最大の敵は自分の怠け心 ~受験勉強の記録~

のどか さん(50代 女性 メーカー勤務 2023年度合格 受験回数2回)

【受験について】

弊社には貿易専門の部署がなく慣例に従って輸出手配をしているため、専門知識を身につけたいと貿易実務C級→B級を取得。次はA級か通関士かで迷い、英語が苦手なので通関士試験を受験することにしました。

【使用教材】

「みこ会」2022年入会:テキストや記事が口語に近い文章で頭にすっと入ります。課税価格のテキストは加算、非加算の理由もきちんと説明されていて、これを理解しないと実務はかなり厳しいのに市販のテキストでここまでわかりやすいものはありません。過去問解説や参考書の難問解説も、現在の法令に即した丁寧な内容です。アプリをほぼ使用しないため1年目のみの入会でしたが、みこ先生がXで作ってくれた受験生の輪は最後まで心の拠り所でした。

「フォーサイト」2022年:初学者にも親しみやすいカラフルな教材は良くも悪くも必要なことだけが書かれており、初見で理解できず調べることもまた学びとなります。2年目にはテキストの良さを実感でき何度も読み返しました。WEB講義はテキストの冒頭を読み上げ、ノッてきたところで「後は読んでおいてください」となるので続きは自分で読まざるを得ません。問題集は過去問を項目別にまとめてあり苦手分野を集中的に勉強できます。定期配信のメルマガも受験生の心境に沿っていて励まされました。 ※ハローワークの教育訓練給付金の対象です

「LEC 難関攻略パック」2022年WEB受講:貨物分類と直前まとめ講座、模試のみをやりました。PowerUp講座は難しいと評判だったので、混乱しそうで敢えて放置。伊藤先生の講義はテキストだけでは学べない重要なポイントが細かく解説され、何度も念を押してくださいます。音声をDLできるので2年目も車中や家事をやりながら聞いていました。貨物分類と直前総まとめ講座だけでも受講をお勧めします。年に何回かみこ会でタイアップ企画があります。

「通関士試験合格ハンドブック」2022年版:必要な内容が1冊に網羅されています。2年目にじっくり再読したところ、図解が多く解説が丁寧でとても分かりやすかったです。章末問題は理解の深耕に役立ちましたが、巻末の模試は難しすぎると感じました。マウンハーフの通関士通信講座メルマガ(無料)の〇×式問題と片山先生の解説は復習と知識の整理ができました。

「計算問題ドリル」2021年版:税額計算と課税価格計算の2部構成です。このドリルのおかげで試験の計算問題にも抵抗なく取り組めました。課税価格のレベル4と5はやりませんでしたがほかは3~5周して基礎を固めました。必須の教材です。

「過去問」5年分:2年で4周しました。問題と回答用紙はみこ会で、回答一覧は通関士ポータル(現在非公開)でDLし、コンビニで印刷しました。本試験で出るのはこのレベルだと念頭に置いて取り組みました。問題用紙には青のフリクションペンで本番同様に書き込みして解き、ヘアアイロンで消して使っていました。アイロンが熱すぎると熱でトナーが溶けるので要注意です。

間違えた問題は、問題文で何を言っているか理解するためにそのままノートに書き写し、ひっかけポイントや正しい回答を覚えるため赤ペンやマーカーでメモ書きし学習しました。2年目はみこ会に入っていなかったので、解説は過去問.comで確認しました。

「模試」

1年目/LEC、フォーサイト:受験会場の雰囲気を知るためにLECは会場で受験しました。内容は鬼のように難しく、魂が抜けました。しかし他の受験生がいる空気感、試験時の時間配分、休憩時の過ごし方など、体験しておいてよかったです。フォーサイトの方は自宅で受けましたが本試験と同じくらいか少し易しい内容でした。

2年目/LEC:昨年同様に会場の雰囲気に慣れるために受験しました。

【勉強について】

私の場合、休日は気持ちがだらけてしまいなかなか勉強モードにならず、結局夕方まで手を付けないか全くやらないことも度々ありました。かえって平日の夜に仕事モードのまま勉強するほうがはかどったので、帰宅すると作り置きの夕食をさっと食べて勉強し、一区切りついたら食器を洗い、寝る準備をしてから再び勉強、入浴して自由時間を過ごし就寝という流れを習慣化できるよう目指しました。自由時間は主にスマホを触っていてXもこの時に見ていました。通常、就寝が深夜1時~2時なので朝活は全くしませんでした。

金曜日は勉強せずに平日にやりきれない家事に専念しました。掃除、洗濯、ゴミ捨て、来週5日分の服のセット、夕食やお弁当のおかずの作り置きなどです。

【勉強方法】

(業法・関税法)

1年目/フォーサイトでは勉強のスケジュールが決まっていましたが、やる気があるうちに1科目でも終わらせたくて業法から始めました。

関税法等は条文が読みにくく、最初は「当該→その」「に係る→の」「および→と」「~の時に属する→した」「において→で」など自分が理解できるよう訳して読みました。また、輸出入や法律で微妙に違うものなどはテキストにそれぞれ相手方の該当ページと「輸出は〇〇」などと違いをメモしていました。

単純な暗記項目は単語帳を作って覚えました。しかし細かい違いや流れを理解できておらず、選択や択一は別の問題をやってしまったのかと思うほど最後まで間違いだらけでした。

2年目/前年は選択問題が壊滅的だったため、ハンドブックを丁寧に読み直して正しく学びなおし、フォーサイトのテキストで再確認した後、改めて過去問を解きました。

私は文字を書いたときの状況や書いた文字の形や色・位置などで記憶するタイプだったので、ノートのほかにA6サイズの紙に図やポイントを記載したメモ(計17枚)と、前年同様に単語帳を作り、毎日必ず両方を1周以上見ることを義務付けました。

9月下旬にはLECの直前まとめ講座で復習し、通勤時や家事の間も伊藤先生の音声を聞いていました。

(実務)

もともと数字や計算に抵抗がなかったこともあり申告書や計算のほうが選択問題よりは相性が良く、輸出入の申告書→計算→択一→選択の順で解くと決めていました。 申告書は、①問題文のルールをマーク ②為替をメモ、20万の現地価格 ③HSコードに線引きと選択肢No、X、Eの記入(+なんとなく品名見る) ④INVのターム、ざっくり品名確認、輸入は価格計算 ⑤まず最後の注記を読んでから貨物分類開始、形状、材質、加工、調整に注意 20万以下はマークしたもの以外も一応見る ⑥輸入は税率確認 ⑦金額計算 と手順を決めました。計算問題も慣れるまでは同様に決めた手順のメモを見ながら解き、間違えたときは手順に問題がないか、どこでミスしたか、そこでは何を注意すべきかなどをまたメモして、マニュアルのようなものを作りました。

【本試験】

1年目(第56回)

会場は公共交通機関だと少し行きにくかったものの、教室は広く、トイレ数も多かったです。しかし周囲にお店がなく、お弁当持参必須でした。

試験内容は、業法は想定通りのレベルでしたが、関税法がとても難しいと感じました。続く実務の申告書は想像していたより易しいと思いましたが見たこともない原産品の問題があり回答できませんでした。計算でもうっかりミスがありました。また、実務の試験中に試験官からマーカーを使わないよう注意を受ける(本当はOK)というハプニングもありました。

通関業法:33/45 関税法等:32/45 実務:28/45

2年目(第57回)

会場が変わり交通の便が良くなりました。近くに店舗もあり昼食の買い出しも行けます。教室の机間の通路幅はせまく、トイレも女子個室2つ+多目的1つと少なめで休憩中はすこし列ができていました。また、試験時間などを掲示したホワイトボードが前方に2台用意されていましたが、なぜか2台とも右側に寄せられ私の席からはほぼ見えませんでした。

試験内容は、業法はともかく関税法の語群選択で全く分からないものがありとても動揺しました。選択式も全然自信がないのに見直しの時間をその語群問題に費やしてしまい、来年の再受験を覚悟しました。続く実務は、昨年未回答とした原産品と似た問題が出て今年は無事に解くことができました。

通関業法:36/45  関税法等:46/60  実務:33/45

【勉強時間】 合計 約526時間

2021.12.30~  みこ会課税価格テキスト

2022年  計 335:20時間

1月 63:45   テキスト読了、フォーサイト(以下F)業法テキストと問題集、ハンドブック(以下HB)で情報補完

2月 38:25   F関税法のテキストと問題集(HB補完)。まとめノート

3月 31:30   LEC貨物分類 テキスト+動画

4月 33:40   F関税法等の「等」テキストと問題集(HB補完) みこ会課税価格の例外のテキスト

5月 31:15   Fの給付金もらうためのチェックテスト攻略、計算ドリル

6月   5:00   計算ドリルを1時間程度5日のみ

7月 20:00   過去問開始。F関税法問題集を再度。単語帳作成 ※受験申込

8月 45:10   F問題集、過去問、ドリル Fテキスト再読

9月 66:35   過去問、Fテキスト、HBで確認・強化 ※模試

2023年  計 190:35時間

4月 35:00   HBの関税法を丁寧に再読。ポイントメモ作成(随時追記)

5月 17:45   F関税法を再読→問題集。単語帳作成

6月 27:40   評価額算出の復習、HB関税法等の「等」を丁寧に読む。F関税法等のテキスト再読

7月 20:45   計算ドリル、過去問、ノート転記 ※受験申込

8月 27:55   過去問、ノート転記、貨物分類テキスト+音声、ポイントメモと単語帳を1周/日

9月 60:00   過去問、貨物分類の巻末問題、直前まとめ講座+音声、ポイントメモと単語帳を1周/日 ※模試

【最後に】

受験勉強にあたり最大の敵は自分の怠け心でした。コツコツ継続することは苦手でも、瞬発力と集中力はそれなりにあったはずなのに最近はそれすらなくなってしまったように感じます。年齢のせいなのか訓練が足りないだけなのかはわかりません。私は社会人は年齢性別関係なくみんな同じフィールドにいると思っています。みこ先生がつないでくださったSNSの輪の中で、子育て中の方や激務の方も隙間時間をやりくりして勉強し、合格に向けて努力されていることを知りました。その方々と比べるとこんなに自由な時間がたくさんあるのに、過去の経験の上にあぐらをかいていたらどんどん置いてきぼりにされてしまうと実感しました。そう感じることができたのも通関士試験受験のおかげです。今後もこのような大きな試験に挑む機会があるかは不明ですが、社会人として停滞することのないように少しずつでも学び続けたいと思います。