アドバイザー試験の詳細、無料公開勉強会、有料セミナーなどの情報やAIBAだよりには合格体験記の投稿もあるよ)。又、皆さんの職場などの同僚の方にもご案内してくれたらうれしいです。

今年、通関士試験を受験する人はみこさんを信じて絶対合格してね。その後に少し休んだら、この貿易アドバイザー試験のことも思い出してね。

尚、本件記載は私bankooがみこ会の会員であることから(合格後も情報収集の為、再度、入会。試験と離れてもみこさんの発する情報はとても有益!)、とくに個人的にみこさんに掲載をお願いしたもので、AIBAとしての依頼ではありません。

諦めない気持ちが大切です

マリン さん(2020年度合格 受験回数6回)

2020年度54回の通関士試験を受験し、2科目受験で無事合格することができました。

試験勉強にあたって、10月の試験までにいかに勉強時間を作り、合格にたどり着けるようにするかということをすごく意識しました。

何度も挑戦し、不合格……今年こそは合格したいという気持ちの中、どうしたら自分の過去の勉強を超えられるかということを考えました。

そんな中、1か月、1週間でどれだけ勉強が出来るかという部分を考えました。

過去は何が足りなかったのかを勉強開始にあたって真剣に考えた結果、勉強のスケジュールをしっかり立てることが重要であると思いました。通関士試験の出題範囲は広範囲なので集中力や根気がないと勉強自体が続きません。

独学に限界を感じた私は通信講座をやることを決め、2020年1月から勉強を開始しました。勉強方法や勉強時間は人それぞれだと思いますが私は普段、仕事をしているのでスケジュールを立てることから始めました。私の場合、1年分のスケジュール表を作成し、予定に目標や取り組む教材や締め切りなどを記載しました。このスケジュールを基に「この日からこの日まではこれをやる」という風にノルマを自分に課しました。

まずはテキストを活用し、一通り内容を確認するところから始めました。

関税法は1月~2月中、定率法・通関業法は3月~5月中、6月~7月中に一通り理解を終え、8月は総仕上げ期間というスケジュールで取り組みました。9月は毎日過去問によるアウトプットを行いました。

勉強時間は通勤往復、会社の休み時間、帰宅後2時間、土日中心でした。今年はコロナウイルスの影響もあり、外出自粛傾向でしたのでその分、勉強に充てられたと実感しています。通勤往復は通信講座の映像講義、E-ラーニング、テキストや税関のホームページで参考になる項目をコピーし、熟読、会社の休み時間は問題集をひたすら解くことを繰り返しました。帰宅後や土日もテキスト学習や問題集を解くことに時間を充てました。

ちなみに9月の過去問によるアウトプットは問題集や模試や試験問題の約10年分をコピーしたプリントを用いて1日30問くらいは解く…ということを目標に続けていました。

通勤往復2時間と帰宅後の2時間の勉強は疲れ果て眠気が来ることも多かったですが音楽を聴いたり、コーヒーを飲んだりして、気分転換もしつつ集中できるように心がけました。

試験が近づくにつれ落ち込んだり不安になることも多かったですが「合格するんだ」という気持ちを常に胸に抱き、自分を信じて本試験当日まで勉強を続け、本番でも諦めない気持ちで臨みました。

今後は通関士の資格を取って経験を積み重ね、信頼される通関士になりたいと思います。どうか皆様も無事合格をつかみ取ることを心から願っております。

使用教材

通信講座のテキスト、添削問題、映像講義

通関士試験合格ハンドブック

通関士試験問題・解説集

通関士試験テーマ別問題集

通関士試験 まるわかりノート

関税評価ドリル

通関手続ドリル

関税評価303

どこでも出来る通関士

通関士教科書 通関士 過去問題集

税関ホームページの通関手続きのページ、法改正情報等

「通関士」合格の基礎知識

異業種未経験からの通関士を目指して

第77類 さん(2020年度合格 受験回数2回)

私は令和2年度、前年度(不合格)と合わせて2度目の受験で合格致しました。合格、不合格の自分なりの要因をお伝え出来たらと思い、拙い文章ではありますが書かせていただきます。

1度目の受験について

最初に1つお伝えしておきますと私はみこ会に入会はしておりませんでした。又、通信講座なども受けておらず独学で挑戦しました。しかし結果として最短ルートでは無かったと思います。 初学者の場合は似通った専門用語のそれぞれの違いや、細かい部分まで完全に理解するまでは何度もテキストを読み返し、試験問題にも何度も触れる必要があるかと思います。みこ会に入会されている方はそれがみこさんに聞くことで最短時間で解決することが出来、又、年一の試験で勉強期間が長ければ長いほどモチベーションの維持が難しいと思いますが、みこ会の会員様を見ているとやる気がある方ばかりなので互いに励まし合いながら勉強出来るというのも大きなメリットだと思います。

さて、私が通関士の勉強を始めたのは5月中旬頃でした。 初めはヒューマンアカデミーの赤と青を並行で使用し、平日は1日1時間、休日は5時間ほど、9月の関税協会の模試までは、そのテキスト2冊を使い、青の問題で分からなければ赤の参考書で探し、要点をノートにまとめるという勉強法で挑みましたが、模試の結果は通関業法と関税法はギリギリ合格点で実務は11点での最低評価でした。 そこから少しギアを上げ、過去問5年分をコンビニでコピーし、週末は本番形式で過去問、平日は間違えた所の見直しをし、本番に向かいました。

53回通関士試験では 通関業法 35/45 関税法 35/60 通関実務 24/45 でした

実務のみ内訳ですが 申告書19/20 選択2/10 計算0/10 択一3/5 でした。

正直、関税率表の分類についてはほとんど勉強しておりませんでした。というのも、あくまで私の考えですが、分類はパズルのようにひとつづつ判断してゆけば時間はかかりますが初心者でも十分に正解ができると考えたためです。 又、分類はやり出すとキリがないため実際通関士として直ぐにでも働く、若しくは働いているのであれば覚えて損はないと思いますが、そうでないのであれば関税法や、計算問題に注力した方が点数は稼ぐには良いかもしれません。

今年度は昨年度で手応えを感じていたのでテキストも増やさず、模試も受けず、勉強時間は平日休日共に1時間程で、分類問題も昨年同様捨てておりましたが、昨年度点数を落とした計算問題だけは確実に正解できるよう基礎を固めました。

結果は 40/45 40/60 30/45 でした。

通関実務の内訳は 申告書17/20 選択2/10 計算8/10 択一3/5 でした。

私なりの勉強する上での優先順位は

関税法>計算問題>関税定率法等>申告書>通関業法>分類

でした。

人により重要視するコンテンツは変わってくるので模試の利用や、過去問、みこ会などを利用し、限られた勉強時間をどの部分に使うのか自分自身と相談しながらどこの科目に注力して行くか決めることをおすすめします。

改めて私は独学、異業種という視点から今回この文書をかいております。最初にも書きましたが私はみこ会に入会しておりませんでした。しかしみこさんは厚意で私にアドバイス等をしてくれるなど大変お世話になりました。みこ会に入ったから、通信講座を受けているからといって必ず合格する、という事はもちろんございませんが、合格への道筋や、近道などを示してしてくれると思います。年に一度の機会しかない通関士試験なので、是非初学者の方はみこ会への入会をおすすめ致します。

長くなりましたが、通関士を受験される皆様の心の支えに少しでもなれればとおもいます。

自分のペースでコツコツと


tm さん (大学3年生(商学系)2020年度合格 受験回数2回)

私は2度目で通関士試験に合格することができました。通関士の取得を考えている方や、合格に向けてモチベーションを上げたい方、特に学生の方の参考になれば幸いです。

*プロフィール
・現在大学3年生(商学系)
・大学を一般で受験していないので勉強する習慣がない
・要領が悪く、集中力もないがコツコツ続けるのは得意な性格

勉強を始めたきっかけは、物流会社に勤める父が通関士資格を持っていたことです。就活に向けて資格に挑戦したいと思っていた私は、持っている人が少なくて取れたら周りと差がつきそうな通関士の資格を目指すことに決めました。

*勉強時間
1年目:約100時間
2年目(2020.3〜):約400時間
計500時間

*使用した教材
・Forsight(2018.11〜):フルカラーが◎だが理解しにくい
・みこ会(2020.3〜)
・TAC(2020.4〜):貨物分類暗記ノートのお陰でだいぶ覚えられた
・ゼロからの申告書(2020.7〜)

《1年目》
1年生の秋頃、受けられそうな試験かどうか試すためにフリマサイトでForsightの教材を購入し、勉強を始めました。しかし、1年目はあまり真剣に勉強しておらず、53回の試験は次回来るときのための練習の気持ちで受けました。

《2年目》

*3月後半〜4月
去年の受験以降通関士に全く触れていなかったのですが、世の中は自粛モードになり外に出かけられなくなったので、通関士の勉強を再開することにしました。久しぶりにやってみると解き方を忘れていて解説を見ても難しく、これから就活と両立できるのか等不安要素がたくさんありました。しかし、去年中途半端に勉強した分が結果として何にも残らなかったのが悔しかったので、リベンジを決意しました。

1年目まではほとんど独学で、専門用語もよくわからないので、理解できずに文字をそのまま覚えている状況でした。しかし、1人での勉強は限界があるため3月にみこ会、4月にTACに入会しました。(ちなみに父には時々教えてもらいましたが、合格したのが20年程前なので…)みこ会とTACのおかげでテキストの内容がだいぶ理解でき、記憶が定着しやすくなったように感じます。
TACは教室講座を選択したのですが、緊急事態宣言で最初からWeb講座に切り替わりました。Web上で質問できるのですが、返答までに時間がかかりそうなので基本的にはみこさんにラインで教えていただきました。

この時期は忘れかけていた実務や関税法を中心にテキスト→演習の繰り返しをしてひたすら知識を入れました。

*5月〜6月
5月で範囲を一通り終えて、6月からはTACの教室講座が再開すると同時に家での勉強は過去問に入りました。過去問は最終的には10年分を2〜3周しました。必ずタイマーをセットしていたので、解くたびに早く解き終わるのを実感できました。そして何より私は解説に時間をかけていました。間違えた問題は印をつけておき、何回も間違えた所は後からそこだけ復習できるようにします。さらに、間違えた問題で不安なものはルーズリーフに書き出し、自分で一問一答形式にしてまとめました。赤シートで解答が隠れるようにして、電車の移動中などにやっていました。

これをずっと続けていたため通関業法3枚分、関税法9枚分にもなりました。通関士試験の日本語は言い回しが難しいので、何度も問題に慣れることが大切だと思います。

*7〜8月
6月に発売されたゼロからの申告書2020年度版は、Amazonで発売日前に予約しても人気なのですぐ入荷未定となり、7月になっても来ませんでした…結局キャンセルして大きめの本屋で買いました。関税協会の公式サイトから予約するのが1番いいそうです。
ゼロ申は難易度が高いので苦労しましたが、これが理解できれば本番の申告書が簡単に思えるので頑張って良かったです。

模試は、関税協会とTACの二つを受けました。

関税協会:業42/45,関42/60,実29/45

TAC:業33/45,関39/60,実29/45

ちなみに去年の関税協会の模試は実務2点という酷さだったので、今年の努力が結果となって表れて嬉しかったです。

*9月〜
苦手分野や重要度の高い単元を重点的にやりました。私の場合はこんな感じでした(↓)
[苦手]
・課税価格の決定
・外為法
[重要]
・課税物件確定の時期、法令、納税義務者
・事前照会

課税価格の決定はとにかく細かい内容で実務に直結するのでこまめにテキストだけでも読んでいました。
また、事前照会は実務で割と毎年出題されている印象だったので、完璧に覚えました。意外と範囲は狭く問題パターンも少ないので、ここで覚えておくと当日の心の余裕が違いました。

*試験結果
業34/45,関40/60,実34/45

今年の問題は消費税など見慣れないものもあって少し焦りましたが、6割とれれば大丈夫と言い聞かせてできる問題を確実にしていきました。手応えとしては、凡ミスがなければなんとか合格ラインにのるかなという感じでした。自己採点で6割を超えたときはホッとしました。

*全体を通して
私は2年目からアプリで勉強の記録をつけていたのですが、勉強時間や内容の偏りがわかるだけではなく、同じく通関士を目指す方と記録を共有できたのがモチベーションに大きく影響しました。勉強する習慣が本当になかったのですが、忙しくても毎日必ずやると決めていたので3月から勉強しなかった日は5日間だけでした。毎日続けることが合格に繋がったのだと思います。
3科目の勉強の比率は通関実務5:関税法4:通関業法、その他1でした。2年目だけの記録なので、初めて受ける方はとにかく通関実務の割合を増やすことをお勧めします。
また、勉強量が多いので月ごとのざっくりとした計画とその日やるべきことをチェックリストに書くと、進めやすかったです。

今年は大学の授業も就活もずっとオンラインで、さらに友達と遊ぶ機会もなく勉強時間を確保できたことがこのご時世の不幸中の幸いでした。
就活については、貿易に興味があるので海外と関われる物流、メーカー、商社を中心にみています。大学在学中に部活などに打ち込んでいた経験もなく、かといって話術に自信もないので今年通関士に合格して一つの目標を成し遂げられたことは本当に嬉しく、達成感でいっぱいです。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
長期戦で先が全く見えず苦しいこともありましたが、1年目で諦めなくて良かったと思っています。皆様も適度に息抜きをして(私は休憩ばかりでしたが)頑張ってください。

最後まで諦めないで

アオミ さん(女性 2020年度合格 受験回数1回)

【はじめに】
 私が、今回通関士試験を受けようと思った1番の理由は「自分の可能性を広げたい」からでした。
学生時代から取得したいとは思っていましたが、一筋縄ではいかない試験のため、自分の中で覚悟が足りず、ずっと挑戦することが出来ませんでした。
しかし、諦めたくない!自分に自信をつけたい!と思い、2月から勉強を開始しました。
「初学、独学、実務経験無し」で合格出来た私の経験が、これから受験をされる方の少しでも参考になれば嬉しいです。

【勉強時間】
約8か月で450時間。

【使用教材】
・ヒューマンアカデミー「通関士完全攻略ガイド2020」  
 最初、このテキストを見たときは分厚さに怯みましたが、その分沢山の情報が詰まっており、初見の人でも大変分かりやすいと思います。不明点があっても注釈があったりワンポイントで分かりやすく書いてあり、勉強の流れも殆ど止まることがなくスムーズに進みました。
私はよく出る箇所やメモをテキストに書き込んで、この一冊で事足りるようにして、いつも持ち運んでいました。

・ヒューマンアカデミー「通関士過去問題集2020」
 テキストと並行して使用しておりました。こちらも分厚いですが、テーマごとに分けられており、過去の問題からよく出る問題を抜粋している為、取り組みやすくこの一冊を網羅すれば試験対策(特に通関業法と関税法)は十分だと思います。
問題を解いて、該当する箇所をすぐ参考書で復習し、アウトプットとインプットを交互に繰り返して勉強しました。

・ヒューマンアカデミー「通関実務集中対策問題集第3版」
 上記二冊と同じシリーズで、難関の実務問題に特化した問題集です。本試験問題よりも難しく作られている気がします。
ただ、初学で実務経験もなく、数学や英語が苦手なわたしは最初からこれを解くと理解が出来ず一時期離れてしまいました。その為、別の問題集で申告書をある程度理解して慣れてから取り組むようにしました。
試験前は実力も付いてきていたので、この問題集ばかり何度も解き、色々なパターンの問題に対応出来るよう勉強しました。

・日本関税協会「ゼロからの申告書2020」
 こちらも実務問題の申告書に特化した問題集です。解き方も丁寧に説明されており、初学で実務経験もなく何も知らない私でもこちらは本当に分かりやすく取り掛かり易かったです。
輸出入合わせて30問あるので、色々なパターンの問題を解く事が出来ます。基礎編から応用編まで掲載されており、特に10問目以降は難しい問題が多いので、やりがいがあります。
試験前はこの問題集の10問目以降と、ヒューマンアカデミーの実務問題集を繰り返し解くようにしていました。

・日本関税協会「計算問題ドリル」
 こちらは通関実務で出題される計算問題に特化した問題集です。計算問題は5問10点ですが、満点を目指して取り組む必要があります。計算問題はしっかりと対策すれば満点は狙えると思います。
そのため、私はこの問題集を6月頃から開始し、苦手な箇所を中心に4周はしました。税額の計算と課税価格の決定の2つに分かれており、簡単な問題から難しい問題まで150問近くあるので、この1冊だけで実務の計算問題の対策は十分だと思います。

・過去問
 過去問は10年分を解いている方が多い印象です。そして余裕があれば解いた方がいいと思います。法改正があるため、サイトで法改正の部分を調べてから解く、という方法がベストかと思います。
私の場合、時間と頭の容量がギリギリでしたので、過去問は5年分に絞り、何度も繰り返し解きました。通関業法は2017年に大きく法改正があったので、過去3年分のみ解きました。
試験前は過去問に取り組んだ回数が少ないことが、自分の中で不安要素の1つとなったので、出来るだけ早くそして多く過去問を解く事をお勧めします。

・みこ会
 独学初学で2月から勉強をしていましたが、6月頃から通関実務、特に選択問題に不安を感じました。
参考書に掲載されているだけでは不十分で、理解も出来ず悩んでいたところ、以前から存じ上げていた「みこ会」に入会してみました。会費も安く、管理人のみこ様が多くの解説や参考になる記事を掲載されておられて、本当に助かりました。過去問や市販の問題集の解説も本当に丁寧に解説されていて、不明点は必ずと言っていいほどみこ会の記事には掲載されていました。何度読んでも覚えられなかった実務問題の事前教示は、みこ会記事のおかげで覚えることが出来ました。
また、受験生を何人も見てこられているからこそ、受験生への応援メッセージは本当に想いが込められており、いつも読んで励まされておりました。
独学なのでネットで調べるにも限界があり、でもお金もそんなにかけられないから通学や通信教育は出来ない…という私には本当に有難い存在でした。

【勉強場所】
 2~7月はカフェや公立図書館などで、土日は朝から夜まで勉強していました。しかしコロナで緊急事態宣言となり、閉鎖するところが増えてしまった為、早めに会社に出勤し勉強するなどして、勉強場所は必ず確保出来るようにしました。
 8〜9月はラストスパートということで有料自習室に登録して、平日仕事終わりや土日も朝から晩までこもって勉強しました。

【勉強内容】
・2~5月(平日1~2時間/休日2~4時間)
 まずは覚えるというより、知ることから始めました。本当に無知の状態でのスタートですので、1ページめくるたびに知らない用語が出てきて、その都度ネットで調べ、また読んでは調べる、の繰り返しでした。本当にスローペースでしたが、知らないことを知れる喜びもあり、毎日読書感覚で楽しく読み進めていました。
2月下旬から、分からないなりに問題集に取り組み、そのたびに参考書で確認する作業を繰り返しました。
途中何度も嫌になるぐらい時間もかかりましたが、読む→解く→読むの繰り返しで頭に叩き込んでいきました。問題を解いた箇所は参考書で調べてメモを残し、後から見てもどこが出やすい箇所か参考書に書き込んで分かるようにしてました。
振り返ってみると、この時期に丁寧に覚えたおかげで、後々の振り返りが楽だったような気がします。よく出る箇所も参考書を見れば一目瞭然でしたので、そこを重点的に覚えていくことができました。

・6~7月(平日2~3時間/休日3~5時間)
 この2ヶ月は仕事の異動も重なり忙しく、勉強への意欲が削がれスランプに陥りました。
難関と言われる通関実務の申告書に取り掛かり始めましたが、全く分からず1つも解けませんでした。そして解けないことがストレスとなり、体調も崩し、次第に実務問題から離れてしまいました。
しかし1歩でも前に進まないと合格に絶対近づかない!ということで、自分を奮い立たせて、暗記だけでも!と関税法ばかりに力を注いでいました。結果、実務の勉強時間は当初の計画よりもだいぶ少なかったですが、関税法の強化は出来ました。
この2ヶ月の影響で、後々自分の首を絞める事になったので、通関実務は早めに取り組み、分からなくても諦めず戦うことが大切だと思います。

・8月(平日3時間/休日4~6時間)
 やっとスランプから抜け出し、毎日関税法と実務を交互に取り組んでいました。しかし実力がついておらず、日本関税協会の模試ではE判定(通関業法7割、関税法5割、実務4割)でした。
悲惨な結果でしたが、自分の中で苦手意識が薄くなり解き方のコツも掴み始めていたので、逆にやる気に変わりました。模試を受けていないとラストスパートも走り出せなかったと思います。模試で間違えたところを中心に、ひたすら復習と申告書を解く毎日でした。
 平日も仕事終わりに有料自習室に通うようになり、勉強時間もだいぶ確保出来ました。

・9月(平日4時間/休日7〜8時間)
 8月末の日本関税協会の模試を復習し、申告書問題も解くのが楽しくなっていたので、9月のLEC模試は、少しの自信と期待を抱きながら受けました。結果、予想以上に解けず最低点を叩き出しました。(通関業法5割、関税法5割、通関実務3割)
特に実務の結果は絶望しました。またコマが振り出しに戻り、むしろ何も進んでいなかったのではないか、と嘆きました。本試験まで残り1ヶ月を切っていたので、ここで初めて今年は受験を見送ろうかとさえ考えました。
しかし、2月からここまで必死にしがみついてきた自分自身に、そんな愚行は今更出来ず気持ちを必死に切り替えました。そして「模試は模試。むしろ本番までにできれば大丈夫」と思い、再度自分を奮い立たせました。
 そこから残り3週間は、ひたすら模試の復習と何度も間違えるところを覚え、申告書問題もページがボロボロになるほど取り組みました。平日仕事終わりに自習室に行き、土日もずっと朝から晩まで自習室で勉強していました。
過去問は5年分解いたのですが、試験1週間前にやっと3科目全て7割超えてきた、というギリギリの状態でした。
 結局、本試験まで1度も「この実力なら安心できる」と自分に自信はもてませんでしたが、心の底から充実して楽しかった8か月なので、全部出し切るぞ!という前向きな気持ちで当日挑むことが出来ました。

【試験当日のこと〜執念のラスト5分間〜】
 試験時間の1時間前には受験会場に到着して、心を落ち着かせていました。試験が開始し1科目目は順調でしたが、問題は2科目、3科目目でした。
私自身のコンディションが悪く普段ならすぐ解ける問題も全く頭に入ってこず、関税法はいつもよりも倍以上時間がかかってしまいました。
結局全部解き終えたのが、試験終了10分前。
時間も残されていないので、不安問題だけ抜粋して見直そうと思いました。しかし、「最後まで諦めないと自分に誓ったのに、ここで妥協していいの…?」ともう一度自分を励まし、時間もない中急いで見直しをしたところ、とある問題で解答の間違いに気付きました。
しかし、その時点で終了5分前のアナウンスがあったのでパニックになっていました。もし書き直した方が不正解だったらどうしよう…と不安がよぎりましたが、どう考えても最初の解答は違うと思ったので急いでマークシートを書き直しました。試験終了2分前の出来事でした。

 そして3科目目の通関実務。今まで通り3問目の選択問題から解きました。途中見たことない問題もありましたが慌てず、選択問題を解き終え、最後に最難関である申告書問題に取り掛かりました。
全部を解き終え、自信のない問題を重点的に見直し、全体の見直しも終えました。
しかし終了5分前。見直しも終えて安堵した気持ちの時に、ふと再度申告書問題を見たら、解答が違うことに気付きました。この時終了5分前でした。関税法同様パニックになり、該当する箇所の問題を読んで、そこから急いでマークシートを書き直したところで試験終了のアナウンスが流れました。
まさか2科目とも、終了間際まで焦る事になるとは予想もしておらず試験が終わっても席で茫然としていました。関税法と実務は全く自信がなく、涙を堪え悲しみに明け暮れながら帰路につきました。

 数日後自己採点をしたところ、通関業法は8割で関税法と通関実務はジャスト6割でした。
そして関税法と実務は、試験終了5分前にそれぞれ書き直したところが○でした。
もし見直しをせずに終了していたら…間違いに気付かなかったら…わたしはそれぞれ「1点」足りず不合格となっていました。
これは本当に執念で勝ち取った1点でした。試験が終わる最後の1秒まで、絶対に諦めない気持ちが合格に繋がったのだと思います。

【良かった点】
 ①参考書1周目で、時間はかかりましたがその分じっくりと読んだので、2周目以降はよく出る箇所を中心にサクサクと読み進められた気がします。
また、最初から1テーマごとにインプット⇨アウトプットを繰り返し、参考書には問題集のページを書いたので、一目でどこの箇所が良く問題に出るかなど分かり、2周目以降時間の削減にもなりました。
 ②暗記科目(関税法、通関業法)は通勤や会社の昼休みなど、隙間時間を有効活用し勉強しました。
よく間違える点は、カメラでページを撮影していつでも見られるようにしていたので、お風呂やトイレなど携帯を見る時間があれば勉強するようにしました。
 ③SNSをフル活用して、色々な方の勉強方法を真似て、自分に合った勉強法を見つけました。特に申告書問題は色々な解き方がありますし、自分が一番解きやすいやり方を早めに見つけることが大事だと思います。
 ④公共の図書館・自習室が通える範囲にあったため、家以外での勉強場所も確保出来ました。
 ⑤気持ちの面で、どんな時でも前向きに諦めない思考で自分自身を鼓舞していました。

【反省点】
 ①過去問を10年分は解いた方が良かったと思っています。私自身余裕が無くて解けませんでしたが、それが不安要素の1つになってしまいました。
 ②多くの方が口をそろえて仰っていますが、出来るだけ早めに通関実務問題に取り組むべきです。
私は6月からでしたが、もうあと1ヶ月は早かったほうが後々楽だなと思いましたし、暗記科目と並行して実務には取り組むべきです。個人的に申告書だけでなく、実務の選択問題も全然解けず時間がかかったので、その点も含めて早めに取り掛かることをお勧めします。
私の様に初学独学で勉強される予定の方は特に時間がかかってしまうと思いますので、本当に早く実務問題に取り掛かって、まずは慣れるところから始めてみてください。

【さいごに】
 受験する覚悟を決めてからは、絶対に受かってやる!とずっと思っていました。そしてポジティブなことを口に出したりSNSに書くように意識しました。
コロナ禍で仕事もプライベートもバタバタでしたが、自粛ムードが逆に勉強しやすい環境を作り出せたかな、とも思います。勉強を始めた当初は、周りから「どうせ長くは続かないだろう」「難しいから無理だろう」「10月まで長いよ」とネガティブな意見が多く、孤独を感じていました。
そこでSNSを活用し、同じ目標に向かっている方々と意見交換をしながら切磋琢磨するようにしました。本当に毎日、たくさんのパワーを皆様から頂くことが出来ました。
 通関士は一筋縄ではいかない試験です。しかしコツを掴み効率的に勉強することで、誰でも受かることが出来る試験だと思います。そして「なぜ通関士資格を取得したいのか、どのように勉強を進めるか」など常に自分と向き合っていくことも大切だと思います。
 私はこの勉強を通して自分に自信がつき、やりたいことが増えました。勉強して何かを学ぶことが大好きになりました。ずっと自信がなく自ら閉ざしていた道が、今回通関士を取得できた事で開けたように感じています。

 通関士試験を通して、皆様の人生がもっと輝けますように。そして自信を持って受験し、合格しますように。
心から応援しております!!
お互い目標に向かって頑張っていきましょう!!

事故からの復活、、なんとかなる!

kii さん(20代女性 物流会社通関部門所属 2020年度合格 受験回数1回)

通関士試験受験生のみなさま、初めまして。

昨年みこ会に入会し、第54回通関士試験に合格することができたkiiと申します。

拙い文章ですが私の合格体験記がみなさまのお役に立てればと思います。

まず簡単に私のプロフィールから、、

・20代前半の社会人2年目(♀)

・物流会社の通関部門に所属、日々輸出入問わず、貨物問わず通関業務を担当

・一人暮らし

・もともと英語は好き

上記の境遇のもと、受検勉強を始めました。

次に使用していた教材です。

テキスト・・翔泳社 通関士完全攻略ガイド(赤い本)

過去問集・・翔泳社 通関士過去問題集

問題集・・①翔泳社 通関士試験通関実務 集中対策問題集

     ②ゼロからの申告書2020

主に以上4冊を使用しました。

簡単に私の受験勉強生活をまとめます。

1月半ば~ みこ会に入会し一通り記事を読む。

      テキストも入手し、通関実務から手をつける。

      主に関税額等と課税価格の計算方法から勉強。

2月上旬~ 変わらず計算問題を進め、かつ関税法にも手を付け始める。

      まだ試験に対する危機感も大きくなく、ゆるゆると空き時間に勉強を進める。

(周囲から刺激をもらうべく、インスタグラムで勉強用のアカウントを開設。)

4月上旬~ 社内での通関士養成講座が始まる。→負けず嫌いの私が勉強に熱が入る。

      (週1で過去問を解き、講師に提出し添削をもらうスタイル)

      テキスト→講座での過去問の流れで知識の定着を感じる。

      勉強の習慣も身に付いてきた。

5月中旬~ 関税法一通り終了。

とある出来事をきっかけに勉強中止(※後述します)

7月上旬~ 勉強再開!

      関税法を過去問で固めながら、定率法等にとりかかる。

      今まで逃げきた申告書と向き合い始める。

8月上旬~ 関税法等を一通り終え、通関業法スタート。

8月下旬~ 関税協会の模試を受験。この時点で

      通関業法 38/45 関税法等 45/60 通関実務 24/45

      この結果が自分の中でのターニングポイントになり、

9月上旬~ 模試の結果を受け、1日に申告書2問(輸出輸入1問ずつ)解く事を決意。

9月下旬~ 苦手分野も多少残しながらもゼロ申を一通り解き、理解する。

以上の流れで私は試験勉強を進めました。

基本的にどのテキストや解説を読んでも納得できない場合、みこさんへ助けを求め解決していました。

後悔を挙げるならば、申告書にもっと早く立ち向かえば良かったと思います。まだ勉強に身が入っていない3月ごろに一度申告書に打ちのめされた時から、「まだ勉強進めてからでいいや~」という思いから、しばらくの間手を付けずにいました。個人的にですが、申告書ないし通関実務の対策を始めるのに早すぎることはないと実感しました。。後回しにすればするほどハードルも上がってしまうような気もします。逆に、早い段階で通関実務にある程度の自信が持てると、とても強いと思います。

また、この試験勉強期間に私が救われた言葉が「6割でいい」というものでした。昔から割と完璧を求めてしまう性格でしたので、出来が悪く落ち込んでしまいそうな時は「6割は超えてるから大丈夫」「あとちょっとで合格点」という風に6割を意識していました。必要以上に落ち込むこともなくなり、肩の力を抜いて勉強に取り組むことができたと思います。

今回の試験勉強においての私のターニングポイントは間違いなく、関税協会の模試でした。それまで自分の実力が身に付いているのか全く分からないままひたすらに勉強するのみ、という生活でしたし、もしかしたら今年受からないかもしれないな、と考え出していた時期でした。その時期に関税法等と通関業法は合点、通関実務はあと3点で合格という結果を受け、「あと1カ月本気でやれば、今年合格することも可能だ!」と実感することができました。私は関税協会の模試しか受けていませんし、たった1回の模試で一喜一憂するのも良くないかもしれません。しかし、私はこの模試の結果を受けて苦手分野が明確になり、かつ今後のモチベーションアップにつなげることができました。

私がこの合格体験記で一番伝えたいことは、諦めなければなんとかなるということかもしれません。

実は私はこの試験勉強期間の5月半ば、交通事故に遭い大けがを負いました。事故直後はICUに入り手術、リハビリを終えて、最終的に退院したのは6月終わり。それまで1カ月半ほど全くと言っていいほど勉強をしませんでした。退院から仕事復帰まで、1カ月ほど休みを頂きましたので、その間に徐々に元のペースに戻していきましたが、遅れをとっているのは明らかで、10月頭の試験に間に合うのかと常に不安でした。しかし、できる時にコツコツと地道に勉強を続け、先述した模試での結果からラストスパートをかけ、合格を勝ち取ることができました。思いがけない事態に陥っても、諦めずになんとかなるかもしれない精神で継続していれば結果としてなんとかなりました。これに関しては、私が順調に回復したことや、本番のテストで私の苦手分野が少なかったこと等の運要素や、みこさんをはじめ、両親や会社からのサポートが大きく、一概に言えないかもしれませんが私は絶望するような事態でも、自分のペースではありますが、諦めずに勉強に取り組み合格を手にすることができて、本当によかったと思います。これを読んでくださっている受験生のみなさまにも、もし何等かの事態が生じて諦めそうになった時、「事故に遭っても合格してた人おったな」くらいに思い出していただき、モチベーションにしていただければ何よりです、、(笑)

以上が私の合格体験記です。

決して簡単な試験ではなく、一筋縄ではいかないこともたくさんだと思いますが、私に言わせれば諦めなければなんとかなります!

みなさまの合格を心より応援しています。

試験は楽しんで受けましょう!

あやや さん(女性 物流会社CS部 2020年度合格 受験回数1回)

★主な使用教材:どこでもできる通関士、ユーキャンのテキスト、ヒューアカの過去問題集、計算ドリル、関税評価ドリル、ゼロからの申告書、ヒューアカ実務

(全て中古で安く揃えました)

★本格的な開始時期:5月18日

★性格:意思が弱く飽きっぽい短期集中型

5月18日にこのままではやばい!と一念発起し勉強を始め壮絶すぎる4か月半でした。

正直私の体験は参考にならないと思いますが、試験当日の気のもちようが試験結果に大きく影響したと思うので執筆させて頂きます。

まず、私は少しでも給料を増やしたいという理由で資格の勉強をはじめました。

貿易実務検定C級、B級と楽勝で合格したため(丸暗記)、気軽な気持ちで通関士受験を決めてしまいましたが本当に痛い目をみました。

短期集中が得意な人でも通関士試験は舐めないほうがいいです。貿易実務検定と違い丸暗記が通用せず、本質的な理解が必要になるからです。

2020年ざっくりといつ何をしたのか書きます。

1月~2月:関税法の勉強開始を決めるも挫折。問題文が長すぎるし聞きなれない単語が多いし即飽きました。私は短期集中型だし…と言い訳して未来の自分に託しました。

5月中旬:通関士の勉強再開を決意!今度は通関実務から着手(ヒューアカ実務)

6月:ヒューアカ実務三周終え、ゼロ申に入る。無理やり1周終えたもののゼロ申がトラウマになる。計算ドリル着手開始、どこでもできる通関士着手

7月:どこでもできる通関士、計算ドリルを引き続き。

関税評価ドリル着手。ついにユーキャンの関税法のテキストに着手。

8月:ユーキャンの関税法、計算ドリル引き続き、土日だけ通関業法に着手する。また申告書の独学に限界を感じ8月10日にみこ会に入会する。みこ会に入会し申告書の分類と計算の疑問点を解決していく。またヒューアカの過去問集に入る。

しかし24日の関税協会の模試で通関実務が大撃沈し、ショックで8月いっぱい何も手つかずになる。

9月:何とか勉強の意欲を取り戻し9月6日のTAC模試で通関実務のリベンジを果たす。

しかし関税法と実務が同時に得点できるようにならずとても焦る。

この日からヒューアカ過去問集をひたすら演習する。

23日にとっておいた53回の模試を解いたころ全部7割を超えていたためいけると確信する。また1週間ほど勉強のやる気がなくなりだらけてしまうも、試験数日前で再びやる気を出す。私は絶対にいける!と確信したまま突き進む

10月3日(試験前日):ここ数日みなぎっていたやる気が急になくなり恐怖に陥る。

問題文が文字通りに読めなくなり、計算機も手が震えてたたけなくなり大パニックに陥る。

やる気があるのに体が気持ちについていかない?体が元気なのに気持ちがついていかない?そんな感じでとても恐怖を感じたのを覚えています。

夜になり何とか気持ちを切り替え後悔しないようにと、みこさんに質問ラインをしたときに、「それだけ緊張できるのは今まで頑張ってきた人の特権、ドキドキできるようなスリリングなゲームに参加できるということでも人生経験になる、結果がついてくればラッキー、試験を楽しむくらいの気持ちでリラックス」と少し省略しておりますが長文のラインをいただきました。楽しもうという気持ちで試験を受けたことがなかったため、自分の中で試験に対する認識が変わる。

ラインを頂いてから楽しむことを第一に考えました。試験当日は約4か月勉強した成果をどのように生かせるのか楽しみ!そういう気持ちで試験を受けることにしました。

10月4日(試験当日)

会場の雰囲気に慣れるため、試験会場に早めにつきました。

今日はこの中で一番試験を楽しんで受ける!!!そういう気持ちで受けました。

・通関業法…余裕でした。

・関税法…一瞬終わった…と思い弱気になりましたが、楽しむことを思い出し楽しみました!

・通関実務…何があっても心の底から楽しもうと思いました!最初に申告書のページを見て品名が簡単で注が少なく楽勝!!!加算も昨年と同じ!一つミスったら全部ミスるわけじゃない楽勝!!!よって計算と複数選択、択一は難しいと判断し、申告書を飛ばしました。

計算問題は2つわけわからないのがありましたが、申告書はおそらく簡単だからまぁこんなこともあるよね!と気持ちを切り替えました。

複数選択・択一の難易度はよくわからなかったですが、明らかに得点できるであろうものには時間をかけました。

そして申告書と計算問題に時間をかけることにしました。

今年の申告書は根拠がわかりやすく自信をもって品目分類できました。

途中で盛大なマークミスをし、(0の位置が1番下→1番上になっていた、計算問題の答えを別の欄に書いていた)全消しが2回ほどありましたがそんな自分を受け入れつつ楽しみました!

時間も30分ほどあまり5回以上見直しをしました。

試験後も楽しかった!!!…とすがすがしい気持ちになりました。

今までの人生で試験を楽しんで受けるという概念がなかったので本当にみこさんに感謝しました。今後も試験を受ける際は楽しむことにします。

最終結果(関税協会)

業法:40

関税法:37

実務:30

でした。もうとにかく関税法が怖く合格発表までドキドキしていましたが受かってました。

そして正直実務はもっと点数がとれていたと思っていましたが凡ミスをしていました。

以下、初受験者の私が感じたアドバイスです。

◎自信がなくぎりぎりな人はあまりツイッターを見ない方がいい(特に直前期)

→自分よりできる人が多すぎます。周りの人は自分より勉強の進度が速いし模試や過去問の得点点数も高いため落ち込みます。話している内容も高度です。また、勉強しようと思っているのに眠ってしまったり友達と遊びに行ってしまったりすることもあり自分の意思の弱さに何回も落ち込みました。ツイッターの使用目的や情報の取捨選択をよく考えメンタルやられないようにしましょう!

私は自分の勉強の記録、勉強進度の周囲との比較と、有益な情報収集(模試やテキスト等、申し込み締め切り等の確認)と使用目的を決めていました。イラつくアドバイスをしてくる人やちょっとでも不穏を感じさせる人のツイートはブロック&ミュートしました。

そして、勉強中は落ち込むこともあるとは思いますが、勉強しているだけでも相当偉く褒められるべきことなので自分をほめてあげてください。

◎初受験者は最低6か月前には手を付けたほうがいい。

私は物流会社にいますが、聞きなじみのない単語が多く苦労しました。社会人で余裕をもって試験を受けようと思うなら6か月ぐらい前の4月から手をつけたほうがいいと思います。

通関実務は4か月、関税法は3か月、通関業法は1か月あったら十分対策が可能だと思いますが、並行するのは大変です…

◎通関実務→関税法→通関業法の順に着手したほうがいい。

最初に関税法は飽きるしきついです。

通関実務を勉強すると加算・非加算、納期限系がいかに大切かわかり、関税法に自然と興味が出てくると思います。

◎独学で申告書につまずいた人はみこ会に入ったほうがいい

私はゼロ申の解説がよみたかったのと、計算(方程式)の意味がどうしてもわからなかったため入会しました。私は小学校の算数で既につまずいていたくらい算数が苦手だったので本当に助かりました。記事で丁寧に解説されています。

そして24hみこさんに質問できるのは大きいです。レスポンスが速く根拠付きの正確な答えが返ってきます。みこさんに休息の時間はあるのかと少し心配になりますが…。

入会時期は遅めだったと思いますが、それでも早めに自分の弱点に気づくことができて本当に良かったと思います。独学で勉強を始めた時期が遅いと自分を客観視するのが難しく、弱点を見つけづらくなると思います。

最後にみこさんへ

本当にありがとうございました。

短い間ですが大変お世話になりました。

的外れな質問をして困らせたり、理解力がなくイライラさせてしまうこともあったと思いますが、理解できるまで根気強く教えてくださり本当にありがとうございました。最初から最後までとても心強かったです。

そして試験前日の長文のアドバイスありがとうございました。あのアドバイスを頂けなければ間違いなく落ちていたと思います。たくさんの受験生を抱えお忙しい中本当にありがとうございました。

最初はお値段の安さに怖さを感じていましたが、間違いなくお値段以上でした。

考え方やお人柄、とても尊敬しております。

でもどうかお体には気を付けて、今後のご活躍をお祈りしております。

信じられる先生を見つけてゴールへ一直線

なお さん(30代男性 会社員 2020年度合格 受験回数1回)

➢ はじめに

通関士試験を受験される方には様々な方がいらっしゃると思います。それぞれのバックグラウンドに適した学習法があると思いますが、本合格体験記がみなさまにとって少しでも参考になれば幸いです。

➢ 自己紹介

30代半ば、家族は妻、子2人と犬がいる会社員です。前職は公務員で約10年間勤めた後、2020年に転職しました。転職先では取引先に通関業者や代理店の方も多く、仕事に必要な知識を少しでも得られればと思い、受験を決意しました。

貿易に関する知識は全くありませんでしたが、前職では法令や通達に基づいて仕事をしていたので、法律の読み方には比較的慣れていたと思います。また、今の仕事で通関書類等を見る機会もあるので、仕事と試験勉強の知識がリンクしやすかったです。受験勉強などの経験から、自分なりの暗記するコツや暗記するまでのプロセスもほぼ確立している状態でした。

➢ 学習期間

学習期間:2020年4月~(学習時間:約330時間)

➢ 使用した教材(学習開始順)

①通関士教科書 通関士 完全攻略ガイド 2020年版

②みこ会

③通関士教科書 通関士 過去問題集 2020年版

④通関士教科書 通関士試験「通関実務」集中対策問題集 第3版

⑤こんさくさんの統計品目カード

⑥過去問(52回)

⑦通関士試験 ゼロからの申告書2020 

➢ 費 用

・教材代:約25,000円

・模試・本試験代(交通費含む。):約10,000円

➢ 体験記

受験を予定していた別の資格試験がコロナ禍で延期になったので、2020年4月、前年に通関士試験に合格した同僚からおススメのテキストを教えてもらい、教材①を購入しました。同僚から独学で十分可能と言われていたことと、終業時間が不規則で予備校には通えなかったので、独学で受験することにしました。とはいっても試験に関してほとんど知らない状態でした。ある日ネットで偶然みこ会を見つけ、口コミを見て自分に合いそうだったことと費用も手頃だったので入会することにしました。

みこ会で学習に向けた計画の立て方、その他学習法の記事を目にし、まずは学習計画を立てることにしました。学習計画を立てる際に気をつけたことは以下の事項です。

・この計画をやりきったとき、合格するための自信がついているか。

・計画の進捗に変化があれば、柔軟に見直すこと。

・これまでの経験から問題集は最低3周やること。

・学習時間にこだわらず、学習した内容を重要視すること。

・一つの科目ばかり学習しないこと。

・間違えた個所は翌日に復習すること。

まずは教材①のテキストを一通り読むこととしました。難しい用語が多く、何回か立ち止まりそうになりましたが、試験範囲全体を把握するつもりで気軽な気持ちで読むことに努めました。併せて学習時間を管理するため、携帯のアプリで使用テキストと学習時間を記録していました。その際、学習時間にはこだわらず、自分が予め設定した目標を達成することを念頭に置きました。教材①は約1か月で目を通し、巻末問題にチャレンジしたところ、通関実務の点数が4/45だったので、これはヤバいと焦りを感じましたが、みこさんに励まされ前向きに淡々と勉強しようと思いなおしました。

テキストを通読した後は、教材③の過去問題集をひたすらやろうと決め、間違えた問題はテキストに戻って復習することを基本サイクルとしました。本過去問題集は、ただ過去問を解くのとは違い、解答に最新の法改正が反映されているので、法改正の有無について調べる手間が省けたことがよかったです。量が厚かったので自分で分割して製本し、その日に勉強する予定のものを仕事用のカバンに入れて持ち歩いていました。本問題集を自分で決めたルールに則って付箋を貼り、学習の進捗状況を目に見える形にしました。当初は問題集を3周やれば十分だと思っていましたが、問題によっては最終的に7回解いた問題もありました。

この頃には日常の生活に試験勉強が組み込まれており、通関業法、関税法等は通勤時間、子どもの習い事の待ち時間や始業前の1時間等のスキマ時間で学習し、通関実務は子どもたちが寝た夜10時以降での自宅、終業後の図書館で学習していました。

5月頃から在宅勤務の回数が減り、6月からは通常の勤務体系に戻りました。徐々に自分が苦手な分野や問題形式が分かり始め、そのような分野等に対しては、内容を丸暗記せず、具体的な流れをイメージして覚えるようにしていました。また、条文等の言葉が難しく感じた時は、自分で絵や表を書いてそれを覚えるようにしました。上司から関税法等を読むときは、主語を明確にすることを意識して読むよう指導されていましたので、特に主語(登場人物)を明確にイメージし図示することに注意しました。

学習当初から、通関実務が受験生にとって最難関科目であり、本試験の合否を分けると聞いていたので、通関実務を強化させる必要があると思い、6月中旬から教材③に並行して、教材④を使用し始めました。この頃には通関実務の問題形式に慣れてきていたのですが、各章に記載された攻略法、特に課税価格の決定方法は加算・不加算の具体例を読みこんだことで、課税価格の計算については本試験まで自信をもって臨めました。

みこ会で早めに1年分の過去問を通しで解いたほうがいいと言われていたので、6月下旬に53回の過去問を解きました。結果は、通関実務21/45、関税法等37/60、通関実務29/45点取れました。これが自信になり、もしかしたら合格できるかもと思い始めました。しかし、相変わらず通関実務は時間が足りませんでした。この頃から、学習期間中のつぶやきをtwitterに書き込み、イイねやコメントをいただいたことも良い刺激になっていました。

8月に入り、子どもたちの夏休みと重なったため、学習が進まないことが多くなりました。また、仕事も少しずつコロナ禍前の状況に戻りつつあり、中長期の学習計画を下方修正する必要を感じ、合格できるのか不安になってきました。そこで、力試しとして52回の過去問を解いてみることにしました。結果は、通関業法31/45、関税法等46/60、通関実務32/45であり、このまま淡々と学習を続けていけば大丈夫との自信になりました。合格できるか不安になったときは、仕事の合間にみこ会の記事を読み直して自分を励ましていました。この頃には携帯の漫画アプリやゲームをすることがなくなり、四六時中通関士試験のことが頭の片隅にあったと思います。

8月下旬に予備校の模試を受けました。本試験を想定して受けたかったので会場受験にしました。会場で何かの試験を受けるのは数年前にTOEICの試験を受けたきりだったので、本試験の前に会場や他の受験生の雰囲気を体験できたことは大きかったです。模試の結果は各科目とも6割前後の点数でしたが、模試は本試験よりも難しいからと自分に言い聞かせました。併せて同僚が関税協会の模試を受けたので、問題を見せてもらい学習しました。この頃が合格への不安が一番大きく、早く試験を受けさせてくれとさえ思っていました。みこさんやtwitter界のみなさまに刺激をもらいつつ、自分を励ましていました。

9月になり、上司や同僚から試験受けるの?と声を掛けられることが増えました。転職したばかりで社内に知り合いが少なかったのですが、試験勉強を機に交流の輪が広がっていくのがよかったです。また、社内の受験経験者から税関HPの使える資料を教えてもらったり、彼らの専門分野から問題を出してもらったり、周囲の環境にも恵まれていたと思います。学習の状況は、過去問を繰り返し勉強することに飽き始めていたので、税関HPのカスタムアンサーや関税率表の解説等を眺めて、自分が通関士になったような気分でいることが増えました。

試験1週間ほど前に会場の下見をしました。普段の仕事で通りかかる場所でしたが、エレベーターまでの導線は確認しておきました。本試験に向けて気持ちが引き締まりました。一方、学習の進捗状況は夜に子どもたちと一緒に寝落ちすることが増え、本試験までの1週間は続けて寝落ちしてしまいました。

これらにより学習計画を修正せざるを得ず、教材⑦ゼロからの申告書は1周のみとし、新たな問題には手を付けず、復習のみを行いました。本試験前日は寝不足の状態をつくり、夜寝付きやすいようにし試験当日に臨みました。

試験当日は会場まで電車よりも車のほうが早く着けること、コロナ禍での受験で昼食は車内でとりたかったので、車で会場へ向かいました。

当日は会場に08:30前に到着、自分の席は出入り口に近い最後尾で、試験会場を見渡せる位置だったこともあり、気持ちはリラックスできていたと思います。

試験開始前、電卓が試験の規格にあったものか確認されました。1科目目の通関業法は複数選択式の手ごたえがあまりなく、休憩時間には不安になりtwitterを覗いていました。

休憩時間はトイレ、エレベーターが混むのでトイレは違う階のものを使用しました。1科目目と2科目目の間の休憩時間は30分なので、つまめるお菓子などは持参しておいたほうがよいと思います。

2科目目の関税法等は、例年の本試験同様の難易度かなと感じました。家で勉強するスタイルと同様、椅子の上にあぐらを書いて問題を解きました。事前に聞いていたより途中退室する人は少なかった印象です。

3科目目の通関実務は問3から解きはじめ、これまで解いたことのなかった消費税を算出する問題は後回しにしました。問題につまることなく、解答終了時点で20分余ったので、マークミス等を見直したところでタイムアップしました。

本試験翌日には一部解答速報が出ると聞いていたので、仕事中も全然落ち着かず、すぐに自己採点をしました。関税協会での解答をもとに自己採点した結果、通関業法39/45点、関税法等42/60点、通関実務31/45点でした。合格点を上回っていたときの興奮と感動は一生忘れないと思います。

通関実務の点数が低かったのは、輸出申告書の関税率表解説を読まずに全問間違えたこと、貨物分類の知識を問う問題をことごとく落としたことが響いたと思います。また、通関実務は過去問を多めに解かなかったことも反省点だと思います。

➢ おわりに

試験合格を一番喜んでくれたのは子どもたちでした。勉強する親の姿を見せられたことも試験勉強をしたメリットだったと思います。

受験する方々には置かれている状況に応じて、様々な制約があると思います。個人的に思うのは、学習当初に合格できると自分が納得した目標を立てて、それに向かって黙々とアプローチできる人は合格する可能性が高いということです。学習につまずきそうな時には、みこさんがきっと引き上げてくれるはずです。また、資格取得によって給与が上がるなど、資格の取得自体が目的の方もいらっしゃると思いますが、あくまで手段として考えたほうが身に付く知識がより深いものになるし、自分を追い詰めすぎることもなくなるのではと思います。

長い学習期間中、思うように学習が進まないこともあるとは思いますが、無理をしすぎず、みなさまの努力が報われますよう応援しています!

記憶力が衰えたおじさんでもまだまだやれるぞ!

なーちゃん さん(男性 金融機関勤務 2020年度合格 受験回数2回)

第54回通関士試験に2度目の挑戦で合格することができました。2年間に渡る私の経験が今後、通関士試験合格を目指される皆さんの少しでも参考になればと体験記を投稿させて頂きました。

2年目はまず、知人の紹介でみこ会に入会させて頂き、みこさんには勉強の方法や個別の質問にも丁寧にご対応頂きまして、感謝しております。

独学の方はもちろん、通学や通信講座をご利用の方も、みこ会へのご入会をお勧め致します。独学の場合は勉強して行くと、必ずテキストや過去問の説明だけでは理解できないことが出てくるはずです。その場合、独学ですと、中々周りに聞く人がいないと思います。みこさんなら懇切丁寧に答えてくれるはずです。但し、みこ会に入会すると、みこさんが執筆された様々な解説記事が見られます。まずはご自身が疑問に思ったことに関する記事がないか探した上で、質問するようにして下さい。この記事はみこさんがこれまでに会員からの質問が多い内容を解説してくれたものです。大抵のことは記事に記載されている可能性が高いです。通学や通信講座受講される方にとってもみこさんのこれまでのご経験から勉強方法や過去問、市販されている個別のテキスト、問題集等で解説が不十分なものに対して更にかみ砕いて解説されたもの、最新情報等とても有益な内容が盛りだくさんですので、きっと役に立つはずです。それで会費は1回分の飲み代程度ですよ。

2年分の体験を網羅すると、かなりのページを割くことになりますので、特に2年目に関しましては鬼門の通関実務を中心に何点かのポイントに絞って記載致します(最終的にかなりの量になってしまいました)。

(1)

 1年目(2019年)に通関士試験を受けてみようと決意したのが、4月の中旬で、それからネットで評判が良さそうな通信講座を探して、最終的にはフォーサイトに決め、勉強を始めたのがちょうどゴールデンウィークに入ってからでした。

フォーサイトの講座、コンパクトに纏まっており、記載も簡潔です。これが長所であり、逆に言うと短所でもあり、特に関税法等の法律に関する科目は、何故、この規則があるのか、いわゆる立法趣旨の説明が余りないように感じました。

あくまでも個人的感想と断った上で、この講座に向いているのは、細かい理屈は抜きで、とにかく効率良く短期間かつ必要最低限の勉強で合格を目指す方だと思います。その為か、修得に時間と労力を要する、貨物分類に関しては、テキストや問題集にも若干の記載はありますが、講義での説明は皆無、基本的には貨物分類は捨てるとのコンセプトのようです。実際に1年目は貨物分類に関しては全く勉強せず、このフォーサイトの教材と日本関税協会の『ゼロからの申告書』(8月に行われた、模試で通関実務の出来が余りにも悪く、急遽8月末に購入)を中心にやった結果、通関業法と関税法はぎりぎり合格ライン、通関実務は1点不足でした。

このフォーサイトの講座中心でやっても合格された方は多くいるはずですが、立法趣旨をよく理解できないまま丸暗記して、又、貨物分類の知識を得ないまま、試験に合格しても、資格マニアの方は別として、この資格を活かせるのか疑問です。そんな合格後のことはどうでも良いから、とにかくまずは手っ取り早く合格だと思う方にはお勧めかもしれません。因みに2年目にフォーサイトの教材とは真逆に非常に詳しく記載されている『翔泳社の通関士完全攻略ガイド』を一通り読んで、立法趣旨がある程度理解出来てからこのフォーサイトのテキストを読んだら、コンパクトに纏まっているなと改めて感心したので、矛盾するようですが、決して否定するものではありません。

(2)

2年目(2020年)も受験すると決めたら、前述の通りみこ会に入会、勉強法に関するみこさんの記事を熟読、その中でアドバイスされていた、勉強の順番として、通関実務対策から始めました。私の2年目の体験は多くの皆様が涙を呑む、通関実務対策を中心に述べさせて頂きます。

1

年が明けた1月から前年全く手を付けなかった貨物分類から始めました。ただ、独学するにおいて、貨物分類だけは範囲が広すぎて、市販のテキストでは修得が難しいと思いましたので、LECの『通関実務対策講座 貨物分類編』を申し込み致しました。この講座だけで正価36,700円(LECのクーポンやみこ会とのタイアップで割引になる可能性あり)とお安くはないかもしれませんが、この講座を何回も視聴したお陰で、貨物分類のコツがわかってきました。そして、貨物分類の知識があると、貨物分類に関する知識問題は勿論、申告書問題も楽になり、時間の短縮が可能です。私は通関士試験の合格者に求められるスキルとして、世の中に無数に出回る物や物質をたった一つのコードに分類していく為の基礎知識を得ることもあるかなと思っています。実際に通関士として働かれるかは別として(私も通関業界勤務ではありません)、貨物分類の知識は貿易業務に係る者として、今後の実務にも有益ではないでしょうか(例えば、今後、益々増えるであろうFTAを利用する為には対象貨物のHSコードの正確な分類が必要です)。ですから、勉強開始が遅くなってしまった方(例えば5月以降)や普段、勉強時間を捻出できない方は貨物分類迄手が回らないかもしれませんが(その場合は貨物分類を捨てる選択肢もあります)、12月~4月頃からスタート出来、ある程度勉強時間が捻出できそうな方は貨物分類の勉強もしっかりやることを強くお勧め致します。

貨物分類に特化した講座はLECの他に見当たらないようですが、ツイッターでも話題になっている白スミレさん(大手資格の学校の通関士講座講師をやっておられる方です)が、オンライン講座を開始、貨物分類の単科講座も始まるかもしれないとの情報もありますので、関心がある方はチェックして下さい。

貨物分類講座ではありませんが、私も白スミレさんの申告書対策、計算問題対策、法令改正対策を受講しましたが、どれもとても有益でした。

2

貨物分類対策と合わせて、2月頃から申告書問題の対策も始めました。税関のホームページや日本関税協会の通関士ポータルから過去問10年分程度、輸出入の申告書問題だけをやりました。その後、前年購入した、日本関税協会の『ゼロからの申告書』、みこ会とのタイアップで割引価格にて受講できたLECの『通関実務対策講座』を複数回やってきました。その際、大事なのは最初の内は時間を気にせず、問題に記載されている、『記』の条件(特に申告価格を算出する際に必要な加算や減算の要否)や実行関税率表の部注、類注、号注をじっくり読んでみることです。特に注は分類に必要だから記載されていることが多いので、しっかり見るようにして下さい。

3

計算問題(延滞税、加算税、修正申告や更正請求、課税価格の計算)は本試験では得点源になりますので、しっかり準備しましょう。第54回試験ではほとんどの受験生が準備していなかったであろう、消費税の問題や課税価格を求める問題で予備校等の解答速報が3つに割れ、日本関税協会以外は違っていたような問題もあり、私は3問しか解答出来ずに焦りました。計算問題対策としては、過去10年程度の過去問、日本関税協会の『計算問題ドリル』中心に始めました。ただ、特に初めて受験される方は関税法や関税定率法の知識がないと回答できない問題もありますので、これらをある程度理解してからでも間に合うと思います。課税価格を求める問題ではテクニックとして、加算すべき金額を赤丸等で囲む(但し、間違えた時の為にできれば消せるペンが良いかも)ようにすれば分かり易くなります。

又、ある材料や費用等が課税価格として加算又は減算されるか(課税価格の決定)は輸入申告書の問題でも重要です。最近の本試験では仕入書記載の個別の品目毎に加算するかどうかを判断する問題となっていますが、問題によっては加算又は減算の判断を誤ると全滅してしまう場合があります。これらは色々なパターンがありますので、まずは各自でご使用のテキストの関税定率法の課税価格の決定の原則や課税価格決定方法の例外に記載されている加算要素や減算要素の基本を理解した上、数多くの問題に当たるしかありません。知識を整理される為に、関税定率法基本通達4条に目を通すこともお勧め致します

4

7月以降は実務全般の纏めとして翔泳社の『通関実務集中対策講座 第3版』で申告書、計算問題、貨物分類の問題をやっていきました。この問題集は本試験より難しく作られているようですので、この問題に慣れておくと、本番で楽に感じられるかもしれません。

5

実務問題の選択式や択一式では、『事前照会』や経済連携協定(FTA)、特恵関税の原産性を問う問題もあります。最近、締結された経済連携協定や日米協定は原産性の証明は自己証明なので、それに関する問題が増えてくると思います。これらはテキストによっては余り記載されていないものもあります。FTAに関してはジェトロ(日本貿易振興会)のホームページに詳しく記載されています。通関士試験レベルで問われるのは、原産地規則が中心です。原産地規則はFTAの種類によって違いますが、ベースの考え方は共通することが多いので、日EU EPA(FTAとEPAはほぼ同意語)かCPTPPに関して、ジェトロのホームページから無料ダウンロードできる、解説書に目を通されては如何でしょうか。

6

申告書問題においては、インコタームズによって、その仕入書価格はどこまでの費用が含まれるか違ってきます。輸出はFOB価格、輸入はCIF価格で申告と決まっています。これ以外のインコタームズの場合は調整する必要があります。インコタームズに関して、詳しく知らなくても解答はできますが、全部で11種類しかありません。貿易の基礎を学ぶにおいて、インコタームズは真っ先に学ぶ事項の一つです。是非、基本的な知識は修得された方が良いかと思います。インコタームズは突き詰めればそれだけで本が書けるくらい奥が深いものですが、通関士試験レベルでは最低限、各インコタームズ条件の費用負担、具体的には輸出者が主語でどこまでの費用を負担するかを考えれば分かり易いかと思います。

7

優先順位は低いですが、申告書の仕入書の貨物名は英語で記載されています。見てすぐにわかる物もありますが、日頃、目にする物でも英語では知らない単語もあります。私は普段、仕事で英語を使用していますので、特別、苦手意識はありませんが、通関士試験の仕入書に出てくるような単語は知らないものがたくさんあります。

例えば、魚で言えば、cod(たら)、herring(ニシン)等の単語は知りませんでした。

第54回実務の輸出申告書問題で『Tripod』(三脚)もすぐに解らず、探すのに時間が掛かってしまいました。

仕入書の貨物の英語表記が何を表すかすぐに解れば、貨物分類時に時間の短縮になりますので、勉強のスタート時期が早く、余裕がある方は仕入書に記載された貨物の英単語をチェックされては如何でしょうか。

私は仕事でもよく使用している、語学教材に強い,アルク社のオンライン英単語辞典の『英辞郎 on the WEB Pro』で都度、知らない単語に出くわしたら、調べて登録していますが、自分だけの単語帳が出来ます。単語に『通関士試験』のようにTagを付けることによって、通関士試験対策用の自分専用の単語帳を作ることが可能です。これは有料ですが、月額¥330です。月単位でも契約できますので、試験が終わったら解約することも出来ます。

8

私が2年目に使用した教材等は以下の通りです。

通関実務対策:LECの通信講座『通関実務対策講座 貨物分類』、過去問10年分(申告書問題、計算問題のみ)、LEC『通関実務対策講座 申告書編』、日本関税協会『通関士試験ゼロからの申告書2019』、日本関税協会『通関士試験補習シリーズ 計算問題ドリル2019』、翔泳社『通関実務集中対策問題集 第3版』、 白スミレ・オンライン講座

関税法等・通関業法対策:翔泳社『通関士完全攻略ガイド 2020年版』、前年使用したフォーサイトのテキストの一部(通関士完全攻略ガイドは詳し過ぎるので、その纏めの為に使用)、TAC出版『通関士スピードマスター2020年度版』、翔泳社『通関士過去問題集 2020年版』、日本能率協会マネジメントセンター『2019-2020年版 どこでもできる通関士』、

範囲が広い関税法等は2月に入ったら上記の『完全攻略ガイド』を読み始め(基本的には1回目は通勤時の往復の電車の中でのみ)4月迄に3回読破、その後、『TACスピードマスター』6月迄3回。7月以降『翔泳社過去問題集』8月迄3回、8月以降本番直前迄、得点源の語群選択対策として『どこでもでき通関士』3回(通勤時の往復の電車の中でのみ)

通関業法は上記と同じ順番で6月から開始

模試:日本関税協会、TAC(以上、自宅受験)、LEC(会場受験)

結果は通関業法、関税法等は全て基準クリア(60%~70%程度)

実務は全て基準以下(11点~23点)

模試は問題をコピーして本受験の後に各々もう1回時間を図って実施。

間違えた箇所や曖昧な知識はパソコンで纏めて試験直前迄、見直しました。

みこさんも仰っていますが、模試の結果に一喜一憂せず、復習することが大事です。それで最後には合格出来ました。

みこさん、白スミレさん(基本的にはオンライン講座の内容に限定)には何度も質問させて頂き、疑問点は残さないようにしました。

最後に2020年は新型コロナウィルスの感染拡大で、仕事の勤務体制が交互に出勤と在宅の繰り返しと不規則で、勉強のスケジュールも当初の想定通り行かず、そもそも試験が予定通り開催されるのかもわからず、自身や家族、同僚が感染するリスクもあり、非常に不安な状況でした。4月以降は、飲み会も全くなくなり、休日も遠出しませんでしたので、空いた時間はほとんど勉強に費やせました。逆に気分転換も出来ずに挫けそうになったこともありましたが、みこさん、白スミレさん、LECさん(LECさんにはツイッターで何気なく、申告書の講座では、テキストをダウンロード出来るようにして頂くと便利です、と呟いたら早速対応頂きました。お陰様で都度、コピーを取る必要がなく、大変、助かりました。ありがとうございました)、ツイッター仲間そして家内に支えられながら合格にたどり着くことが出来ました。本当に感謝です。

次回、通関士試験を受ける皆さんは、みこさんのことを信じて、是非、合格の栄光を勝ち取って下さい。

英語力0でも合格できました

のぞ さん(20代女性 会社員(サービス業) 2020年度合格 受験回数2回)

英語力0でも合格できました。3単元のSすら覚えてないです。笑

ただ試験でよく出てくる単語は覚えておく必要があります。

その為には過去問を何回も何年分も解きました。

【2018年秋】

当時転職を考えており、資格を一切持っていないので「何か取っておこうかな~」と軽い気持ちで本屋さんに立ち寄りたまたま通関士というテキストを発見し「面白そう」と思い通関士についてネットで調べました。貿易業界で唯一の国家資格にそそられ、お金と時間に少し余裕があったので資格の学校に通うことにしました。

【2019年秋】

1年弱学校に無遅刻無欠席で通いましたが、結果は惜しくも実務が1点足りず不合格になりました。不合格と分かってからしばらく落ち込んでいましたが、気持ちを切り替え2020年は絶対に合格すると誓い再度勉強を始めることにしました。

1年目の敗因は実務の対策不足です。

【2019年12月から2年目スタート】

12月から少しずつ勉強を開始しました。

7月までに過去問10年分5回転をする目標を設定し、

勉強しない日を作らないこと、1日5分でも良いから勉強することを意識しました。

(7月までに・・・というのは結果無理でしたが、実務は9月中に5回転できました)

【使用教材】

・2019年TACテキスト(業法、関税法、定率法)

→毎日5分以上目を通す

・2019年TAC貨物分類ノート

→毎日1類以上目を通す

・2020年TACスピードマスター

→3周、不安なところはもう1周

・関税協会計算ドリル2019

→本試験レベルは5周、その他3~4周

・関税協会ゼロからの申告書2020

→3周、不安なところはもう1~2周

・ヒューアカ通関実務

→3周、不安なところはもう1~2周

今年はLECの通関実務パックを申し込み、計算・申告書のテキストを主に使用しました。

【通関業法の勉強】

2年目通関業法の勉強を始めたのは模試直前の8月でした。TAC通学時に使用していたテキストを通学・休憩時間に読み、あとは過去問を解き復習しました。

暗記科目ですが、3科目に比べ覚える範囲はそこなで広くないので、過去問を解いて8割取れれば大丈夫かと思います。また基本通達からの出題も多いので目を通しておく必要があります。過去問を解けば分かるのですが、同じ問題が何回か使われています。ただ法改正に注意が必要で、業法は過去3年分、多くて5年分を解けば十分だと思います。私の場合は過去5年分を1周し、3年で十分な事に気づき、過去3年分を3周しました。

【関税法の勉強】

2年目の勉強を始めた12月から通勤時間にテキストを読みインプット、仕事の休憩時間にスピードマスターor過去問でアウトプット、これを8月くらいまで続けておりました。2年目ということもあり予備知識があったので、インプットは隙間時間を活用して行っていました。

外為法は覚えようと思うと結構大変かと思うので、関税法の過去問を解いて7~8割取れて余裕がある人は取り組めば良いかなと思います。ただ完全に捨てるのではなく、「輸出許可・承認の有効期限は6月」「無許可で輸出した場合3年以内の期間を限り輸出等を禁止」など数字は覚えておいた方が良いでしょう。過去問を解けばだいたい出題される範囲や傾向が分かります。

課税物件の確定時期・適用法令・納税義務者、納期限・法定納期限は完璧に覚えました。たまに「あれこの法定納期限って何だっけ?」という時があったのでトイレに印刷した紙を貼ったり、持ち歩きように印刷したりいつでも見られるように工夫しました。

今回の試験でも第1問、第2問に出題されたのでラッキー問題に思えました。ここで10点確保は確信できましたから残りの問題も余裕を持って解答できました。

過去問は10年分を3回(直近3年は4回)解き、8-9割取れるようになりました。最初、間違えた問題はノートに貼り付けていましたが、貼り付ける時間がもったいない事に気づき、間違えた問題のページ(A4)をダブルクリップで止め持ち歩き、当日試験会場にも持参しました。毎年同じような所から出題されていますので、とにかく過去問を解いて合格点以上取れるまで何回も何回も解きましょう。

【通関実務の勉強】

1年目は実務の勉強不足でした。課税価格の条文を丸暗記していた為、文章に囚われすぎて実質的な判断が出来ませんでした。また過去問をあまり解いておらず合格点に達しないまま1年目は試験に挑んだので2年目は実務に重点を置きました。TAC通学時に使用していた貨物分類ノートは試験直前期まで毎日1類以上目を通すようにし、「この貨物がどの分類なのか」を判断できるよう意識しました。

ヒューアカの通関実務問題集の後ろのページに関税定率法基本通達が載っているのですが、とても役に立ち、計算問題で分からないところがあれば通達を見て理解しました。とても大事な通達なのに1年目はこの通達に殆ど目を通しておらずとても後悔しました。というより知らない事だらけで恥ずかくなりました。基本通達の文章を丸暗記するのでなく、計算問題で問われた時にどう置き換えられるか理解するのが大事だと思います。

申告書問題の対策はとにかく数をこなすことを意識しました。私は英語が得意ではなく英語が出来る方より申告書・タリフを読むスピードが遅いと思うのですが、過去問や実務・申告書問題集を解いていくうちに見た事がある貨物の名前や英単語は自然と分かるようになり、貨物分類の知識で少しずつスピードが上がってきました。類注を知っているか知らないかでスピードも変わってくると思うので、問題に出された類注は覚えるよう心掛けました。

過去問は10年分を5回解き、関税法同様8-9割取れるようになりました。

【模試の成績】

・関税協会

通関業法45点

関税法44点

通関実務29点

30位857人中 C判定

・LEC

通関実務30点

関税法41点

通関実務28点

13位/258人中 B判定

1年目学校で受けた模試は実務が10点くらいでした。

その時に比べ確実に伸びており、自信に繋がりました。

【9月~試験1週間前】

8月までの生活は仕事の日は朝5時に起床し、起きてから1-2時間勉強、通勤・休憩時間に勉強するのみで、夜は一切勉強していなかったので、9月からは仕事終わりにも勉強していました。模試の成績で合格圏内だけども、やはり実務が油断できない点数なので、実務の過去問・ゼロ申・ヒューアカ実務問題集・LEC申告書をフル活用し、〈6:3:1=実務:関税法:業法〉を意識して実務ばかりやるのではなく、申告書を数問解いたら関税法・業法の過去問を解く、また申告書を数問解く、その繰り返しで取り組んでいました。

【試験1週間前~前日】

朝3時起床、夜8時就寝という生活で、仕事も有給を使い休みました。申告書問題は1日多い日で12問解き腱鞘炎になるくらい手を使いました。

【試験当日】

当日は朝4時に起床し、気合を入れる為に私はバッチリ化粧をして臨みました。

集合時間の1時間前には会場に着くように家を出発しました。キャンパスが予想以上に広くやや迷ってしまいました。時間に余裕を持って試験会場に着くことをオススメします。

当日はテキストを読み返すことはせず、何回も間違えた問題やなかなか覚えられない条文を印刷した紙を持っていき見返しました。

2年目ということもあり緊張は全くしていませんでした。ただ関税法の途中で体調不良になり、お昼ごはんを食べても治らず、3科目目の実務が始まる直前に試験管に体調が悪い旨を伝え、本部に薬があるとのことでしたので試験官と一緒に本部へ行き薬を頂きました。(救急箱があり各症状の薬がありました)

実務の試験中に薬が効いてきたので何の問題もなく解くことができました。

今年の実務は消費税の問題が出題され、私は解き方を知らなったのですぐ他の問題にとりかかり、消費税の問題は捨てました。他の問題の点数を確実に取ることが大事だと思います。

今回の実務の輸出入は比較的簡単であり、類注を見落とさず各品目を分類できるか、通関士として当たり前の事を問われている問題に感じました。

最後に余談ですが、私はお酒が大好きで毎日飲んでおり、試験1週間前まで飲酒しておりました。夜は直前期までほとんど勉強しておりません。そのかわり朝、通勤、休憩等の隙間時間を上手く活用し勉強していました。あと量より質重視なので週間・月間の勉強時間は意識していなので分かりません。社会人でも時間を有効に活用すれば必ず合格できます。

合格体験記~お腹の子と2人で臨んだ試験編~

ellie さん(女性 2020年度合格 受験回数1回)

お陰様で第54回通関士試験に合格することができましたので、僭越ながら合格体験記を寄稿させていただきます。

受験を決意したのは今年(2020年)の6月上旬、妊娠初期の悪阻がようやく落ち着いて来た頃です。妊娠中お腹の子のためにストレスをできるだけ溜めないようにと指導され、ただでさえ転勤族妻ゆえにキャリアがガタガタになっていることに日々焦燥感を感じていた私が考えた、一番ストレスを感じない方法が通関士の勉強に集中することでした( 笑)もともとメーカーの輸出入部門やフォワーダーで働いていたので、通関士の資格があれば少しでも産後に社会復帰しやすくなるかなと考えたものです。

幸い、勉強期間の4ヶ月弱がほぼ安定期と重複し、体調も比較的よかったので、勉強中に妊娠による障壁を感じることはありませんでした。ただ、あくまで体調と睡眠時間の確保が優先で、8月末までは1日の勉強時間は3~6時間とし、週に1度は必ず勉強を休むようにしていました(9月はもう少し頑張りましたが)。唯一辛かったのは 眠くてもカフェインが摂取できなかったことくらいです(妊娠中はカフェインをできるだけ摂取しないようにと言われています)。

試験当日は妊娠後期に入りお腹もかなり大きくなっており、疲れやすくなっていたので、迷わず日帰りではなく試験会場の近くのホテルに前泊することを選択しました。前日も早めにホテルに入り、家事に追われることなく最後の追い込みができたのもよかったと思います。当日朝はのんびりホテルで朝食をいただいてから出発。

試験会場では新型コロナ対策でマスク着用必須、さらに全員検温してからの入室で、検温査証がないと試験会場に入れないシステムになっていました。もう少し受験生同士の距離を離してもらえたら安心でしたが、会場のキャパも考えるとできる限りの対策をしていただいたのだと思います。自分の教室の階には女子トイレがなく、毎度階段を上り下りしないとトイレに行けなかったのは妊婦的に辛かったです。

以下、試験に関する所感です。

1 通関業法

語句挿入問題は例年より難しいような気がしました。過去問は直近5年分を3周し、過去問についてはほぼ満点が取れるようにしてから試験に臨みましたが、通関業の許可の期限等はノーマークだったので反省。お腹の子はとても静かで、お、空気読んでくれてる!と感謝しながら2科目目へ。

2 関税法等

先ほどまで静かだったお腹の子が動き出す。難易度は全体的に例年並みかなと思いました。基本的な用語の定義確認が甘かったかなと反省しつつも、全体としてはおそらく6割は超えられているだろうという所感。

3 通関実務

胎動がますます激しくなり、内側から終始蹴られ続けながら電卓を叩く。ノーマークだった消費税と軽減税率の計算問題に一瞬固まるも、この問題はきっと正答率が低いはずと思い、他の問題に全力を尽くしました。申告書問題については、特に輸出申告は一見シンプルに見えましたが注をよく読むと採番が一気に変わってしまう部分があり、1品目の採番ミスで大幅に点を落とす人がいそうだな~と考えながら解いていました。消費税問題のサプライズと、輸出申告の罠を踏まえると例年よりはやや難かなという印象。

以上です。今回合格することができ、妊娠中にこれだけは頑張ったと言えるものができて本当に嬉しいです。通関士資格取得にあたってはSNS(主にTwitter)で皆さんが使っていらっしゃる参考書情報を大いに参考にさせていただきました。また、勉強アカウントを作られている方々は合格への意識が高い方が多く、皆様のご様子を拝見することで 自分のモチベーションアップにもつながりました。疑問に思ったことを投稿すると誰かしらからご意見をいただけるのも心強かったです。本当にありがとうございました。私自身はこの資格を活かせるまで時間がしばらくかかりそうですが、合格された皆様の今後ますますのご活躍と、来年以降受験される皆様のご健闘をお祈り申し上げます。

通関士試験を終えて

こんぴー さん(33歳男性 会社員 2019年度合格 受験回数2回)

この度53回通関士試験に2度目の挑戦で合格することが出来ました。はじめに、最後まで応援してくださった、みこさんに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。二年間時に厳しく、時に励まして頂いたお陰です。これから通関士試験にチャレンジされる方に向けて、少しでも参考になればと思い、体験記を書かせていただきました。二年分を書くと量が膨大になりますので、主に下記に該当する対象者向けに書かせて頂きました。

【主な対象者】

・複数回受験(リベンジ組)

・あと数点で合格(特に通関実務が数点足りずに不合格組)

・育児と並行(子供が0歳から1歳ぐらいで、がっつり育児に関わっていらっしゃる方)

【プロフィール】

52回点数(不合格); 通関業法40/45(88%) 関税法等51/60(85%) 通関実務19/45(42%)

53回点数(合格); 通関業法38/45(84%) 関税法等41/60(68%) 通関実務33/45(73%)

一年目の学習形態;フォーサイト通信教育+みこ会 二年目の学習形態;独学+みこ会

1)一年目の不合格 ~妻の妊娠、出産を経て~

2018年10月12日、第52回通関士試験本番二日前に私は分娩室にいました。長男が試験2日前に産まれました。無事に産まれてくれましたので当然嬉しいのですが、2日後の試験のことを考えると不安もありました。2016年12月から学習をはじめ合格圏内には達していたと自分では思っていましたので、何とかなるか、と試験に挑みました。が結果不合格。

  52回試験結果

  通関業法 40/45

  関税法  51/60

  通関実務 20/45

 通関実務が3点足りませんでした。合格ラインが50%まで下がっておりチャンスだったのですが、結果不合格。非常に残念でした。本当に悔しく、しばらくは何も手が付きませんでした。みこさんにも当然連絡をしたのですが、みこさんからは「絶対に合格するまで辞めさせませんよ!」という激励のお言葉を頂き、エンジンがかかりました。2019年2月頃の話です。

2 )再び勉強開始 ~思うように時間が作れない~

【2019年2月頃】 

勉強を再開したのですが、子供が生まれたことにより学習可能時間が非常に減ってしまいました。

ざっくりと学習時間を記載しましたが、明らかに減りました。休日まとまった学習時間が取れないことが痛手でした。子供が成長するに連れ、土日どちらも勉強出来ず勉強時間0分の時もありました。1年目と同じようにやっていても環境が全く違うため、だめだと思い作戦を練り直しました。下記使用したテキストや、問題集、取り組み方等を記載していきます。育児をやりながらの学習は本当に本当に大変です、なのでポイントはいかに「隙間時間」を有効活用できるか、です!!

3 )学習方法の再考、使用教材・学習方法の紹介

メインテキスト;通関士教科書 翔泳社(ヒューマンアカデミー)通関士 完全攻略ガイド

常に持ち歩いておりました。表現の仕方は易しく、わかりやすく、かつ、初心者が抱きそうな疑問とそれに対する答えがページの端に書いてあったりと、大変重宝しました。歩いている時なども「あれ?なんやったかな」と思った瞬間にテキストを開いて確認するようにしていました。それを繰り返すことにより、段々とテキストが頭の中に浮かぶようになり、テキストと全く同じ事が紙にかけたりするようになってきます。こうなればもらったもの同然やと思います!

【通関業法の学習方法】

使用教材

テキスト→フォーサイトテキスト(一年目に使用していたものですが途中からは使わなくなりました)

※通関業法についてはフォーサイトのテキストを使用していました。

問題集→通関士試験問題・解説集 合格基準分野別・出題頻度順 2019年度版/関税協会

通関業法については初回受験時40点を取っていたため新しく知識を入れることはせず、試験まで忘れないように繰り返し答練を行いました。学習時間ですが、毎週水曜日の通勤時間、帰宅時間のみの答練を行いました。問題集は分野別になっておりましたので、通関業法の部分をコピーして電車の中で繰り返し解きました。それだけしかしていません。一年目も約1週間で大まかな知識を詰め込み、あとは答練を繰り返しました。出題されるポイントは毎年ほぼ同じですので、難しいことはないと思います。テキストを完璧に覚えてから問題へ、ではなくある程度で問題にとりかかった方が私はよいと思います。

【関税法等の学習方法】

関税法、関税定率法、関税暫定措置法のみを学習しました。ナックス法、外為法、は全くのノータッチです。テキストも読んでいません。これは一年目もそうでした。二教科目は範囲が膨大ですし、ナックス法等は点数にも結び付きにくいので思いきって捨てました。通関業法同様に問題集の関税法部分をコピーして電車の中で〇×を実際に問題番号の横に書きながら答練を行いました。その際に問題の「正しいものを選びなさい」「違うものを選びなさい」の部分にも線を引くことを心掛けました。

余談ですがテキストは紙版、問題集については電子版の方が利便性は良いと思います。問題集に直接〇や×を書き込まないですよね。電子版だと印刷もしやすく、本を持ち歩くよりも軽いので答練をする場所を選びません。私はどちらも本を購入していましたので、コピーを取るのも一苦労でした。時間もかかるし、通関士の問題集は分厚いのでうまくコピーもできないときもあり、、絶対に問題集に関しては電子書籍をおすすめします。

【通関実務の学習方法】

二年目に最も力を入れた教科でした。恐らく三教科目で悔しい思いをする方が多くいらっしゃると思いますので、

分野に分けて記載したいと思います。

申告書問題について (学習時間帯;平日休憩時間 60分 輸出/輸入申告書のいずれかを一日1題)

とにかく苦手で大嫌いでした。自信をもって番号を選べないことも多々ありました。類注が長くなると今でも拒否反応が出て、思考停止します。よって、二年目は類注に慣れる所から始めました。一年目は問題集を解いていても答えがあっていればそれで終了としており、中身を深く見に行くことはしていませんでした。二年目の学習を再開した初期の頃は、時間無制限で申告書を解き、ゆっくり類注を読んだり、インボイスの英語と関税率表を見比べたりと、申告書問題、関税率表にとにかく慣れることからやり直しました。その中で疑問が湧いてきます。ネットや税関のHPで調べたりするのですが、それでもわからないところはみこさんにLINEしていました。みこさんに質問するときも「これがわかりません」みたいな質問の仕方ではなく、「この貨物は類注のここにこうやって書いてあるので、①だと思いますが、解答は違っています。何が違うのでしょうか」のように、まずは類注に基づいた自分の考えをもって質問することを心掛けていました。みこさんは的確に、かつ迅速に解答してくださるので、疑問が即時に解決され、学習が非常にスムーズに進みました。通関士試験の学習の中で一番時間を費やした分野が申告書です。最後の最後まで不安でしたし、試験1週間前で何度も見てきた問題ですが、間違うことも多々ありました。53回本試験については下記簡単に記載します。

  • 輸出申告書 2/5点

難しく感じましたので、試験中に満点は無理と判断、0点じゃなければ良しと割り切れたことが良かったのだと思います。

  • 輸入申告書 15/15点

正直満点とれるとは思っていませんでしたが、答練中に問題の条件や類注が多いものにも沢山触れておりましたので、焦らず解答できたことを覚えています。

(申告書問題を振り返って)

非常に苦手だった申告書問題が合計17/20点でした。勉強再開時にゆっくり類注などに触れたことが良かったと思います。少しでも疑問があったところは流さずに、みこさんに質問したり、英単語の意味を調べたり、英語で書かれている貨物を想像し、どんなものかわからないときはネットで画像検索したり、ととにかく能動的に問題の本質を理解しようと行動したのが良かったのだと思います。焦らないように日ごろより輸出申告書20分、輸出申告書40分と時間を区切って答練していたことも良かったのだと思います。本番では焦らず取り組めました。

択一式・複数選択について(学習時間帯;通勤時間中、息子昼寝時間、平日早朝早起きして学習)

一年目と大きく考えを変えて取り組みました。一年目は申告書、課税価格の計算問題だけで27点を目指していました。択一、複数選択は絶対に自分には得点できないと思っていましたし、範囲も広いし、何から手を付けていいかもわからない状態でした。それが大きな間違いでした。この科目では「取れるところを確実に取る」が重要です。はじめから捨てる、は通用しません。1点でも2点でも点数を紡いでいく。まさにそのような科目です。自己の意識改革を行い、まずは過去問から取り組みました。覚えるのではなく、何故そのようになるのか、に重点を置き、「この中でA国原産地となる貨物はどれですか」のような与えられた情報を使い、解答していくような問題をマスターすることを心掛けました。ただし、正解の理由が「類注に規定があるため」のようなそもそも知らないと解答できないような問題については間違っても深く考えず、とにかくインプットに徹しました。

(選択式問題を振り返って)

53回本試験でも運よく与えられた条件を使い原産地を特定する問題が出題され、試験中、ニヤリとしたのを覚えています。52回本試験で出題されたものと同じ形式でしたので、得点することが出来ました。合計6/15点(前年0/15点)でしたので、自分の中では及第点でした。原産国特定の問題はこれからも出題されると思います。この問題のポイントは、どういう条件だとA国の原産国になる/ならないということをしっかり理解することです。過去問に出ているものだけを丸暗記していても通用しません。あとは与えられた資料や条件をいつ使うのかを理解することです。資料や条件は、それらがないと原産国が特定できないから与えられているわけです。では何が、どこがネックとなり原産国が特定できないのか、という思考回路で取り組むことが大事です。この文章のここの部分があいまいだから原産国がわからないが、この資料のここの部分を使ってやると、この筋の考え方が消えるから原産国がAと特定できる、のように解答までの道筋を組み立てることに重点を置いてください。

課税価格の計算について(通勤、帰宅時間、息子昼寝時間、就寝後深夜等)

通関実務をクリアするにはここで得点を稼がないと厳しいです。最低8点/10点、10点満点を取れるよう学習しましょう。53回本試験では10/10点(前年6/10点)でした。この分野についても以下の点に関して1年目と意識を変えて取り組みました。

輸入する貨物の基本となる金額

問題文章が長くなると、どれを加算するのかわからなくなります。まずは今回輸入する貨物は単価いくらで何個なのか、を意識しました。個人的にこれを「ベース」と呼び、問題余白にべ(べを〇で囲んだ文字)と書いて500円/個×1,000個=500,000円のように書いていました。ここからスタートするんだ、と自分の中の意識付けのためです

 指示語

「この輸入のうち」、「この4,000個」のように指示語が使われています。指示語はどれを指しているのかを意識して問題を解いていました。

 ・加算・非加算の判断

これが判断できないと話になりません。過去問で基本的なところを習得し、その他は関税協会が出版している関税評価303という書籍で知識を増やしました。この書籍非常にためになり、輸入とはどういったものなのか、課税価格に算入するときの考え方などが肌感覚でわかる書籍でしたので、おすすめの1冊です。

  • 育児と並行しての学習

子供が生まれたら家庭内の空気が育児一色になります。夫(夫の立場ですのでここでは夫とします)の個人的な学習(会社命令と言えども)、なんてものの優先順位は最下位になります。育児をしながら学習をされている方も少なくないと思いますので、まずは以下の通り意識を変えてください。

・ゆっくり机に座って学習は出来ない

通勤時間をいかに効率よく使うかがポイントです

・通勤時間以外の隙間時間を最大限に使う

 会社の昼休み時間は当然、トイレや移動中、会社の卓上カレンダーにこっそり27類の貨物を張っておく等隙間時間を通関士試験一色にすることを意識する

・子供の昼寝の時間を活用

 寝付かせるために自分も横になるなら参考書を携帯しましょう、子供が寝たら慎重にめくってください。

 ちょっとした音でも子供は起きます。何度も痛い思いをしました。そーっとめくりましょう。

・休日なんてものはない

そもそも育児をしていると休日なんてものはありませんね。年がら年中平日です。心休まるときなんてないです。夫で会社勤めの立場の私は平日の方が休日より断然楽でした笑

・時間がない、ではなく作り出しましょう

曜日問わず、朝5時頃起床、6時半まで学習、夜は0時から1時頃まで学習していました。睡魔が半端ないですが、二度とこんな試験受けたくない、という一心でやっていました。育児が伴うと妻も不機嫌になりますし、肩身が狭いので、一刻も早くこの状況を脱出したいという思いでやっていました。

以上となりますが、このような意識と学習で合格することが出来ました。この試験ですが、通関実務をいかにクリアするかがポイントです。何故この貨物がここに分類されるのか、また課税価格に何故この金額が加算されるのか、また加算されないのかなど、小手先の暗記ではなく、ゆっくり考え、理解することが合格に繋がります。

受験生は長い戦いになりますが、頑張ってください。合格後の景色は今までとは全く違いますよ。

毎日コツコツ勉強が出来たらあなたも合格できます。

A さん(20歳女性 大学3年生 2019年度合格 受験回数1回)

私は昨年の10月から通関士試験の勉強を始めました。

初めての国家試験勉強だったので何処の教材を使うかを色んな人に聞き、まず始めは価格帯も安くて素人でも読みやすいテキストを出している通信講座のForsightさんの教材を使うことにしました。

しかし年末までは大学の試験勉強も重なり中々通関士試験の勉強に多く時間を割けずにいましたが、それでも毎日テキストを読み込んだり付属のDVDを見たり問題を解いたりとコツコツ勉強することにしていました。眠くて疲れている時も必ず1ページはテキストを読むようにしていました。

年が明けてからは、本腰を入れて春休みまでには関税法、定率法、実務の一通りを終わらせました。

3月からは、本試験の過去問も解き始めました。始めはあまり点数につながりませんでしたが、本試験の形式に慣れるためにも解いていました。

5月からは大学での通関士試験対策講座も受講しました。基本の復習をするための時間だと思って、毎週2回受け続けました。周りの学生たちに負けないようにと思いながら勉強しました。「絶対一発合格してやるからな!」と思い、日々の勉強に打ち込んだのを今でも覚えています。この時の平日の平均勉強時間は大体1日6時間以上だったと思います。休日には10時間を目標に勉強していました。

8月からはずっと苦手だった実務の対策を始めました。独学ではなかなか対策しづらく、理解するのも難しい科目ではありますが実務で点数を取らないことには合格はあり得ないので何とか試験対策がしたいと思い、TACさんの通関実務ダブルパックという講座を受講することにしました。私はこの講座が1番自分の通関士試験合格に役立ったと思っています。TACさんがこの講義で使っている問題集がかなり良問揃いで、解くたびに何処が自分は理解できていないのか?を知る事ができました。と言っても良問なだけ、難しい問題も多く何度も間違えましたが、全ての問題を完璧に理解するまで何度も何度も繰り返し解き直しました。

このようにして計算問題は段々得意になりましたが、申告書問題は最後まで私の苦手なところでした。関税協会さんの模擬試験やTACさん、LECさん、Forsightさんなどの模擬試験は全部受けましたが、殆どの申告書問題で合格点には届きませんでした。

輸出申告書は得意になりましたが、輸入申告書だけは得意とは言えませんでした。「このままじゃ、本試験で難しい輸入申告書問題が出たらわたし危ないかも。。」といつも思っていました。

そのような不安を抱えながらも試験当日まで、模擬試験問題や過去問を何度も何度も解き直す勉強を続け、コツコツと時間を重ねていた結果、自ずと1日当たりの勉強時間は10時間を超えるようになりました。

そして日々の勉強の中で分からないところは直ぐにみこさんに質問をし、丁寧に教えていただいたおかげで自信にもつながりました。 このように日々を過ごしながら試験当日を迎えました。

当日は案外緊張せずに試験会場に向かう事ができました。というのは自分でも嫌というほど勉強してきた事が自信になっていたからだと思います。そして、三科目とも着実に解いていく事が出来ました。

実務に関しては、自分でも呆気にとられるくらいの基本的問題ばかりで、苦手だった輸入申告書も更々と解けました。試験終了後、持てる力の全てを出し切る事ができた試験だったなと確信しました。

本試験次の日には、各予備校さんが解答速報を出してくれるのでそれを見ながら自己採点しました。大学の友人についていてもらいながら、順調に丸つけをし、実務の得点が合格基準を超えた時にわたしはオロオロと泣き出してしまいました。この時が1番嬉しかったです。

といっても合格発表は11月の末であるため1ヶ月半くらい待たなくてはいけないので少しモゾモゾした気持ちを引きずることにはなりましたが、 合格発表当日は案外ラフな気持ちで官報を確認しました。

有難いことに名前が載っていて、急いでお世話になった家族や友人に報告し感謝の気持ちを伝えました。

合格した今、私が思うことは、何事もガッツと継続力で自分の夢を叶える事ができるということです。もちろんその夢は多くの人の支えもあって叶えることができます。 私はこれから就活ですが、この通関士試験の勉強で育てることができた自らのガッツと継続力を活かして、お仕事も頑張っていきたいと思います。

地方住みOLの再チャレンジ成功談

マス さん(女性 地方の派遣OL 2019年度合格 受験回数2回)

令和元年、通関士試験合格。
ここまでの道のりは短いようで、思い返すと実は長かった。

私は平成27年度の通関士試験に落ちた。
仕事で地方に住んでいた私は、市内の本屋で購入した参考書と、問題集のみの学習で受かろうとしていた。当時はインターネット上に通関士試験に関する情報が少なく、試験の難易度を正確に把握できていなかった。
せめて通関士ポータルに過去問が掲載されていることを知っていたら・・・、対策を講じることができたかもしれない。いずれにせよ勉強不足のまま受験してしまい、私は通関士試験合格を一度諦めた。

その後諸事情により私は更に田舎の実家に戻り、派遣社員として働き始めた。
入社時に派遣先の人事の方が「君の部署にはもう一人貿易事務を担当している派遣社員がいるけれど、先に通関士試験に合格した方一名を直接雇用に切り替えるつもりだ」と仰ったので、もう一度挑戦してみてもいいかもと思い始めた。
しかしその翌年の春、通関士試験に合格していない派遣の先輩が、なぜか正規雇用に昇格した。
私は派遣先に失望し見返してやろうと燃え、「通関士試験に受かればいいな」という生ぬるい希望から「絶対に合格して転職してやる」という強い意思に変わった。私のガソリンはキャリアアップと復讐であった。

12月頃から関税法の勉強を緩やかに始め、5月頃から勉強時間を増やしていった。
12~4月頃は毎月数時間ほどしか勉強していなかった。これは自分が暗記ものに弱いことを自覚していて、半年以上先の試験の暗記内容を保ち続ける自信がなく、腰を据えた勉強ができなかったためだ。あまり参考にはならない数字だろう。

5月には関税法、通関業法、通関実務と一通りの学習を終え、過去問に着手した。ここからが私の本当のスタートであった。
翔泳社の過去問題集を4周した。
本試験は10年間分を遡り、不正解だった問題は印をつけて何度も解いた。
通関実務の問題集は、同じ問題を3回連続で正解できるまで繰り返し解いた。
そして夏の模擬試験で、とりあえず合格圏内に入ることを目標にした。

またはじめは某通信講座の教科書を使用していたが、みこ会の記事を参照し、6月頭に教科書を切り替えた。教科書は試験勉強の最後まで付き合わなければならないものなので、早めに切り替える決心をしたことと、みこ会で様々な教科書や問題集の情報に触れられたことは大きかったと感じている。

8月にはマウンハーフジャパンと日本関税協会の模試を受けた。
日本関税協会の模試では全科目合格点に達していたが、マウンハーフジャパンの模試では関税法で合格点をとることができなかった。関税法のツメが甘かったことを実感し、大手予備校の総復習のような内容や、予想問題に関するオンライン講義は出来る限り受講した。

直前期は教材を教科書、予備校の総復習講義の教材、問題集・過去問・模試等で間違えた問題をまとめたファイルのみに絞り、3科目を全体的に毎日復習した。

12月:8h input中心
1月:3h input中心
2月:6h input中心
3月:5h input中心
4月:11h input中心
5月:24h input中心
6月:39h output中心
7月:36h output中心
8月:73h output中心
9月:82h inputとoutputは同じくらい
10月:14h inputとoutputは同じくらい

合計すると約300時間を通関士試験の勉強に費やした。
こうして私は平成の負け試合を令和に持ち越してしまったが、無事通関士試験に合格し、リベンジと、派遣先へのささやかな復讐を達成することが出来た。
もちろん、この1年のゴールであった「通関士試験合格」はこれからスタートになるのであり、プロ意識を持って、より身を引き締めてひよっこ通関士としての転職活動を頑張ろうと思う。

今回の試験を経て感じたのは、同じ志をもつ人たちとの繋がりが勉強のモチベーションとなって、私には非常に大きな存在だったということだ。
私が住んでいる田舎では、同じタイミングで通関士試験を受験する学友を見つけることができなかった。
しかし、SNSでは通関士試験を勉強している人が大勢おり、そのコミュニティを形成している。時にはみこさんや試験合格者の方に助言をいただき、時には同じ志をもつ人たちと意見交換ができ、勉強の苦しみや喜びを分かち合えたことが私にとってとても大事なことだった。
SNSをしていなかったら、今回ももしかしたら落ちていた、または勉強を継続することは出来なかったかもしれないとすら思う。

最後に、みこさんには大変お世話になりました。
みこ会との出会いがなければ、私は平成にとり残され、対策不足という同じ過ちを繰り返していたかもしれません。情報化社会の昨今、生きた最新の情報はまさに合格に不可欠な生命線です。みこ会の記事にまとめられている情報は、あらゆる受験者層のニーズを満たしていると思います。特に私と同じような地方在住の方・・・、予備校も大きな本屋もない環境で、独学で、本気で合格を目指す方はぜひ検討してみてください。

この文章を読むすべての皆様の挑戦と努力を応援し、合格を祈っております。

自分に必要な勉強を

倉井 さん(30代男性 会社員 2019年度合格 受験回数3回)

会社から通関士を取れと言われて3年前に始めまして、仕事が忙しかったのと家庭の揉め事があったのとで(祖父の介護が始まりました)勉強時間が捻出できずにいたこともあって、1年目2年目は受かりませんでした。

まあ自分の事情なんて人それぞれでして、皆何かしら事情を抱えているもので、こういうのも言い訳と言えば言い訳になるのですが、勉強時間が取れないのに受かる試験ではないのも事実な訳でして、そこは何とかしないと精神論では進まないでしょう。

それでですね、3年目のときあたりで働き方改革とうるさく言われたので会社の体制が変わりまして、業務の見直し・残業の減りとなり、祖父の介護の方も落ち着いたこともあって、ようやく時間が捻出できるようになりました。

1年目は独学、2年目は学校に通ったのですが、学校に通うのがしんどいし独学で合うと感じたので3年目(今年です)は独学に戻しました。

1年目2年目とも関税法で数点差(うろ覚えですがどっちも2、3点だったかと記憶)で落ちまして、実務はクリアしていました。

3年目は五月からだと記憶してますが勉強を始めて、もうあと何回も引きずるのも嫌だから今年は受かろうと思いまして、会社命令で嫌々始めたことではありますが、手当も出るしここまでやったら自分の力もはっきりさせてやろうかとの思いがありまして、本気出しました。

関税法で過去二回落とした理由は勉強不足しかなかったし、実務に苦手意識もなかったし、勉強方針は変えずに時間だけ増やしました。

九月までは実務3:関税法7の時間を掛けてやり、八月半ばには両科目いけるだろうと感触を感じたので、模試も受けませんでした。

九月からは通関業法2:実務3:関税法5くらいの時間にして、通関業法を追い上げました。

十月の試験当日は焦りもなく、今回はいける!とそう感じて臨んだので、浮かれてつまらない見落としをせぬよう自戒して試験場へ。

想定外のアクシデントもなく、無事合格致しました。

読み返してみると淡々とした体験談になってしまいましたが、自分では心の葛藤も3年あったし、大変でした。受かってよかったの一言です。

3年目の勝因としましては、時間がとれたこと、方針を間違えなかったことが大きいのではないかと。

実務に苦労される人が多い試験だと言われておりまして、事実、自分の会社で受けた人も口を揃えて実務勝負と言っていましたが、自分はそんなに苦手意識がなく、それよりも関税法に苦手意識があり、1年目2年目ともそれで落としていましたし、3年目は関税法に時間をかけて勉強しました。

自分の苦手意識はどこにあるのかと考えて、流されることなく自分に必要な勉強をしないと、1年目2年目の私のようになってしまうので、考えて方針をつくってほしいというのが皆さんに声を大にしてお伝えしたいことです。

長丁場でだれがちな試験です。月並みですが、これから受験される方は頑張ってください。

休職状態から、短期集中で逆転合格

ぱん さん(20代女性 物流会社通関課勤務 2019年度合格 受験回数3回)

今年は3度目の通関士試験でした。1、2度目は全く勉強しておらず、会社に受けさせられたため、今年度の試験が実質初めて勉強した試験でした。

私が通関士試験の勉強を始めたのは3月です。
通信教育で受けた講座はTACの直前対策講座のみ(オンラインで受講)、またみこ会に入会したことのみで、それ以外は独学でした。
通関課で働いており、実務経験は2年ありました。現職で働く中、仕事に直結する唯一の国家資格を現在の為・将来の為にも取っておきたいと思い、通関士の勉強を始めました。
途中で諸事情により仕事を2回ほど休職しながらの勉強、という少し周りの方と違った環境での勉強でしたが、この合格体験記が、同じような経験をされている方、仕事を辞めてから勉強される方などの参考になればとても嬉しく思います。

☆使った教材、講座
・翔泳社(ヒューマンアカデミー) 完全攻略ガイド
・翔泳社(ヒューマンアカデミー) 過去問題集
・翔泳社(ヒューマンアカデミー) 通関実務集中対策問題集
・日本関税協会 計算問題ドリル
・どこでもできる通関士
・TAC「通関実務解法テクニック講座」
・通関士ポータルにある過去問(過去6年分)

3月〜4月
通関士の勉強を始めました。実務経験があるため最初は取っ組みやすかったと思います。
インプット(参考書読みこみ)→アウトプット(問題演習)の形式で進めれば良かったのですが、アウトプットは完全攻略ガイドを全てできるようにしてからやろうと考えており、のんびりしたペースで勉強をしていました。完全攻略ガイドには章ごとにチェックテストがあり分かりやすかったのですが、今となっては1章解いたらそこに対応した問題を解く形式にすれば良かったと感じています。
仕事のある日は2、3時間ほど、休日は5時間ほどしていましたが、勉強しない日もありました。
通関実務にも手をつけて置くべきだと考えており、4月に一通り過去問を解いて感覚を掴みました。
この時期は知識系の問題演習はしていなかったのですが、じっくりインプットしたことがのちのちに生きたのかもしれません。
(本当だっだらこの時期に問題演習をしておくべきです)

5月、6月
中だるみの時期でした。ほぼ勉強できていませんでしたが、完全攻略ガイドの関税法、関税定率法までは一通りインプットを終わらせました。ですが、問題演習はまだしていませんでした。

7月
みこ会に入会しました。みこさんに分からないことがあればLINEで質問しました。
この時期からようやく問題演習をヒューアカの過去問題集を使って始めました。
また、通関業法を完全攻略ガイドで1周しました。
この時期から事情があり仕事を休職することになってしまったのですが、この時期がチャンスだと考え、この頃から必死に勉強に取り組み始めました。
多いときで1日8時間ほど、少ないときで1日3時間は勉強していました。しかし、会社に通わず自分が何も社会に貢献していない…という罪悪感から落ち込んでしまい、勉強に集中できない時もありました。そのような日がある時は、1週間に1度、何もせず休憩する日を作っていました。仕事はしていなくても、働くようなタイムスケジュールで、朝早く起きて、8時間図書館で勉強し、夜決まった時間に寝る、というような規則正しい生活を送るように心がけました。
そして、この時期からTwitterに勉強記録を書き始めました。Twitterに目標とその日の振り返りを書いて同じ勉強仲間に投稿を見てもらい、いいねを貰ったり、アドバイスをもらうことで自分を鼓舞していました。

8月
やっと問題集2周目に突入しました。みるみるうちに点数が伸び始めました。勉強に打ち込み伸びを実感することで、この頃からやっと通関士の勉強が面白いと感じるようになりました。最終的に8月中に問題集は4周目までやりました。
また、みこさんに教えて頂いた「改善ノート」を作り、繰り返し間違えた部分や改善すべき点、1日ごとの目標などを書き込んでいくようにしました。このノートを作ったことで、勉強がどの点に達しているか可視化できるようになり、とても良かったと思います。
また、4月から放置していた実務の問題も再び解き直しました。初見で解ける問題は1つもありませんでしたが、2回、3回と解いていくうちにポイントが分かり、解けるようになっていきました。
この時期に、苦手だった通関実務を確実に解けるようにするには独学では限界だと感じ、TACの講座をオンラインで受講しました。独学では分かりにくかった実務のコツが分かり、受けてよかったと思います。
そして、通関士ポータルというサイトにある過去問を利用し、本試験を時間を測って通しで解き始めました。

9月〜10月
8月に受けた模試で通関実務がボロボロだったため、9月は他教科の復習もやりつつ実務に注力しました。
この時期からヒューアカの通関実務集中対策問題集を解き始めました。難しかったですが、この問題集を3周ほどすることで通関実務に強くなったと感じています。
また、苦手であった通関実務の計算問題を克服するために、日本関税協会の計算問題ドリルを2.3周ほど解きました。
直前期は1日1つの過去問を解き(2周目)、試験のデモンストレーションをしました。

10月 本番
当日は思ったほど緊張していませんでした。実力を発揮できるよう、髪はしっかり後ろで結び、家でかけるメガネをかけてラフな格好で試験会場へ向かいました。途中関税法の問題で誰も知らないような問題が出てしまい混乱することもありましたが、デモンストレーションをしていたせいか、落ち着いて試験を受けることができました。

以上になります。
合格が決まった時は、頑張りが報われたという気持ちになり、とても嬉しい気持ちになりしました。また、11月から仕事に復帰したのですが、合格発表の日は上司や同僚も会社で「おめでとう」と言ってくれました。
会社への復帰&合格することができたことで、2重の喜びになりました。

私は短期集中型だったなと感じており、決して人に勧められる勉強方法ではありませんが、直前期だったとしても努力することの大切さをこの体験記で伝えられたら良いなと思います。ほぼ独学でも充分に合格できる試験です。
最初にも述べましたが、この合格体験記が様々な方の参考になったら、それほど嬉しいことはありません。
応援しています。頑張ってくたさい。

七回の受験でついに手にした合格証書

負けないパパ さん(30代男性 会社員 2018年度合格 受験回数7回)

毎年秋になると試験を受け、冬の始まりになると「今年もダメだったかぁ」、落胆する。辛い。惨めだ。

しかし2018年12月7日合格発表当日、ついに私は合格証書を手にし、ようやく長い受験生活から解放されたのです。

試験後の自己採点では通関実務が24点だったため、得点割合は53.333…%。合格とされる60%には遠く及ばず絶望していました。その後の予備校解説では、今年は難関であり55%まで引き下げられるかもしれないとのことでした。それでも53.333…%以下はないだろなと諦めムードでした。

会社の先輩や同僚にはもうとっくの昔に先を越され、後輩に混じっての受験。最近は『まだ取ってなかったの』と自分が受験していることすら忘れ去られる始末でした。

それがなんと今年は50%に(^^)諦めムードが一転して祝福ムードへ

やっと終わりました。喜びというよりかは安堵の気持ちです。もう受けなくていいんだ、もう惨めな冬を迎えなくていいんだ。

7回も受験した人が私の他にいるか否かは知りませんけれども、何度も悔しい結果になった方は、私のような例もあるので諦めないでください。

◇一回目~三回目◆

会社で通関士養成講座に通わされており、補助が出たので(合格すれば全額、不合格でも半額)、毎年通っておりました。正直な話ここが私にとっての大きな分かれ道であり間違いでした。先生のせいにするのは情けないと思われるかもしれませんが、話もテキストも分かりにくく、質問しても的はずれなことを答えてくることが多々ありました。この講座で合格した同僚も何人かいるので私の不勉強のせいもあるのでしょうが、その人達も私と同じことを口走っていたのであながち私の意見ははずれてないと思います。補助がでなくても他のスクールに通って合格した同僚・先輩もたくさんいたので、私もケチらずにそうすればよかったと思います。

この三年間は受験しても合格点に全然遠いところにあり、無駄以外の何者でもないです。そのことに気づかなかった私もバカでした。ここで私のやる気は完全に削がれていました。

◇四回目◆

通勤途中の駅から少し歩いたところに位置する大学に、毎週土曜日、通関士講座が開催されることを知りました。LECが協力して開催する講座で、先生が派遣されてくるものです。会社の養成講座でスクールへの不信感はありましたが、LECなら大手だし信頼できるかと申し込みました。これはすごく私に合っていて、話もテキストも分かりやすかったです。最初からこっちにしてればよかったじゃん、と会社の養成講座の先生への怒りと、自分に合った講座に出逢えたことで新しい先生への感謝が芽生えました。そこからは順調に勉強できており、夏に受けた模試も合格圏内までいったのですが、八月の終わり頃、同じ部署の人間が突如二人も退職したので、そこから仕事がてんやわんやになり、勉強時間がとれなくなりました。

そして本番、たぶんあと二点だけ取れていれば合格できたのに、結果は不合格。この年の落ち込みようは半端ではありませんでした。もう会社もやめてやろうかと朝から晩までずっと考えていました。唯一の救いは、会社が大幅に冬のボーナスアップをしてくれたことでした。ボーナスアップがなかったら年明けにはやめていたとおもいます。それくらい全てに絶望していました。

◇五回目~六回目◆

四回目の受験で絶望した私は完全に打ちひしがれていて、五回目と六回目は惰性で受けていたように思えます。勉強開始した時期も夏が始まるあたりでしたので、時間がなく点数も伸びず不合格でした。

どうせだめだからとスクールも行かず、勉強しないといけないはずの時間のほとんどを映画やネットに使っていました。休日も家族と楽しく過ごすことだけを考えていました。何を勉強したかわからないくらい勉強していませんでした。

◇七回目◆

六回目の不合格を経験した年、私と同じように毎年受けていた、私の一つ下の後輩が合格してしまいました。とうとう最後の戦友も卒業していったということで、祝福の気持ちもあったはあったのですが、やはり自分だけ取り残されたという寂しさや惨めさが勝るというところが本心でした。長く苦労してきた彼のために、部署全体で祝賀会が開催されたのですが、私は家族の予定があるからと言って参加しませんでした。家族の予定があったのは事実だったのですが、祝賀会にわざと被せて作った予定です。おそらく部署のメンバーも気づいていたかもしれませんね。そっとしておいてもらえました。

その後悶々としたまま年明けを迎え、小学校に入ったばかりの息子と二人で初詣に出かけました。そこで絵馬を二人で購入しまして、息子は覚えたての平仮名で健気に『じてんしゃにのりたい』と書いておりました。息子はなかなか自転車に乗ることが出来ず、友達が乗れるようになる中、息子だけが補助輪ありで乗ってました。その息子の姿が、一人ぽつねんと取り残された私の姿と重なって、同じような状況にいる息子が負けずに挑戦しようとしているんだから、私も負けられないと再び情熱の炎が燃え上がったのです!私は絵馬に「通関士試験合格」と書き込み、息子の絵馬と一緒に神社にかけたのです。

合格するためには独学も頭によぎりましたが、四回目の試験で利用した大学の講座が自分にぴったり合っていたし、現実としてその年は惜しいところまでいったので、同じ講座を再び取ることにしました。2018年の夏はとてつもない猛暑で、夏も長く、仕事とスクールの両立は大変でした。それでも毎日、負けないぞとテキストを開き奮闘して参りました。夏に受けた関税協会の模試では申告書で大きく外してしまいましたが、それ以外は高得点を出せました。

そして本番。今年は申告書と計算問題の他は鬼のように難しくて、会場で頭が真っ白になってしまい、普段考えられない凡ミスをしてしまいました。自己採点だと通関実務が24点しかなかったので、発表当日までほとんど諦めていたのですが、なんと合格したのです。合格発表日は飲み会の予定があったのですが、発表当日に届けられる合格証書を早く自分の目で確かめたくて、事情を伝えてキャンセルさせてもらいました。仕事を終えて家に帰ると、妻と息子が『おめでとう!!』と出迎えてくれて私の合格証書を差し出してくれました。「ありがとう!!」と受け取った私は、もっと感動で震えるかとの予想に反し、全ての力が全身から抜けていくのを感じとりました。もはや感動できることを通り越すくらい苦労してきたからだと思います。合格証書を確認して真っ先に脳裏に浮かんだのは「風呂にゆっくり浸かりたい」でした。その日の風呂は人生で一番リラックスした瞬間でした。

こうして私の長い受験生活はハッピーエンドで(?)終えることができました。

◇最後に受験をお考えの皆さんへ◆

七回もかかった私が言うのも変な話ですが、通関士試験って鬼のように難しい試験じゃないと思うんですよね。鬼のように難しい問題も混じってますけれども、合格した年の私のように、そういう問題は出来なくても合格できるんです。他の人も出来ないから、今年2018年のように合格点が下げられるからです。今年だけじゃなくて、過去にも合格点が下げられてることはよくありました。

だけれども私のような凡人が合格するには、集中して勉強することは絶対条件かと思われます。振り返ってみると、しっかり集中して勉強できた四回目は合格寸前までいってるし、七回目は合格できました。昼休みや朝の通勤時間を使って品目を覚えたり、夜は会社帰りに自習室に寄って自分に課したノルマが終わるまで帰宅しないというような勉強漬けの生活で辛かったですが、努力は裏切らないです。

それからいい大人がこんなこと他人のせいにするのはどうかとも思いますが、変な講座なら受けない方がマシです。一回目~三回目はそれが大きな間違いでした。おかしいと感じたらすぐ方向転換した方がいいと思われます。

最後に、長年不合格の辛さは私も身に染みて分かっていますが、受かれば全部嘘のように気分が晴れてきます。空がほんとに青く見えます。だらけて何年も受けるよりは、短期集中した方が可能性はあると思います。

私を反面教師として、皆さんは短期で合格されることを願っています。

「表面的理解」から「真の理解」を意識することで一発合格

もねささみ さん(20代女性 大学生 2018年度合格 受験回数1回)

第52回通関士試験に幸運にも私は一度で合格することができました。私の受験記を読んで来年以降の受験生の方の助けになれば幸いです。

~4月~

私は大学二回生で英語を専攻しています。就職は海運業界を希望しております。大学一回生の夏休みに開かれた学内就職説明会に出席しましたら、海運会社に就職された先輩から、TOEICのスコアの他にも通関士を保有していると内定に有利になることもあると教えていただきました。

そこで、通関士について調べましたところ、英語の能力とは別の能力が試される試験であって、合格率の低い難関国家資格だという情報が出てきました。なるべく早く取ってしまいたいと思いましたが、一回生後期は授業やサークルが忙しく通関士の勉強はできませんでした。

二回生の四月になり、本腰を入れて取り掛かろうと、情報収集を開始しました。実家は裕福ではなく、奨学金とアルバイトで私は学費と生活費を賄っているため、なるべくお金をかけない方法を希望していたのです。

そんな折、独学で短期の一発合格を果たしたというみこさんのブログに出会いました。すぐに連絡をとらせていただいたら、大学生なら社会人より時間があるだろうから、この時期からでも無謀ではないとの返信をいただきまして、通学や通信教育は使わず、みこさんの講座を受けて自習することになりました。

参考書の選択は、通関士試験合格ハンドブックに決め、過去問集はTAC出版のスピードマスターを選びました。

まだ二回生で授業を多めに履修していたのですが、空いたコマと最後の授業の後を使い、アルバイトの無い日は大学図書館で、閉館時間まで通関士試験の勉強をしました。土日や祝日は、午前中を図書館で通関士試験の勉強に使い、午後はサークルに参加することが多かったと記憶しています。

~5月~

4月に参考書と過去問集を3周ほどできたこともあり、ゴールデンウィークあたりになると、順調に感じる程度には分かることが増えてきました。

~6月~

5月には150時間近く勉強したのですが、過去問を解いても4月からスコアが伸びず、何度も同じところを間違えてしまうことに気が付きました。このときみこさんに相談したところ、表面的な字面だけを理解してその根底にある原理を理解していないという指摘をされてしまい、原理から理解する方法を教わり軌道修正することにしました。6月終わりにはスコアが伸びるようになり、殻を破れた感触が自分でもありました。そして、申告書の演習を更に積むためにゼロからの申告書を購入しました。

~7月~

7月に入った頃に計算すると通関士試験の勉強に費やした時間は約450時間です。毎日アプリで記録していたので、記録された勉強時間が増えていくのがやりがいの一つでもありました。時間で決まるものではないかと思いますが、これだけ勉強したというのが視覚化されることで、後戻りできなくなり自信もついてきます。時間の記録は精神安定剤にもなるので、不安解消のために皆さんにもやってみてもらいたいです。このことをみこさんに話しましたら、みこさんは記録する手間が勿体ないし見返すのも面倒だからそういうことは計算しないとおっしゃっていて、みこさんらしいなと笑ってしまいました。

8月に模試を受けることが決まり、模試を本試験の予行とするため、模試の日に全科目が合格基準点に乗るように計画を練り直し、準備しました。いくつの模試を受けるか悩みましたが、お金がかかるのを避けたかったのと、8月の集中力を一つの模試につぎ込みたかったので、日本関税協会の模試ひとつだけを受けることに決めました。

7月は大学の期末試験が重なっていたので、通関士試験の勉強時間を減らして調整しました。その分8月に多めに勉強しています。

~8月~

模試を受けるための勉強と模試で一ヶ月終わってしまいましたが、全科目を並行して勉強することはいい経験になりました。模試を受けて大切なこと、気づかなかったことを色々見つけられたので、受けられるなら受けるべきかなと思います。

~9月~

模試の結果が満足いくものでしたが、本試験にはまだ時間が少しあるので、油断のないように気を引き締めました。通関業法と関税法などはもう安全圏かなと感じたので、勉強時間の2/3は通関実務対策に充てることにしました。申告書と計算式は過去問、問題集ともに何度も回し、自分の弱点を分析できたと思います。

それと、10月の本試験に向けての計画をもう一度練り直しました。模試を受けるために立てた計画を見返して、こうすればよかったのでないかと反省した箇所を改良して、本試験に向けての計画としました。

~10月~

10月に入ると約800時間勉強していました。自分でも受かりそうとの感覚はありましたが、油断せずに机に向かいました。風邪を引いたりするのが怖いので、10月に入ってからは大学図書館は利用せず、なるべく自宅学習をしていました。

本試験の手応えは微妙でしたが、自己採点では全ての科目で60パーセントを超えていたので、勉強の成果が出たということではないかと思われます。

~12月~

合格発表で自分の名前を官報に見つけて一安心。頑張って本当によかったです。

~合格の理由~

6月に早めに軌道修正できたのが効率よくその後の勉強をするためのターニングポイントになったと思います。通関士試験の問題は、原理を理解してないと正解できないようになっているものが多いので、そこを理解せず時間だけかけても堂々巡りになっていました。

独学でも合格できる試験ですが、人の目が無いため、強い気持ちを持ち続けることが大切です。アプリでの時間記録はモチベーション維持に役立ちました。

継続力の源は楽しむこと

櫓 さん(50代男性 不動産業経営 2018年合格 受験回数2回)

【受験のキッカケ】

千葉の片田舎で、不動産業を経営している者です。キッカケは、胃がんと三年間闘病しこの世を去った、長年連れ合った糟糠の妻との別れになります。妻の助けのもと、長らくこの業界で働き、開業もし、細々とですが食うに困らぬ程度の売り上げ、この先独り身の男が暮らしていける程度の貯蓄も幸い作れました。なれば、妻を見送り、一人娘も無事結婚し、孫も見ることが出来た今、自分は残りの人生どう生きるかと自己問答したところ、若かりし頃に進めなかった道の方へ進んでいたとするならば、いかなる人生だったのかと好奇心が湧き出てきました。

三十数年前、東京の大学を卒業間近に控えた私は、東京でとある貿易会社に就職するか、実家のある千葉に戻り両親のそばで暮らすかを迫られる状況にありました。当時、母親が大きく体調を崩しており、父親が家業の農作業の傍ら母の介護をしていましたので、これは私が戻り手伝わねば両親の生活が成り立たないということから、実家に戻る選択をした次第であります。

かくして、私の貿易業界への道は絶たれるのですが、50を越えて60に差し掛かろうかという今、そちらの道に改めて踏み出すまでの気持ちがあるかと問われればそこまででもなく。ならばせめて、現実的な代替案として、貿易業界の資格を取得し、気分だけでもそちらへ行くのはどうだろうかと思慮し、通関士資格取得を目指したところであります。

【一度目の受験、失敗そして反省。】

予備校と各種通信教育の資料を取り寄せ、どこかに申し込もうと吟味した記憶があります。しかし、居住地が田舎にあるため、予備校への通学はチョット遠いと断念。とある通信教育に申し込むことになりました。

通信とはいえ授業を受けるのは三十余年ぶりであったため、青春時代に戻ったような感覚がよみがえり、何とも言えない感慨に耽ってしまいました。それで授業を受けている自分に酔ってしまったところがあり、今振り返れば内容をよく理解しないまま次の授業へ、次の授業へ気持ちばかりが先走り、雰囲気を楽しめたのはいいが、内容の習得の方はしていなかったといえます。

一度目はそんな状態で受験したものですから、当然、どの科目も合格に程遠い点数でした。受ける1ヶ月前になって、今年は受からないだろうと踏んでいたくらいですから当然です。来年は地に足つけていこうと反省です。それでも、不思議と悔しさとか悲しさとかいった感情はありませんでした。青春時代をもう一年、楽しめるじゃあないかと安心感が勝っていました。

【二度目の受験、自信の合格。】

二度目に向けては年明けから勉強を再開。もう一度、講義のDVDを一から視聴し直しです。年齢的なこともあり若い頃に比べれば忘れっぽくなる己の頭をフル回転させ、一度だけではなく二度ずつ視聴しました。同時に演習をこなしました。ここでチョット工夫したのは、一度に多くの範囲を勉強せずに小分けにして進めたことです。もう若い頃の記憶力がないのは明らかだったので、小分けにして、授業でやった部分が完璧に覚えられるまで繰り返し復習し、覚えられなければ次の授業へは進まないという工夫をしました。結果的にこれが効いたのか、急がば回れで、大変良く覚えられました。一時間目二時間目の通関業法と関税法等はこれでよく覚えられました。

実務科目は、輸入申告書輸出申告書で苦労すると聞いていましたが、私は好きでした。普段仕事で契約書や約款を読むので、その感覚の応用で品目表を読むのが得意だったのでしょうか。アドバイスをするなれば、品目表のような法律文は数こなさないと正確に読めないので、不慣れならば問題に多く当たるしかないのではないでしょうか。

二度目の受験日は自信を持って挑むことができました。自己採点はしませんでした。二度目の受験を終えた日に、私にとっては合格の結果よりも、若かりし頃の気持ちを再び体験することが財産であったことに気づかされ、それを得たことで満足したからです。結果的には合格できましたが、楽しみながら勉強できたおまけのようなものです。

私はすでにもう隠居しようという身ですので、合格に必死になるより楽しみながら勉強しましたが、他の方はそうは言ってられないでしょう。しかしながら、勉強を楽しむ発想転換もときには結果に必要なのかもしれないです。楽しむことで継続して勉強できるという私のような例もあるからです。勉強に行き詰まったのであれば発想転換もいいですよ。

50代オヤジの通関士受験記録

天日元博 1962年生まれ 仕事は貿易商社(実質自営)のシッピング部門で輸出入を一人で一手に担当して20数年、いまだ現役。

仕事では直接資格を使っていません 49回(2015年)合格

ある事情から通関士試験を受験しようと決意しましたが2014年第48回試験への挑戦は突破できませんでした。リベンジすべく2014年12月より次回2015年10月の第49回通関士試験のための取り組みをはじめました。

試験は10月の第一日曜日です。経験上、試験勉強の時間としては10か月~12か月は必要です。

はじめて試験に挑戦を考える方はここで使う教材を決めましょう。通信教育か資格学校へ通うかですが、独学は学生以外はお勧めしません。やはり取り組み方というのはあります。試験教材はその進め方/スケジュールを示してくれます。ちなみに私は通信教育のフォーサイトでした。学校に通うよりははるかに費用は安いです。

12月は通関業法と関税法を中心にぱらぱらと見ていた程度です。それでいいと思います。最初からとばしていくともちません。ここでは「通関士試験ってこういう試験なんだ」というのがわかればいいと思います。そのひとつ、実感してほしいのは「通関士試験というのは法律の試験だ」ということ。今まで使ったこともない日本語がわんさとでてくる試験です。

1月頃から教材に従って本格的に取り組みを始めました。ここで気を付けたいのは「毎日取り組む」です。とにかく毎日、少しでもいいから取り組む。例えば「朝、少し早くおきてテキストを開く」、「電車ではスマホをいじらずテキストをみる」、「飲む前に少しテキストを開く」などなど。

そしてお休み日はなるべく図書館などに引きこもる。教材や過去問にじっくり取り組む時間は毎日は取れませんので日々の隙間時間の活用をお勧めします。

1月~3月にできれば関税協会発行の月刊誌「貿易と関税」を見ることをお勧めします。前回試験の解答解説がでます。それと法改正の情報が載ります。法改正されたところは高い確率で出題されます。何書いてあるのか解りませんが「なんか変わる」だけでも見てください。詳細は教材会社/資格学校に聞きましょう(独学ではこれができない)。大きめの図書館にいけばあります。面白くもなんともないので買うことはありません。

4月から5月にかけて徐々に通関実務に取り組み始めました。はっきりいって手ごわいです。これが通関士試験のキモです。特に過去問に丁寧に取り組み始めました。まずは解答時間はあまり気にせずにむかいました。徐々に時間を気にしていけばいいと思います。

で、この頃、取り組みをはじめて半年足らずくらいになって「中だるみ」がやってきました。多分誰もがこの「中だるみ」に陥ります。しかしそれがやってくることも計算に入れとけば「やっぱり中だるみ来た!」と思ってリフレッシュに努めることができます。

6月頃になると通関実務の勉強のための必須問題集「ゼロからの申告」(通称「ゼロ申」)というのが関税協会から発売されます。3000円ほどしますがこれは必須の問題集です。最初手にしたときはめまいがしました。「これやるの?」。でもめげるわけにはいきません。土日のまとまった時間が取れる時に集中して取り組みました。

7月に試験要領が発表され受験の申し込みが始まります。けっこうあせりました。ここまでくるとあせりと「あせるな!」と自分に言い聞かせる日々です。

8月には関税協会主催の模擬テストがあります。これは受験しましょう。実は私2015年は手違いで受験できませんでした。SNSで知り合った(お会いしたことはない)方が親切にこの回の模擬試験を貸してくれましてなんとか勉強できました。

この時期は根を詰めてテキストや過去問に取り組みました。特に実務はゼロ申と過去問を何度となく繰り返しました。それは、例えばインスタントコーヒーを飲んでいる時に「これは何類だったっけ?」と考えるようになったほどですが、それくらいにならないと突破はしんどいと思います。

8月9月は資格学校でも模擬試験が開催されますのでできるだけ受験したほうがいいと思います。私はTACとLECを受験しました。それとこの頃に私は自分なりの「要点整理ノート」を作成しました。要点はテキスト教材にありますが自分にわかりやすいわけでもありませんでしたし。それと「書いていくうちにわかってくる」ということもありました。

10月の本番。体調には万全を期したいものです。それと私は3科目の試験を始める前に問題用紙の端に「読め!」と書きました。問題をよく読まずにとりかかる悪い癖をなかなか克服できませんでしたので。意外に時間はあります。落ち着いて「読みましょう!」。そして試験は最後まで全力を尽くしましょう。せっかく長い間一所懸命勉強してきたのですから。

私は試験終了時「アカン!」と思いました。諦めず全力を尽くしましたが実務がとても難しく(実際合格判定点が当初より下がりました)、前回より手応えは悪かったです。

しかし、3回目受験か?と悩んでいた11月27日、大阪税関から合格通知が(郵便で)来ました。はっきり言います、とにかく感激、最高の気分でした!50歳過ぎての試験合格でしたし、「俺はまだまだやれるぞ!」と強く思いました。

僭越ですが最後に一つお聞きいただきたいことがあります。通関士試験は理屈の上では受験者全員合格がある試験です。受験者はライバルではなく”同志”です。資格学校でも、通信教育でも、緩くても、SNSだけでもいいから「仲間」を作ることをお勧めします。私はツィッターである通関士さんからたくさん応援と叱咤激励をいただき大変ありがたかったです。

受かるのはどんな人?合格体験記。

合格体験記

合格までの道のりについて、体験記を頂きました。

★マークのついた方は、みこ会からの合格者です。(合格年度順)

※みこ会の方が過去問を使用されていると書かれているものがありますが、税関サイトから誰でも閲覧できる公開リンクのことです。特にこの部分を当会が独占して配布しているわけではありません。

★NOAH さん(2024年度合格 受験回数3回)
還暦目前の挑戦 〜通関士試験合格までの道のりと新たなセカンドキャリアへの決意〜

★みかん さん(40代 女性 派遣社員 2024年度合格 受験回数1回)
長期戦で挑んだ通関士試験

★ライラック さん(41歳 男性 異業種 2024年度合格 受験回数2回)
知識ゼロからのスタート

★りつママ さん(子供が小学生になるので仕事復帰を考えた主婦 2024年度合格 受験回数2回)
みこ会と合格するまで

★こりらっくま さん(30代女性 通関業者勤務 2024年度合格 受験回数1回)
模試E判定からの逆転

★うさこ さん(30代後半 転勤族の派遣社員 2024年度合格 受験回数1回)
アラフォー異業種からの初挑戦!TACとみこ会で徹底対策

★M さん(28 歳 女性 商社 貿易事務 2024年度合格 受験回数1回)
5カ月間みこ会頼みのシンプルプランで挑みました

★なっつ さん(20代 商社一般職(貿易事務経歴3年) 2024年度合格 受験回数1回)
自作の語呂合わせで一発合格

★さはら さん(2024年度合格 受験回数2回)
第58回通関士試験合格体験記

★ジャンクポート さん(47歳 高卒 2024年度合格 受験回数6回)
通関士沼での6年間

★ほんだのバイク さん(新卒2年目23歳の社会人 2024年度合格 受験回数1回)
実務未経験10ヶ月間の奮闘記

★さつまいも さん(商社勤務 2024年度合格 受験回数1回)
人造コランダムから始まった挑戦

★Namiho さん(商社・小売業者勤務 2024年度合格 受験回数1回)
シンプル×ブレない=合格

★クルンテープ さん(20代 男性 物流センター勤務 2024年度合格 受験回数2回)
夢を追いかけて

★ぽすけ さん(40代 女性 貿易事務 2024年度合格 受験回数3回)
細く長く勉強を続けてやっと掴んだ合格

★もち さん(38歳、男、一人娘。海貨業者の船舶代理店勤務 2024年度合格 受験回数7回)
こんな奴もいます、落ちた方にこそ見て欲しい。

★りり さん(物流業界 通関業務未経験 2024年度合格 受験回数3回)
自分なりの方法で合格する!

★えりち さん(30代  ほぼワンオペ2児のワーママ 2024年度合格 受験回数1回)
2児のワーママ奮闘記

★パナパッチャラ・ズンダモーチ さん(30代男性 税理士法人勤務 2024年度合格 受験回数1回)
短期集中型

Eliterunner-momo さん(30代 メーカー勤務 SCM・ロジスティクス担当 2023年度合格 受験回数2回)
マラソンSub3との二刀流で合格を目指す

★犬 さん(26歳 男性 物流センター勤務 2023年度合格 受験回数1回)
異業種未経験から貿易業界を目指して

★にっしんぼー さん(通関従業者2年目 2023年度合格 受験回数1回)
必ず一発で合格する!!!

★濱 さん(2023年度合格 受験回数1回)
模試E判定、勉強習慣なしでも完走できました!

★aim さん(20代 異業種から貿易業界へ転職 2023年度合格 受験回数2回)
ダブルワークしながら無事合格

★サトシ さん(2023年度合格 受験回数3回)
3年間の受験

★なぎぃ さん(30代女性 貿易事務 2023年度合格 受験回数1回)
みこ会+LEC難関科目攻略パックでマイペース合格!

★一陽来復 さん(5年生存率5%以下のステージ4癌患者(それまで外資系企業でSCMを担当) 2023年度合格 受験回数1回)
人生は予測不可能

★めぇ さん(新卒2年目 物流 2023年度合格 受験回数1回)
みこ会×通学講座で一発合格

★ちべすな さん(30代 港湾荷役業者 2023年度合格 受験回数1回)
コツコツ積み上げる力で一発合格!

★こまち さん(通関業務従業者 2023年度合格 受験回数1回)
通関士を目指して

★らいぞう さん(40代後半 女性 物流会社勤務(通関業務経験なし) 2023年度合格 受験回数1回)
一発合格、絶対異動!

★Gisela さん(20代 フォワーダー勤務1年目 2023年度合格 受験回数1回)
みこ会×LEC×推しへの愛=合格

★もん さん(24歳 男性 役所臨時職員 2023年度合格 受験回数2回)
やらない後悔よりやった後悔

★ようかん さん(40代女性 異業種/建設業(工具の輸入販売部門) 2023年度合格 受験回数3回)
異業種でも評価され、資格手当支給決定!

★あした さん(27歳 女性 職歴:美術館スタッフ(3年)→テレアポ営業(3ヶ月)→乙仲CS(現在1年2ヶ月経過) 趣味:美容、語学(ドイツ語と英語)、読書 2023年度合格 受験回数1回)
大恋愛→大失恋💔からの一発合格奮闘記

★オレンジスター さん(通関業者に勤める育休中の一児の母 2023年度合格 受験回数1回)
家族で手に入れた合格!

★たあああい さん(30代 女性 メーカー勤務 海外向け出荷業務担当 2023年度合格 受験回数2回)
この先ほかになにも手に入らなくてもいいから、絶対に合格したい☆執念で臨んだ通関士試験!

★Aisun さん(フォワーダー 2023年度合格 受験回数2回)
リベンジ合格!10ヶ月間心強かったです

★たくや さん(25歳 物流業者で倉庫店勤務 2023年度合格 受験回数1回)
願うは叶う!念願の一発合格!

★金原 さん(2023年度合格 受験回数3回)
諦めなければ夢は叶う

★りきまる さん(35歳 一児の母 通信販売会社の物流部門勤務 2023年度合格 受験回数2回)
上流から物流を変える

★るたお さん(29歳 会社員 2023年度合格 受験回数3回)
コロナ禍の挑戦

★雫月 さん(30代男性 航空FWD輸入事務→異業種→航空FWD国内集配部門 2023年度合格 受験回数2回 ※1回目は第47回試験)
いつやるか?今でしょ!

★Haru さん(20代後半女性 来日4年目、雑貨メーカーにて貿易事務の仕事をしています。 2023年度合格 受験回数1回)
隙間時間を積み重ねれば、合格の道に繋がる。

★みなみ さん(30代 派遣社員 2023年度合格 受験回数2回)
小さな子どもがいても大丈夫!働くママでも合格できました!

★つぶあん さん(40代 メーカーの海外営業部門でロジ担当 2023年度合格 受験回数3回(第37回、47回、57回))
足掛け20年、やっと憧れの合格に手が届いた

★ガパオ さん(女性 20代後半 製造業にて貿易実務・購買・生産管理等の業務を行う(通関業務未経験) 2023年度合格 受験回数1回)
絶対に一発合格すると覚悟を決めて挑んだ10ヶ月間

★いっちー さん(40代 女性 通関業務経験なし 2023年度合格 受験回数1回)
シングルマザーの意地!4カ月で一発合格!

★Amy さん(40代 派遣社員 業界未経験(営業事務10年以上) 2023年度合格 受験回数1回)
模試2点からの合格!

★DD さん(40代 男性 総合物流企業勤務:倉庫/3PL営業職 2023年度合格 受験回数1回)
学習の「質」の面は100%みこ会に任せ自分は「量」の面に専念して一発合格!

★のどか さん(50代 女性 メーカー勤務 2023年度合格 受験回数2回)
最大の敵は自分の怠け心 ~受験勉強の記録~

★kj さん(30代女性 輸入事務 2023年度合格 受験回数1回)
自分のペースで、頑張って良かった。

★あーちゃん さん(30代後半、子供2人(小学校2年生、年少) 2023年度合格 受験回数5回)
遠回りして掴み取った通関士合格

★桜抹茶 さん(27歳女性 職歴:空港勤務→専門商社で営業アシスタント(2年)→現職異業界内勤営業 2023年度合格 受験回数2回)
自分に合う勉強方法を見つけて合格❀

★KIKO さん(主婦 2歳児子育て中 2023年度合格 受験回数1回)
貿易業界未経験主婦の知識0から合格までの7ヶ月

★かぁか さん(30代 女性 商社勤務 貿易事務担当 2023年度合格 受験回数1回)
今までで一番頑張った!自分で自分をほめたい!

★satin さん(30代 女性 2023年度合格 受験回数1回)
合格に照準をあてて向けて突き進んだ1年

★ゆーいち さん(税関職員 2022年度合格 受験回数3回 2科目受験)
諦めないこと…1番大事!

★Wintos さん(20代 男性 物流・倉庫系営業職 2022年度合格 受験回数2回)
日々の激務と直前期のコロナ罹患を乗り越えて

★みーみー さん(留学生 2022年度合格 受験回数1回)
外国人だけど一発合格

★Megumi さん(30代 女性 国際物流会社でのお客様窓口対応 2022年度合格 受験回数5回)
五度目の正直、ゴールテープは必ず切れる!

★りんご さん(女性 業界未経験 2022年度合格 受験回数3回)
悔しさをバネに勝ち取った合格。

★模索中 さん(女性 主婦 2022年度合格 受験回数1回)
無資格から脱出したい子育て中の専業主婦

★たまじ さん(30代 男性 鉄鋼メーカー系物流会社勤務(通関業務経験なし) 2022年度合格 受験回数3回)
3度目の正直で合格

★一般男性K さん(23歳 他業界新卒1年目 2022年度合格 受験回数2回)
現状に満足できないなら、自ら行動すべし!

★ぞの さん(30代前半 女性 2022年度合格 受験回数2回)
第56回通関士試験合格に寄せて

★ひなっち さん(小売店で輸入品の担当者。受験当時は0歳児を育児中のため育休取得中。 2022年度合格 受験回数1回)
0歳児を抱えての挑戦

★とうもろこし さん(物流会社勤務(通関業務従事者) 2022年度合格 受験回数3回)
3回目のチャレンジ!

★モカ美 さん(35歳 貿易事務 2022年度合格 受験回数1回)
ワーママの市場価値向上のため

★こと さん(30代 メーカー勤務 育休復帰1年目(フルタイム勤務) 2022年度合格 受験回数1回)
10年以上憧れつづけた資格への挑戦

★Kay さん(40代 小売業勤務 2022年度合格 受験回数1回)
みこ会で短期攻略

★Rena さん(女性 元貿易事務、現在はメーカー勤務。2022年度合格 受験回数3回(記念受験1回込み))
仕事が忙しくても合格は出来ます!

★おまるドン さん(30代後半 女性 観光業 業界未経験 2022年度合格 受験回数1回)
来年はもうテキストを読みたくないまで勉強しました!

★のだち さん(20代後半 女性 航空貨物取扱業者勤務 育休中 2022年度合格 受験回数2回)
いつもの勉強にみこ会をプラスして合格

★naoto さん(20代 営業倉庫勤務 2022年度合格 受験回数3回)
諦めたらそこで試合終了

★しろな さん(23歳 女性 メーカー勤務 2022年度合格 受験回数1回)
ゼロスタートからみこ会×LECで1発合格

★はこぶかめ さん(2022年度合格 受験回数2回)
マイペースな勉強で

★ぴー さん(2022年度合格 受験回数2回)
業界未経験からの通関士資格取得

★みりん さん(30代 女性 物流会社で貿易事務*輸出のみ 2022年度合格 受験回数1回)
転職への第1歩を目指して~ポンコツの逆転劇~

★えふまる さん(社会人4年目 物流企業に勤務するも通関、貿易事務とは全く関係のない部署のため知識ゼロからのスタート 2022年度合格 受験回数1回)
ゼロからのチャレンジ

★Jun さん(男性 通関業者 2022年度合格 受験回数2回)
普通のサラリーマンでもやれば出来る

yosuke さん(30歳 男性 妻、子供あり 食品問屋で勤務 平均残業時間30-40時間 2022年度合格 受験回数1回(5月から開始))
試験を知り、自分を知る 学習の習慣化

★M さん(24歳 女性 一般事務 2022年度合格 受験回数1回)
ギリギリ合格も満点も、どちらも合格に変わりはない

★Sarah さん(30代 フォワーダー勤務 2022年度合格 受験回数2回)
最後の1分まで諦めない。

★YKHMHK さん(20代 物流会社勤務 2022年度合格 受験回数1回)
日々の積み重ねで独学一発合格

★まぁ さん(20代 女性 海貨業者事務職 2022年度合格 受験回数1回)
模試E判定のち、土壇場からの大逆転

★みみこ さん(30歳 女性 物流会社勤務 2022年度合格 受験回数2回)
小さい声で言いますね、絶対合格、絶対退職!!!!!!

★横浜のチーズケーキ さん(公務員 2022年度合格 受験回数2回)
残り1か月でも自分の課題を克服する。

★ゲロ娘 さん(22歳 大学4年生 2022年度合格 受験回数2回)
何事も基礎が一番大事!

★Kai さん(国際部所属:貿易事務(正社員) 2022年度合格 受験回数2回)
諦めなければ桜咲く!

★Grace さん(2022年度合格 受験回数3回)
郵便配達はやっとベルを鳴らす。

★スカイ さん(40代半ばの一児の母 2022年度合格 受験回数1回)
中年女性の合格体験記

★ ぬえ さん(大学3年生 就活と同時に6月頃より本格的に勉強開始、英語系の学部に在学中 2022年度合格 受験回数3回(合格した以外の2回はほぼ勉強せず、記念受験のような感じでした…))
就活と並行して行なった短期集中型受験勉強

★ふくのすけ さん(40歳男性 医薬品メーカー営業 2021年度合格 受験回数2回)
異業種からの通関士試験挑戦~2years~

★りょーたろう ちゃん(男性 国際物流企業(フォワーダー)3年目 2021年度合格 受験回数1回)
継続力が肝心!最後まで走り切ろう!

★いおり さん(30代女性 金融業 2021年度合格 受験回数2回)
転職への足がかりに!異業種から2回目の挑戦での合格

★kashim さん(33歳 業界未経験 時短勤務 娘2歳 2021年度合格 受験回数1回)
仕事と育児の合間に2,000時間を捻出

★ms さん(メーカー勤務 2021年度合格 受験回数1回)
やらなかった後悔には負けたくなかったから

★Noob さん(30代 会社員 2021年度合格 受験回数1回)
私と通関士試験ちゃん

★あや さん(22歳女性 新卒営業職 2021年度合格 受験回数1回)
半年で一発合格!

★デナリ さん(50代男性 メーカー勤務 2021年度合格 受験回数1回)
50才過ぎでの国家試験初チャレンジ

★もみじ さん(30代女性 主婦 2021年度合格 受験回数1回)
もみじの勉強部屋(ホームページに勉強法を紹介されているのでリンクです)

★Bankoo さん(男性 金融機関勤務 2020年度+2021年度合格 受験回数計3回)
2020年東京税関制覇 そして 2021年横浜税関制覇

★kbbf さん(20代女性 貿易事務(入社3年目) 2021年度合格 受験回数1回)
全科目8割以上で合格!

★りょ さん(2021年度合格 受験回数3回)
3回目にしてようやく合格

★Chichiki さん(20代男性 東南アジアの日系商社(現地採用) 2021年度合格 受験回数1回)
500時間のその先へ

★Aさん(20代会社員 2021年度合格 受験回数2回)
Never Give Up✊

・ellie さん(女性 2020年度合格 受験回数1回)
「合格体験記~お腹の子と2人で臨んだ試験編~」

★のぞ さん(20代女性 会社員(サービス業) 2020年度合格 受験回数2回)
「英語力0でも合格できました」

★なーちゃん さん(男性 金融機関勤務 2020年度合格 受験回数2回)
「記憶力が衰えたおじさんでもまだまだやれるぞ!」

★なお さん(30代男性 会社員 2020年度合格 受験回数1回)
「信じられる先生を見つけてゴールへ一直線」

★あやや さん(女性 物流会社CS部 2020年度合格 受験回数1回)
「試験は楽しんで受けましょう!」

★kii さん(20代女性 物流会社通関部門所属 2020年度合格 受験回数1回)
「事故からの復活、、なんとかなる!」

★アオミ さん(女性 2020年度合格 受験回数1回)
「最後まで諦めないで」

★tm さん(女性 大学3年生(商学系) 2020年度合格 受験回数2回)
「自分のペースでコツコツと」

第77類 さん(2020年度合格 受験回数2回)
「異業種未経験からの通関士を目指して」

マリン さん(2020年度合格 受験回数6回)
「諦めない気持ちが大切です」

★ こんぴー さん(33歳男性 会社員 2019年度合格 受験回数2回)
「通関士試験を終えて」

★ Aさん(20歳女性 大学3年生 2019年度合格 受験回数1回)
「毎日コツコツ勉強が出来たらあなたも合格できます。」

★ マス さん(女性 地方の派遣OL 2019年度合格 受験回数2回)
「地方住みOLの再チャレンジ成功談」

・倉井 さん(30代男性 会社員 2019年度合格 受験回数3回)
「自分に必要な勉強を」

★ ぱん さん(20代女性 物流会社通関課勤務 2019年度合格 受験回数3回)
「休職状態から、短期集中で逆転合格」

・負けないパパ さん(30代男性 会社員 2018年度合格 受験回数7回)
「七回の受験でついに手にした合格証書」

★ もねささみ さん(20代女性 大学生 2018年度合格 受験回数1回)
「「表面的理解」から「真の理解」を意識することで一発合格」

・櫓 さん(50代男性 不動産業経営 2018年合格 受験回数2回)
「継続力の源は楽しむこと」

・天日 元博 さん(50代男性 貿易商社勤務 2015年合格 受験回数2回)
「50代オヤジの通関士受験記録」

通学、通信講座紹介【2025年度版】

通学、通信講座各種についての内容や評判です。選ぶ際の参考にしてみてください。合う合わないもあるので、気になるところは全部資料請求してみた上で、自分に合いそうなところを選ぶのがよいかと思います。

内容については、第59回(令和7年度)への対策講座が発表されていれば順次情報を更新していきますが、まだであれば直近の過去のものを掲載しています。

評判については、受講した方々から直接確認したもののうち信用性のありそうなものだけを書いています。具体的には、複数人から同じ証言が得られた、発言者が中立的な人である、情報が古くない、その他信用性を失わせるような事情が無いなどのことから総合的に判断しています。また、みこ会で購入して実際に裏付けをとっているものもあります。しかし、あくまで主観的なものであり、人によっては違う感想を持つこともあるのでご注意ください。

公開するのが不適切と判断した情報や、公開できるほどの信用性までは無いと判断した偏った情報はここでは掲載していませんが、個別であれば回答できるようなものもございますので、掲載されていない講座や講師などの情報が知りたければご連絡ください。

なお、異論のある方は、受講生、業者の方問わずぜひご連絡ください。検討の上訂正、削除、加筆などさせていただきます。また、新規掲載希望の方もご連絡ください。とくに、ここに載せていない講座についての感想等を頂けるととても嬉しく思います。

講座を選ぶ前に

四月以降開講のものは、ある程度基礎が身についているか、勉強時間を毎日長時間とれるか、勉強が少なくとも苦手ではないと言えるくらい学力がある方でないとなかなかついていけないので、そこを考慮して選択してください。

どの講座が良いのか

どの講座が良いですか、良くないですかという質問をよく受けるのですが、どれも特徴がありますし、それも人によって受ける印象が異なるので、単純にお答えすることはできません。人それぞれ向き不向きや環境の違い等があります。

たとえば、教材が充実していて手厚く指導もしてくれる講座は、引き換えに料金は高くなります。価格は気にしないという人にとっては良くても、低価格重視で探しているのなら選択から外れるでしょう。

また、テキストが薄い講座は、取り組みやすい反面、省いているところを理解力でカバーしたり他の教材を買い足したりする手間がかかりやすいという特徴もあります。入門と割り切っていたりカバー出来たりする自信がある人には向いていても、細かくあれこれと説明が要るのにその講座一本で乗り切ろうとする人には厳しいかもしれません。簡単そうだと思って使ってみたら、端折っているところが多くて教材の乗り換えをすることになり、結果的に遠回りしたということはよくあります。

このように、それぞれの講座に個性があるので、自分が求めているものに近そうなのはどれなのか、どこが譲れてどこが譲れないのかというように、自分の特性に合わせて総合的に判断してみてください。

それが出来るように、なるべく中立的に情報掲載することを意識しています。

通信か通学か

講座には大きく分けて、録画した講義を視聴する通信講座と、リアルタイムで講義に参加する通学講座があります。また、通信や通学の派生として、zoom等を使ったオンライン講座も存在します。

どれを選ぶかは好みや環境に応じて様々ですが、あまりにも細かいことが気になったり、テキストを自分で読むことにかなりの困難を伴う場合(日本語が母国語でなく、かつ、日本語自体があまりよく分からない場合等)は、その場ですぐ質問できる通学かオンライン講座をおすすめします。通信を選ぶと質問回答までにいくらか時間がかかるので、分からない部分が多すぎて授業についていけない人は、通信を受けてもあまり身につかないからです。

もちろん、どの通信も大体の受験生のレベルに合わせて作っていますが、中には殆ど講座の意味が分からない、納得できないという受験生もいるので、そのような方にはおすすめできません。

それを防ぐために、気になる講座があればサンプル講義を視聴してみてください。大体どこの講座も無料配布しています。

早期割引

早期申込割引が適用される講座も多いので、受けるのであれば早めの申込みをご検討ください。各社のホームページをチェックしてみると情報が掲載されています。時期によっては半額近くまで割引している講座もございます。

合格率

業者が公表している受講生の合格率は、データの取り方や計算方法がバラバラなので、比較することにそんなに意味はありません。講座の申込者全員を対象として計算した合格率ではなく、課題の提出率や得点率を満たした人を対象として計算した合格率としているケースがよくあります。

開講講座

日本関税協会

通称、関税協会。通学、通信ともに講座を開講している公益財団法人です。

公益財団法人とは、すごく簡単に言うと、公益性がありますよと国のお墨付きを受けた団体です。関税協会は、日本の関税政策や制度についてより良くしていくための活動を行っていますが、その一環として通関士試験の講座も行っています。

ゼロからの申告書や計算ドリルという受験生の多くが持っている問題集を製作したりしていることなどもあって、通関士試験の受験生であれば一度はその名を聞いたことがあるでしょう。全国通関士模試という日本最大の受験人数を誇る模試の主催もしています。

通信

2024年度 通関士養成通信教育講座

基本料金83,600円(税込)。オプションとしてスクーリングと答案練習を付けることができ、その場合は別途料金。早期申込割合有り。基本の通信講座部分のみ教育訓練給付制度対象となります。

使用する教科書については分かりやすいと評価が高いです。勉強を始めてから、いつまでにどこを勉強してほしいのか、ということまで親切に記されています。また、付属する問題集も、ゼロからの申告書をはじめとしてメジャーなものがたくさんついてくるため安心感とお得感はあります。使用教材は市販教材としてバラ売りされているものもたくさんあるので、講座は不要だけど気になるものがあるという方は、ホームページや書店で入手できます。

7回分の提出課題がついています。

基本料金自体がもともと安価な上に、早期申込割引や教育訓練給付制度を利用すればコストを低く押さえられ、その割には教材が充実しているということから、とてもお得感があります。

開講が4月と毎年遅めの時期に設定されています。

LEC東京リーガルマインド

資格試験予備校として大手のLEC。大抵の資格試験で講座を開いているので、今まで貿易関係の資格や仕事と無関係だった方もご存知なのではないでしょうか。

通関士試験では生講義を聴講できる完全な通学講座は用意されておらず、Web通信+Webダウンロードという形態か、もしくはDVDで受講する通信講座のみです。Webはもちろんスマホ対応。

LECの特徴は、選べる講座の種類がとても多いことです。セットのコースには、初学者向けのものと学習・実務経験者向けのものの2種類があり、その他にも入門講座や通関実務対策をはじめとしたバラ売りの講座の種類がとても充実しています。セットコースまでは要らないけれど、自分の弱点などをピンポイントで教わりたいという方には選択肢が広がるでしょう。

講師の伊藤先生はベテランの方で、授業では、クセが少なく分かりやすく整理した視点を加えた解説を行ってくれます。

近年は、みこ会とタイアップキャンペーンを開催したり、SNSで利用者の意見に応えたりと、精力的に受験生との距離を縮めており、受講生が急増中です。

ただ、内容は充実しており評判は良いものの、価格は通信講座としては比較的高額です。しかし、LEC独自の割引制度が存在し、分割ローンにも対応しているので、それも考慮に入れて決めるのがよいでしょう。

また、通信しか開講していないため、先生に傍でみっちり面倒を見てもらいたいという受験生は、他社の通学講座を選択してください。

初学者コースのみ教育訓練給付制度対象。

こちらのでもご紹介しています!

通信

2025年合格目標 初学者コース

通信web 184,500円

さらに、通関実務対策を強化したカリキュラムを加えた必勝コースがあり、価格は初学者向けコース価格に+約2万円。

これら以外にも、試験が近づくにつれて多くの単科講座を開講していくので、チェックしてみてください。

TAC

こちらもLECに引けを取らないくらい大手の資格試験予備校。書店でよく見かける「通関士スピードテキスト」という市販の教科書も販売しています。

TACには講師が三名名在籍しており、好みはあるものの、どの講師もメリハリの効いた授業をしてくれて分かりやすいと評判です。解答速報会などに積極的に出ておられる小貫先生のギャグは、緊張をほぐしてくれるし覚えやすいと有名です。

通学講座は、新宿、八重洲、横浜、神戸の4ヶ所で行われます。

高額ではありますが、それに見合うだけのものがあり、内容も分かりやすく演習も充実しており、満足度も高いと良い評判です。

ただ、難易度の高い通関実務科目に本腰を入れるのは遅めのカリキュラムなので、そこが気になったという声もあります。これは、通関実務は他の分野の理解が出来てから本格的に取り組むことで伸びやすいというTACの方針です。

金額は気にしないからとにかく良いものが欲しい、というのであればやはりTACでしょう。安定感は抜群。再受験生向けの講座もあります。

通学、通信ともに教育訓練給付制度対象です。以下に掲げた講座以外も順次開講されていきます。

通学

2025年合格目標 総合本科性S 

教室講座/ビデオブース講座 264,000円(税込)

通信

2025年合格目標 総合本科性S

Web通信講座 264,000円(税込)

マウンハーフジャパン(MHJ)

貿易関係の資格講座やセミナー開催に特化した企業。貿易実務検定の主催団体である日本貿易実務検定協会はマウンハーフジャパンの内部団体であり、つまり貿易実務検定は実質的にマウンハーフジャパンが製作、運営している民間資格です。

マウンハーフジャパンの代表取締役(つまり社長)の片山立志先生が主に講師を勤めています。

通信

2025年度通関士絶対合格通信講座

コンプリートコース 176,000円(税込)

テキストコース 68,200円(税込)

人気の市販教材でもある通関士試験合格ハンドブック(通称:ハンドブック)を講座のテキストに使用します。

講義は基本的に片山先生自身が行います。噛み砕いて多角的な説明をするのがとても上手な先生であり、頭に残りやすいようにお話をされるので、講義の評価はすごく高いです。

MHJの特徴は、安定して合格するのに必要最小限知っておくべきことをとてもよく分析しているところです。

ポイントを分かりやすく整理して試験合格に必要な範囲で端的に説明しているので、だらだらと余分なことはさせないようにしています。

また、平均的な通関士試験受験生の能力を把握しており、幅広い層を合格に持ち込める前提で講座を作ってあります。

説明も丁寧ですし、あれもこれもと大量の情報を詰め込むような無茶をさせません。

誰でも合格できる、というところを徹底して目指しているように見えます。

法改正や経済連携協定の対策が強いのも特徴です。MHJで運営している貿易実務検定やEPA検定のノウハウがあるからでしょう。

毎年早期申込の割引率がかなり高いので、興味のある方は早めに申し込んでください。

TAC社やLEC社等の大手予備校に比べてサービスの安定感やフォローにはやや欠けるが、片山先生の指導力の高さと、大手予備校には価格競争で勝てるという二点でカバーしているような印象を受けます。

本質さえしっかりしてれば細かいことは大目に見れるよ、というのであればおすすめです。

フォーサイト

フォーサイトは通信のみを開講しています。担当講師の神田先生は、声が聞き取りやすく喋り方も上手な先生です。

お値段も、かなりの低価格なのが嬉しい講座です。

また、テキストが薄く表現が易しいため法律初学者にも取り組みやすくなっていることと、ポイントでまとまっているため要点を反復学習しやすくなっており、その点も高い評価が得られています。

講義内容自体は、テキストを読んでいるだけの部分が多めで、総収録時間もかなり短いです。

コンパクトにまとまっている分、明記されていない部分を自分で読み取る必要があるので、それができる人には最短距離になる講座ですし、できない人は他のテキストを追加して補っています。

低価格帯の講座全般に当てはまりますが、演習教材は少なめです。勉強が進むと市販の演習教材を追加している方もよくいますが、それを考慮しても費用は抑えられます。

教育訓練給付制度対象。

通信

通関士スピード合格講座 2025年試験対策

52,800円(税込)

ユーキャン

ユーキャンは大手の通信教育講座という安心感もあり、受講者の多い講座です。

テキストは法律初学者向けにやさしく書かれており、情報量も必要なだけあるということで評価が高いです。

付属のセレクト過去問集(通関業法、関税法等)は使いやすいと評価が高いですが、問題演習の分量が少なめなので、学習が進み途中で物足りなくなった方は市販の演習教材等をプラスしています。

教育訓練給付制度対象。

通信

ユーキャンの通関士講座

59,000円

吉田クラス

大阪市東淀川区で開講する少人数指導の個人クラス。

講師の吉田先生はベテランで、長年通関士試験を研究、指導されている実績があります。また、授業が親切丁寧で分かりやすく、人柄も面倒見が良いとの評判です。

なお、名古屋の大学でも出張講義を行っています。

吉田クラスは現在1月開講のコースのみとなっています。詳しくはホームページからお問い合わせください。

通学

1月開講コース

月謝制(金額は要問合せ)

神戸大阪通関貿易教育研究社

神戸と大阪の2箇所で通関士試験の対策講座を開催している学校。

通学講座と、ZOOMによるオンライン授業を開催しています。

少人数の対面講義により、生徒さんの特性を掴み、個々に合わせた指導をするということを強みとしておられます。教材は、翔泳社のテキストと過去問集を使用。

受講生の意見として一致しているのは、内容がハイレベルだということ。本試験のレベルを超えているところも多く、ペースも速いので、授業についていくのが難しいとよく聞きます。講座がハイペースで難しい、ついていけないという相談を受けると、大抵こちらの受講生です。

とはいっても、最後までついていけた受講生の合格率は高いので、厳しい内容によって鍛え上げているのでしょう。実際、こちらの講座で厳しく勉強できたことで、余裕を持って本試験に合格できた、とても良かったという肯定的な意見も受講生から聞きました。演習も多く、内容も基礎から応用までみっちり詰め込んでもらえるからです。

以上のような理由から、合う合わないがはっきりしがちな講座だと言えると思います。基礎的なところだけを易しく勉強させることで万人受けを狙ったものが多い通関士試験講座の中では、個性的な講座に分類されるのではないでしょうか。

気合いの入った方ならこちらをおすすめします。

大阪校と神戸三ノ宮校の2箇所で開講されていますが、受講生から聞いた話によると、神戸三ノ宮校の方が少人数なこともあってかアットホームな雰囲気だったということでした。

通学

早期スタートパーフェクトコース(2月開講)、レギュラーコース(4月開講)、短期完成コース(6月開講)

2月開講のコースから順に、175,000円、150,000円、89,000円。その他にも様々なコースを展開しています。

オプション講座や模試等もあり。

独学合格したい。教科書や問題集は?

まず、知っておいてほしいのは、通関士試験の教科書などの市販教材は種類が少ないうえに、書店にもあまり置いていないということです。大型書店でも品ぞろえが悪いことが多いので、インターネット通販で入手するのが確実でしょう。

また、結構クセの強い教材もあるので、自分に合わないものに手を出してしまったり使い方を間違えてしまったりすると、勉強が進まなかったり明後日の方向に進んでしまったりします。通関士試験の独学が難しいと一般に言われている理由のひとつはここだと思っています。市販教材の質が全体的に悪いので、見極める力が必要なのです。もちろん、クセのなく使いやすい良い教材もたくさんあります。

そして、法律の勉強が初めての方に注意してもらいたいのですが、法律資格の教材は、基本的に毎年度新版がでますので、それを購入してください。例えば、2025年度の試験を受験するなら、2025年度版と書かれたものです。これは、法律はよく改正されることがあるため、古い版だと改正点が反映されていないことがあるからです。改正とは法律の内容が変わることをいいます。新版の発行日は教材によって異なり、その年の試験が終わってわりとすぐ次回試験用の新版がでるものもあれば、春くらいにならないと新版が出ないものもあります。教材ごとに毎年同じ時期に新版が発行されるのが通例なので、欲しいと思う教材が毎年どの時期に発行されているのかをネットなどで調べれば、次回の新版のおよその発行日が分かるでしょう。

もっとも、早めに勉強を開始した方だと、新版がまだ発売されていないということもあると思います。そのときは、前年度版でも構いません。

税関のサイトで改正点を確認することができますが、これは難しい作業なので出来れば法律や実務に詳しい人に聞くのがよいでしょう。ちなみに、みこ会では、会員の方に向けて改正点の情報もできるだけ公開していきます。

また、最新版を購入したとしても、最新版が発行された後に法改正がされ、試験で出される法律が変わることもあります。しかし、そのときは法改正情報というのが出版元のサイトなどで公開されるのが通常です。「〇〇頁の△△行目のAという記述を、Bに訂正してください」というような形で情報が記載されていますので、注意して見ていてください。法改正というのは普通は突然前触れ無しにされることはなく、遅くても前年度にはされることが予想されています。そのため、早めに知りたい方は、改正情報の参照方法をよく知っている方に聞くのもよいとおもいます。

ちなみに、法改正がされたとしても、今まで覚えた内容がほとんどごっそり変わるということもあまりありません。大体の場合はどこかほんの一部だけであり、また、改正されても試験には影響のないということもよくあります。

それから、教材の記述に誤りが判明した場合、正誤表というものも出版元のサイトで公開されます。法改正情報と同じような形で記載されるのが通常です。教材を使用していて、おかしいなと思えばそのままにせず、該当箇所の正誤表が公開されていないか探してみてください。それでも無ければ、出版元に問い合わせるのがよいでしょう。

以下、市販されている代表的な教科書と問題集について簡単にご紹介します。これらはすべて私も内容を確認済みです。

もっと詳しく知りたい、自分に合った教材を選びたいという方は、みこ会の方でご紹介していますのでご覧下さい。

教科書

メジャーな教科書は以下の四つです。他にもあるといえばあるのですが、ほとんど見かけないし、使った人の情報も出てこないのでよくわかりません。

内容の善し悪しの判断がつく人を除いて、マイナーすぎる教材、とくに教科書を使うことはあまりおすすめしません。あまり情報がないために良いのか悪いのか分からないものを使うなら、最初から評判の良いものを使った方が無難だからです。

とくに通関士試験のような法律資格の教科書は、書かれている内容がどれも同じということはなく、著者が合格のために必要だと思う情報を選別して書いています。そのため、著者の判断が大きくずれていると、試験に必要な情報が書いてなかったり、余分な情報がたくさん書いてあったりするので、合格へ遠回りします。

TAC出版 通関士スピードテキスト

私が使用した教科書です。450ページほどしかなく、四つの中で一番薄い教科書。出版元が大手資格試験予備校のため比較的書店に置かれていることが多いものの、これを使用している方はあまり聞いたことがありません。

翔泳社   通関士教科書 通関士 完全攻略ガイド

書店に置いてあることが一番多い教科書です。使用されている方がとても多い教科書です。全体的に説明が丁寧。著者は各種資格試験の講座を開講しているヒューマンアカデミー株式会社であるため、ヒューマンアカデミーの教科書と呼称されることも。

こちらで、詳しく紹介しています。

日本能率協会マネジメントセンター 通関士試験合格ハンドブック

通関士受験の有名講師、片山立志先生の著書。ヒューマンアカデミーと並ぶくらい使用されている方の多い教科書ですが、毛色はかなり違います。

こちらで、詳しく紹介しています。

日本関税協会 通関士試験の指針 

日本関税協会という、通関士ポータルサイトの運営元が出版している教科書。四つの中では最も高額ですが、情報量も最も多い教科書です。

過去問集、問題集

 

TAC出版 通関士過去問スピードマスター 

私が使用した過去問集です。対応する教科書であるスピードテキストの方は使用する人をあまり見かけませんが、こちらのスピードマスターはわりとよく見かけます。

 

翔泳社 通関士過去問題集 

こちらもメジャーな過去問集です。ヒューマンアカデミーの教科書に対応するものです。

 

日本関税協会 通関士ゼロからの申告書 

通称「ゼロ申」と呼ばれている申告書専用のオリジナル問題集。かなりの受験生が持っているように見えます。申告書の問題集としては最も有名です。

 

翔泳社 通関実務集中対策問題集 

申告書のみならず通関実務全体を対策する問題集ですが、とくに申告書に力をいれておりその分量が多いです。
こちらも受験生には人気の問題集です。ヒューマンアカデミー著。

 

日本能率協会マネジメントセンター 通関士試験テーマ別問題集 

通関士試験の全範囲を網羅するオリジナル問題集です。
問題も解説も良質なので、たくさん問題を解いておきたい方にはおすすめできる書籍です。

独学合格は可能か?通学、通信講座を利用すべきなのか?

独学合格の可能性

通関士試験の勉強をするにあたって、通学や通信講座を利用する、あるいは過去に利用した経験がある受験生は多いです。

その理由としてよく挙げられるのが、独学は難しい、遠回りであるとよく言われるから、というものです。

しかし、やり方次第では独学でも十分合格可能性はある試験です。むしろ、授業を聞いたり通学したりという余分な手間がかからないので、人によっては独学の方が有利です。

けれども、次のような方は独学には向いていません。

1 意思が弱く一人では継続的に勉強ができない人

こういう方は、常に誰かにペースメーカーをしてもらわないと難しいのでおすすめしません。通学、通信であれば独学に比して学費が高額であったり、周囲の人の目があったりするので、勉強をすることへの心理的な強制力が働きやすいです。独学はやめた方がよいです。どうしても独学がいいなら、とりあえず一ヶ月勉強を続けてみてください。たった一ヶ月ですら計画していた時間の勉強ができないようなら、この先もっと無理なので独学には見切りをつけましょう。可能であれば、より強制力の働く通学講座がよいと思います。

2  教科書に何が書いてあるかほぼ理解ができない人

教科書はじっくりと読めば講師の説明なしで理解ができる前提で作られています。市販の教科書はどれも予備校などの受験業者が出版していることが多いですが、受験業者は指導のプロなので、それなりのクオリティで作っています。確かに、ところどころ言葉足らずだったり誤解を招く記述はありますが、全体的にはよくできています。
そのため、いくら読んでもさっぱり内容が理解できない、という方は自力で読み解く能力が足りていないので難しいでしょう。
もっとも、そうであれば、仮に通学や通信講座を利用しても理解できない可能性が高いと思います。
勉強している内容は同じだからです。

継続的にコツコツ勉強でき、教科書を読み解く力のある人であれば、市販の教材だけで十分独学で短期間に合格することができる試験です。

通学、通信講座の利用

サポートがほしい方は講座の利用をおすすめしますが、とりあえず利用すれば自動的に受かるわけではありません。とりあえずで確実に受かるような人は、利用しなくてもなんとかなるくらい勉強ができる人や法律の素養がある人だけです。利用を考えている時点で、あなたは相当真剣に取り組まないと受からない人だと思ってください。

また、複数の講座を利用する方もおられますが、それは基本的におすすめしません。というのは、内容の重複する講座を複数受けてしまうよりも一つの講座で用いた教材を何度も復習した方が、密度が濃い勉強ができるからです。たくさん講座をとれば実力が伸びやすいだろうというのはありがちな間違いです。

けれども、例えば特定の範囲だけがどうしても苦手意識があって、現在受講している講座ではそこをカバーしきれないと感じたときに、そこを補う目的で新たに利用するならば、意味があるのでよいと思います。なお、特定の範囲だけでなく全範囲あるいは多くの範囲でよくわからないというのであれば、講座の質が悪いか自分に合っていないということなので、その講座から別の講座に乗り換えた方が早いです。

相性は人によって違うので、例えば、丁寧な授業をしてくれると評判の講師が、話が長くて無駄が多いという評価を受けることもあります。理解のペースが遅かったり、記憶が苦手だったりする人にとっては丁寧だと感じても、そうでない人にとっては無駄が多いと感じるからです。

では、通学、通信のメリットデメリットを一般論として検討してみます。

(メリット)

・カリキュラムが組まれているので、学習計画の作成が楽。

・授業を受けた方が理解や記憶ができる人にとっては、実力がつきやすい。

・とくに通学は、周りの目もあることや高額の出費を伴うことから、勉強への強制力が働く。

・通学だと受験仲間が作りやすいのでモチベーションアップになることもある。

・分からないところを講師などに質問できることが通常。ただし、通信講座は質問できる回数が制限されているものもあるので注意。

(デメリット)

・独学に比して費用が高額となる。

・教科書を読んだり問題を解けば事足りる人であれば、授業に時間を取られたりカリキュラムの自由度が下がったりすることで余計な手間をとられる。

・意識の低い受験仲間とつるむと自分のモチベーションも下がることがある。

以上、これらはあくまで一般論としてのお話なので、あなた自身がどうなのかは別途考えてみてください。その上で、独学、通学、通信講座のどれが自分にとってベストだと思えるのかを検討して決めるのがよいでしょう。誰にとってもベストな選択というのはありませんので、一般論だけで決めずに、自分にとってはどうなのだろうかということをよーく考えてください。通学、通信講座にはメリットも多いのですが、自分は勉強が苦手だからとりあえず通わないといけないと思い込んでいるだけの人がかなり多いのが通関士試験です。

通学、通信講座を利用するのかしないのか、するにしてもどれを利用するのかは、今後の勉強方針を大きく左右する選択です。

全範囲がセットになっている講座だけでなく、一部だけの講座を販売している予備校などもあるので、苦手意識がある部分だけの講座を受講するということも考えてみてください。とくに三科目受験をされる方の場合は通関実務が試験科目に入ってきます。通関実務の時間に出題される申告書は、知っているか否かだけで決まる記憶問題とは異なり事務処理的な要素が入ってくるため、うまく行かないときに我流で進めるよりも人に教わって新たな視点を取り入れると発見があるかもしれません。

教育訓練給付制度

通学、通信講座を利用する場合、講座によっては、教育訓練給付制度という制度の適用がなされるものがあります。これは、受講料金の一部を国が支給してくれるという制度です。適用される講座かどうかは各講座のサイトやパンフレットなどに掲載されているのが通常です。

雇用保険に入っている、もしくは入っていた人が対象となりますが、厳密な要件については厚生労働省のサイトをご覧下さい

人によってはかなりの額が支給されるので、値段をみて申し込みをためらっていた講座も購入できるチャンスがあります。

他に貿易系の資格はあるの?通関士との関係は?

他の貿易系資格

貿易実務検定

貿易実務に関する知識などを出題する民間資格。民間資格とは、民間団体や企業が自由に作ることのできる資格です。貿易事務の求人では同検定保有者を優遇すると書いてあることもよく見られるので、少なくとも貿易事務に絞るのであれば有利に働く資格と言えます。

貿易事務は、比較的パートタイムでも求人の多い事務仕事なので、女性に人気の職業でもあります。会社によっては貿易事務のパートタイマーから正社員に登用されるということもあるようです。

同検定には難しい方から順に、A級、B級、C級とレベルがあります。全ての級において受験資格の制限はありません。

貿易実務検定を保有する人は大抵B級かC級であり、A級保有者はあまり聞きません。A級は出題される英語もかなり専門的で高度なものが多く、難易度が高いからです。

検定の主催団体は日本貿易実務検定協会という団体です。同協会の詳細については こちらを参照。

受験料は高額で、教科書や問題集、過去問も一式揃えればそこそこの値段になるので、独学だとしても取得費用は高めになります。

受験対策業者はいくつか存在しますが、そもそも日本貿易実務検定協会が作成する試験なのに、これから出題される試験内容を知る同協会自身も対策教材を製作・販売しています。そのため、他社が対策をしたところで同協会の対策教材に勝つことなどできるのでしょうか。

出題範囲は、通関士試験の範囲とほんの少しですが重複します。ざっくり言うと、通関士試験は貿易実務のうち通関に限って狭く深く出題されるが、貿易実務検定は通関を含む貿易実務全般について広く浅く出題されるという関係になります。

また、通関士試験では英語の資料が添付されるものの、日本語訳がついていることなどより英語力がほぼなくとも合格は可能ですが、貿易実務検定は英語力がないと突破できません。

難易度の比較では様々なことが言われていますが、両者間で試される力が大きく違うことから一概にいえるものではありません。B級やC級あたりなら断然通関士の方が難しいとは言われますが、英語力がない人にとっては必ずしもそうではありません。

A級と通関士試験の両方に合格された方がみこ会にいらっしゃいますので、両試験の比較についてお話をいただきました(こちら)。

IATAディプロマ(国際航空貨物取扱士)

国際航空貨物を取り扱う際の知識などを問う試験。IATAという世界の航空会社で構成される業界団体が作った民間資格であり、日本のみならず世界で通用する資格です。

かなりマニアックな資格であるものの、航空貨物運送業界では需要があります。

受験のためには講習を終了しなければならず、基礎(I)コース(Cargo Introductory Course)・危険物(M2)コース(DGR Initial Course)・危険物資格更新(MR)コース(DGR Recurrent Course)という三つの講習コースから選択することになりますが、MRコースは危険物取得者の更新のためのコースなので、実質的に基礎コースと危険物コースの二種類です。

いずれのコースも通関についての出題はされず、通関士試験と出題範囲は重複しません。

IATAディプロマは航空貨物(空路で運ばれる貨物)を取扱い対象とする資格ですが、通関士は航空貨物のみならず海上貨物(海路で運ばれる貨物)についても取扱い対象とする資格です。

また、IATAは世界中の航空会社で構成される機関であり、IATAディプロマも世界各国で共通の試験、資格であることから、通関士とは異なり世界中で通用する資格です。

貿易アドバイザー協会(AIBA)

国際取引業務の専門家集団。入会には試験への合格が必要となります。

https://trade-advisers.com/

輸出入実務サポート、商談通訳・翻訳、海外法規制・市場調査、貿易セミナー講師の派遣、現地視察の同行など、貿易に関する様々な課題の相談に応じる活動を行っています。

みこ会出身の通関士試験合格者の方にも会員がいらっしゃいます。詳しいご説明をいただきましたのでご覧下さい(こちら)。

合格に実務経験は有利?未経験者でも受かるの?

通関士試験は、受験資格に制限がなく誰でも受けられる試験です。

そのため、理屈の上では、通関業での実務経験が全くなくても合格することはできます。

では、実務経験は合格に有利に働くのでしょうか。また、実務未経験者でも合格できるのでしょうか。

 

 

実務経験は有利なのか?

まず、結論からいいますと、有利な傾向はやはりあります。

試験と実務はポイントが異なるので、実務経験者がほとんど勉強せずすんなり試験に受かるということはありませんが、それでも未経験者よりは有利でしょう。

私のところには多くの受験生の情報が集まりますし、みこ会(こちら)の会員様にも実務経験者と未経験者のどちらもたくさんいらっしゃいます。

そして、全体として見たときに、経験者の方が飲み込みが早い傾向があります。

試験科目である通関業法と関税法等の二科目については、経験の有無はそこまで関係がありません。実務でもさほどきっちり詰めて覚える機会の無いところが多かったり、理解自体はそこまで難しくないところがほとんどだったりするからです。

しかし、通関実務という科目の中核部分である申告書と呼ばれる部分と、それを解くために必要な知識である課税価格の決定と呼ばれる部分について、差が出る傾向が見られます。

とはいえ、あくまで全体としてみたときの傾向であり、個人に着目してみると、経験者の中でも飲み込みの早さにかなり差があります。

まず、日本語読解が苦手とみられる方は、飲み込みが遅いです。

問題や与えられた資料を正確に速く読み込めないからです。

それから、今述べた日本語読解のお話とも関連しますが、仕事で法令通達を読む力を身につけていない方も、あまり早くはありません。

仕事でやっていたのにそんなことがあるのかと思うかもしれませんが、結構いらっしゃいます。申告書の分類は、本来、自分で統計品目表と呼ばれるものを中心とした法令通達を読み解いて行わなければならないのですが、慣れでやっていたり、上司に教わったまま自分の頭で考えずにやっていたりする方は、読む力に乏しいです。もちろん、完璧に近いくらい自力で読み解ける方は三科目試験の通関士試験レベルではほとんどいませんが(そのレベルだととっくの昔に受かったベテランの方か、専門的な法律知識がある方くらいになってくるからです。)、ある程度まともな力ですら持たない実務経験者の方も結構います。

そして、一番まずいのが、試験問題の指示に従わず、自分の実務経験に無理矢理引っ掛けて考えるクセがある方です。

実務で経験したものに似た事例が出題されると、そのときの方法で処理してしまい、問題文の指示に反している、ということもよくあります。そうすると、実務で経験したこととの整合性を考え出したり、他の事例の場合はどう処理すればよいのかを考え出したりして、混乱して試験から離れていってしまうのです。試験で聞かれているのは、自分が実務で経験した処理方法ではなく、問題文の指示に従って自分の頭で考えることだと理解する必要があります。実務経験にこじらせたプライドを持ってしまっている方は、まずそれを捨ててしまいましょう。試験と実務は違うので、そういうことは合格してから考えればよい話です。別に、あなたの実務経験が否定されている訳では全くありません。単にフィールドが異なるだけです。

 

 

未経験者でも合格できる?

以上に述べたお話のように、全体として見たときに実務経験者が有利な傾向はあります。そして、実務経験者の割合も多い試験ですから、相対的に見れば未経験者は不利ということになります。なぜなら、形式的には、合格ラインが得点割合で決まる絶対評価の試験ですが、実質的には、合格人数がある程度に収まるように調整して作られている相対評価の試験に近いものがあるからです。

とはいえ、合格のためにしなければならないことが膨大な試験という訳ではないので、試験に限って言えば、経験の差を埋められるくらいの勉強量は数ヶ月程度で積むことはできます。

実際に未経験から合格された方も多い試験ですので、受けると決めたのであれば、怯まずにしっかり勉強して挑戦してみましょう。

 

 

社会人の合格

社会人でも合格できるのか?というのは、かなりよくある質問です。主に今現在社会人として働いている人と、内定をもらって就職してから受験したいという学生さんから尋ねられます。

これについての答えは単純で、その人が合格に必要な勉強時間を確保できれば可能性はあります。そして、社会人の合格者の方も多い試験です。

そうすると、すでに社会人の方の場合は、今現在のご自分の状況が分かっているはずなので、隙間時間にどのくらいなら勉強時間がとれそうなのかを考えて受験を決めてください。お仕事の合間に勉強することは体力的にも精神的にもなかなか辛いですが、最初から無理だと決めてしまっては何も出来ません。本当に合格したいのであれば、どこかで時間を作りましょう。やるだけやってみたもののどうしても無理だなと思えば、途中でやめたり来年以降に延期したって構わないのですから。いつでも何度でも受けられる試験です。

一方、学生さんの場合は、受けたいなと思っているなら今のうちに受けることをおすすめします。なぜなら、学生さんの方が社会人より自由に使える時間や体力が多いはずだからです。通関士資格を取ろうとする方は貿易業界への就職を希望していることが通常ですが、全体的にみて貿易業界は仕事が忙しく長時間労働となる企業が多めです。ましてや、就職してすぐは不慣れなことばかりなのでより体力気力も消費することになるでしょう。そのため、学生のうちに受験しておいた方が合格可能性は高いし楽だと思います。なんらかの積極的な理由があって学生のうちに受験できないというならともかく、そうでないなら受けられるときに受けておいた方がよいでしょう。誰もが思いついたときにパッと受けてすぐ受かるような試験ではありません。

取得費用

独学の場合

まず、受験料の3,000円がかかります。

次に、教科書は最低一冊はあった方がよいので、教科書代がかかります。通関士試験の教科書はあまり種類がありませんが、大体のものは3,000円から4,000円程度に収まる値段です。法律試験なので、条文を理解、記憶して学習することも出来るには出来ますが、これはかなり無駄な手間暇のかかる方法です。初学者が純粋に合格へ最短距離で到達したいのであれば何か教科書を使ってください。

それから、過去問です。過去問集は一冊3,000円から4,000円程度で売っています。

さらに、その他にも問題集などが欲しいという方は、別途買い足してください。大体どれも一冊3,000円から4,000円くらいです。

ただし、ブログでも書きましたが(こちらをクリック)、むやみに教材を増やさず自分の処理できる範囲にとどめておきましょう。あれがいいこれがいいと評判を聞けば手を出したくなる気持ちはとてもわかりますが、処理できない量の教材を買い込んでどれも中途半端に終わると逆効果です。

また、模試を受けたいという方は、その費用もかかります。

通学、通信講座の場合

通学、通信講座のご利用を検討の方は、こちらをご参照ください

大体どの講座も、必要な教材がすべてセット料金に含まれています。

どうしても必要であれば市販の教材を買い足すのもよいと思いますが、その場合もむやみに増やさず最低限必要なだけにしましょう。

勉強時間はどのくらい?いつからはじめる?

みこ会で多くの受験生を見てきた経験からすると、合格する受験生のうち殆どは、最低450時間程度勉強しています。

あくまで最低なので、勉強が苦手だよという人であれば、プラス100から300時間は見積もってください。

そうすると、その場合、できれば8ヶ月から10ヶ月ほどかけてゆっくりと余裕を持って勉強した方が、理解も記憶もしやすいでしょう。

あまり短期間で詰め込んでも、頭の中で整理がつかなかったり体力が持たなかったりして身につきません。また、逆に長期間過ぎるとだらだらしてしまい集中力が途切れてしまいます。

とすれば、試験日が毎年10月上旬ですから、前年の12月から2月くらいには始めるのが理想です。自分は勉強が苦手だと思う人ほど早めに始めてください。

早く始めて余裕がありそうだから一旦中断したりペースを落としたりすることはできますが、遅く始めてやっぱり間に合わなかったらどうしようもありません。そして毎年、あともう少し早く始めていれば合格出来たかもしれない…という受験生をたくさん見てきました。

春あたりから始まる講座もあって、もちろんそれで合格される方も珍しく無いです。

しかし、初回で春以降に始めて合格するのは受験生の中でもどちらかと言えばできる方です。その中に自分が含まれると思うのなら全然構いませんが、自信が無いならおすすめはしません。

業者の広告やサイトでは、300時間台を目安にしているのもよく見かけますが、それもこの試験の受験生の中ではどちらかといえば出来る人の目安です。一般論にするにはちょっと見積もりが甘いので、自分がそこに当てはまるのかは一度考えてみて下さい。

勉強が得意、法律の素養がある、輸出入申告の実務経験があるというような事情があるならば、100から150時間くらいでも受かる可能性は十分ありますし、実際毎年います。そして、そういう人であれば2、3ヶ月前に始めても間に合うと思います。最初に書店などで教科書や過去問集をさぐってみて、どのくらいあれば習得できそうかを考え、逆算して始めてみてください。

パッとさぐってみて逆算できないようであれば、あなたにとってそこまで簡単な試験ではないということであり、そんな短期間ではおそらく受からないので、もっと早めに開始することをおすすめします。

以上のことをもとに、一日あたりに必要な勉強時間を割り出して学習計画を立てましょう。

学生さんなどのように時間がたっぷりある方なら計画の自由度が高いかもしれませんが、社会人の方は仕事の合間に勉強することになるため、平日に少し、休日にまとめてやるといった計画がスタンダードだと思います。

しかし、実際始めてみたら自分の想定と違っていたということもよくあります。勉強時間はあくまで目安に過ぎないので、必ずしも自分に当てはまるとは限りません。そのため、一日の勉強時間を最初から固定してしまうよりも、とりあえずやってみながら個人の習得度に応じて修正していくのがベターだと考えています。

最初の方は特に時間をはっきり決めずにやってみて、その週や月に目標とするレベルに達しなかったり、範囲が終わらなかったのであれば時間を増やし、逆に早まりそうであれば時間を減らして睡眠やストレス解消に充てればよいのではないでしょうか。

通関士試験は勉強期間が数ヶ月、人によっては数年という長期戦になるため、マラソンのようなものです。最初からスパートをかけて試験当日まで持てばそれに越したことはないのですが、それだと普通は途中で失速してしまいます。

最初はゆっくり自分の能力や体力の感覚をつかんで様子をみながら、少しずつペースをあげて、直前期にスパートをかけるという方法が王道でしょう。

トータルで何時間必要だからということにとらわれるのでなく、自分の直近の目標レベルに達するには今日は何時間必要なのかを考えてみてください。実力がついていくに従って、どのくらい勉強すればよいのかがはっきりしてくるはずなので、計画も修正していってください。

能力や環境は人それぞれなので、何時間かけたから必ず受かるという保証はありません。あくまで目安程度にとどめましょう。

通関士試験の内容

通関士と通関士試験

日本においては、海外から貨物を輸入するときと海外へ貨物を輸出するときは、通関といって税関にその内容などを申告します。この通関の専門家として認められる国家資格が通関士であり、通関士になるために受けなければならない試験を通関士試験というのです。
 
実際は、通関士試験と実務とでは内容が違うことも多いので、試験に通っただけで実務で即戦力ということはなく、逆にまた実務ができるからといってそのまますぐ試験に通るわけではありません。
 
また、法律上通関は通関士でなければできないわけではなく、通関を行う業者(通関業者)の業務を行う営業所ごとに、必要な人数がいればよいとされています。
 
もっとも、通関士試験に通っていれば、手当がついたり、就職や人事の際に優遇されるということはありますし、国家資格をもっているなということで取引先や会社の人の信頼度も増します。
 
貿易に関する資格はいくつかありますが、日本において国家資格は通関士だけです。

主催者

財務省の組織の1つである税関が主催者であり、合格証書も税関長の名で交付されます。出願その他の手続きは税関に対して行う必要があり、試験についての各種告知も税関のサイトなどで行われます。

しかし、問題の製作には税関は直接関わってはいないようなので、問題に関することは財務省関税局に問い合わせなければ答えてもらえません。

また、問い合わせたからといって必ず答えてくれるわけでもありません。

受験資格

通関士試験は物流、海運、通関などの限られた業界に勤めている方でないとなかなか耳にする機会のないマイナー試験であり、体験談などを発信している人も少ないので、情報があまり出回っていないのです。 そのため、実態がよくわからず受験をためらっている方もいらっしゃるかもしれません。 

しかし、受験資格に制限はなく、学歴、年齢、経歴、国籍等にかかわらず誰でも受けられることのできる開かれた試験です。

受験資格

3,000円と安価な試験です。
ただし、受験会場が少なく、都市部か沿岸部に集中しているので、お住まいの地域によっては受験のために宿泊料や高額の交通費がかかることもあります。

試験日程、出願、受験地

通関士試験は年に1度だけ実施され、近年では10月の第1日曜日が試験日となっています。
 
受験願書の提出は、7月下旬から8月上旬の間に行うことが必要です。出願は受験地を管轄する税関に対して行いますが、ご自分の住所とは無関係にお好きな受験地を選択することができます。
 
受験地は、北海道、新潟県、東京都、宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県の全国13か所です。
 
次回実施の試験についての告示が、毎年6月下旬から7月上旬にかけて税関のホームページなどで公開されるのが通例です。

試験科目と合格基準

試験は一日で三科目をこなし、それぞれ内容は
 
~午前~
1時間目  通関業法
2時間目  関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)
 
~午後~
3時間目  通関書類の作成要領その他通関手続の実務
 
となっています。
 
その多くは法律科目であり単なる記憶科目ですが、3時間目の通関実務と呼ばれる科目では簡単な式の計算問題や特殊な事務処理問題が出題されます。
 
少し前までは、3時間目の通関実務だけが極端に難しく、1時間目の通関業法と2時間目の関税法等は大したことがないと言われていましたが、令和3年度(2021年)から流れが変わり、関税法等が難化しています。
 
全てがマークシート式の試験であり、導き出した解答の番号や計算結果の数字をマークすることで解答します。
 
そして、合格基準点は試験前には公表されていないものの、近年では基本的に各科目でそれぞれ満点の60%以上の点数をとることで合格とされます。
 
難易度が高い年には、55%や50%まで合格ラインが引き下げられることもあります。
 

科目免除

通関の実務経験がある方は、その経験が通算して5年以上であれば通関実務が免除され(1科目免除)、15年以上であれば通関実務と関税法などが免除されます(2科目免除)。
 
以前は科目免除を受ければ難関の通関実務が免除されるため難易度がかなり低くなると言われていましたが、令和3年(2021年)から、通関実務以外の科目を難化させるパターンも出現しているため、科目免除だからといって油断は禁物です。それなりの実力者でも、通関業法や関税法等で不合格になるケースが明らかに増えています。
 
免除の対象となる実務は限定されており、また、実際についていたことの証明書の提出も求められるため、厳密な要件は税関のホームページや受験案内などで必ずご確認ください。

合格発表

合格発表は11月であり、官報で合格者の氏名と受験番号が掲載されます。官報は直近のものはネットで無料公開されています。
また、発表日に合格者の受験番号は税関のサイトでも公開されますが、官報の方がやや早い時間に公開されますので、とにかくいち早く結果が知りたいという方は官報で知ることをおすすめします。
 
合格証書は後日郵送されてきます。 
合格証書には、受験地の税関長の名前が記されていて、受験地ごとに異なるデザインのものとなっています。

受験生の層

単なる腕試しで受ける方は少なく、貿易関係の仕事をしているか、その業界を目指す受験生が多いです。通関業者に勤務している方だけではなく、通関業者に仕事を依頼する立場の会社(メーカーや商社)に勤務している方もいます。現役の税関職員もいます。

20代から30代の方が中心ですが、40代以上の方も珍しくはありません。

通関士になりたい方はもちろんですが、そうでなかったとしても貿易業界では通関士資格を持っていることで資格手当がついたり、社内評価が上がったりすることもよくあるので、それが受験の動機となっています。