郵便配達はやっとベルを鳴らす。

Grace さん(2022年度合格 受験回数3回)

2022年11月26日13時過ぎ、やっとベルが鳴りました。

白いヘルメットの郵便配達員の方がモニターに映る、緑色の玄関を開くとそこににっこり両手で合格通知の入った封筒を持った人が立っている。封筒を開けると税関マークの立派な合格証書…。何度もこの瞬間を想像しました。長きに渡る紆余曲折、迷える受験生の方に少しでもお役に立てれば幸いです。

私は新卒で入社した総合商社で貿易の仕事をしていました。出産で退社後、かなりの期間貿易から離れていましたが4年前にやはりもう一度貿易の仕事がしたいと、メーカーで貿易の仕事に就くことになりました。

通関士資格は貿易の仕事をしている人なら一度は受験を考える方もいらっしゃるのではないかと思います。私も何年も前から憧れていた資格でしたが、勉強の仕方がわからず、自分には無理だと思っていました。

貿易の仕事の再開に伴い何年振りかにTOEICを受けようと決心しネットで検索しているとTOEICの勉強をしながら通関士の勉強をしている方々をお見掛けし、みこ会の存在も知りました。みこ会との出会いがなかったら通関士を受けていないと思います。自信はないけどやってみようと思わせてくれるものがありました。

  • 記念受験の54回

7月に出願受付中と知り、間に合う!(出願が)と思い、まず出願してみましたが、かなりの期間勉強から離れており、フルタイム遠距離通勤、夫は海外赴任中、ワンオペで家事、2人の子供の面倒を見ながらなかなか勉強が進まず、教科書をサラッと見た程度でした。

来年の為に会場には行っておこう。受験料はTOEICの半額以下だし。ぐらいの気持ちでした。

  • 不完全燃焼の55回

この年にみこ会に入会、LECの貨物分類とも出会いました。

申告書、計算問題、課税価格等実務から手を付け、通関士の勉強は楽しいと思えるようになりました。

この年の敗因は過去問に手を付けるのが遅すぎたこと、関税法の理解が不足していたことと思います。

また一番勉強に集中したい夏に会社のシステムが大きく変わり激務になりました。

勉強したい気持ちはずっと持ち続けていましたが机に向かっても眠くなってしまいなかなか思うように勉強が進みませんでした。

今年はもう受験しても合格できないと思い出願もやめようと思いましたが娘に「ここまで来て辞めるの?ダメだったらまた来年受ければいいだけ」と、どちらが親かわからないことを言われて出願。出したからには合格したいと9月はかなり集中してやりこみましたが時間切れでした。

関税法が半分ぐらいしか得点できず不合格となりました。

また、やり切った感がなく試験会場に赴いてしまったので実務が始まったときの紙をめくる音、電卓音に圧倒されてしまいました。

自信をもって試験を受けに行かないとこういう気持ちになるんだなと知りました。「雰囲気に呑まれる」というものです。記念受験の昨年とはまた全然違った緊張感でした。

不合格で涙が出るのは勉強をやり切った人の特権だと思います。

私の場合は業法と実務が合格点に至ったことが逆に嬉しかったぐらいなので、まだまだ未熟だったと思います。

次回は結果はどうであれやり切った感を持って受験地に赴きたいと思いました。

  • 完全装備の56回

昨年の大晦日、紅白を見ながらLECの申し込みをしようかどうかと悩んでいました。

みこ会に入って教科書と過去問で充分かもと思うところもあったからです。

大晦日までに申し込むとLECの大幅割引がありますので笑 ギリギリまで悩みましたが、年明け30分前ぐらいに、「ええい!来年が最後だ!申し込んでしまえ!」とLEC必勝パックを割引価格で申し込みました。

思えばLECの講座もみこ会の推薦が無ければ受講していなかったと思います。

LECの教科書はどこよりも地味で、白黒印刷。。。宣伝もあまりされていないし、正直みこ会を知った後にLECを知りました。

第一印象は「ん?聞きづらいかも」でした笑 しかし受講が進むにつれ伊藤先生の経験値による解り尽くした解説、LECにしてよかったと思いました。関税法の理解を深めることが目的だった為、知識獲得講座のみ受講したかったのですが、年末までの割引で価格があまり変わらなかったのも同講座を選んだ決め手になりました。

講座を受講した理由の一つは耳からの勉強をしたかったこともあります。

家事をしながら、お風呂に入りながら、通勤電車の中、駅から会社まで歩いている時、いつも伊藤先生の講座を聞いていました。伊藤先生の口調そのまま記憶してしまった章もあります。10月までは誰の声よりも伊藤先生の声を聞いていました。

大晦日に申し込んだため冬休みに勉強したいと元旦にヒュー赤を購入。LECが届くまでヒュー赤のポイントチェックをすべて終わらせることから2022年が始まりました。

もちろんみこ会には入会しました。この年からみこ会の価格がUPしていたので、「55回で合格しておくべきだった!しまった!」と思いましたが(笑)かなり内容が充実していてお釣りが出るぐらいでした。

中でも過去問の解説、アプリはほかの人も言っているように秀逸です。

56回の合格率が高かったのはみこ会のバージョンアップに伴うものだと本気で思っています。

振り返ると過去問の解説なしで今までどうやって間違い直しをしていたんだろうと思うぐらいです。

アプリも最高です。正解肢にも解説があり、解説がどこよりもわかりやすいです。私が大好きな解説の一つに「ものすごくうっかりすること」があります。

業法の「重大なる過失」の説明をこんなにわかりやすくしてくれる人いらっしゃいますか?

というわけで完全武装で私の56回への取り組みが始まりました。

最初から完全武装していれば1回で合格できたかもしれませんね。

  • 中だるむ暇がなかった

必勝パックを申し込み、さらに今年は過去問も周回しようと決めていたため私の受験までのスケジュールは大忙しで中だるむ暇がなかったのも逆に良かったのかもしれません。

LECの講座は順番に配信されるため次の配信までにこれを終わらせよう。その間に過去問をこなそう、とスケジューリングできます。

伊藤先生が極めて重要とおっしゃっていた課税価格の計算問題は一周目はほぼ正解出来ませんでしたが2周目にはわりと正解、3周目はほぼ正解できるようになり、楽しくなってきます。1周目で心が折れても立ち直りましょう!申告書問題もすごくたくさんの種類がかなりの問題数あるので直前期にすることがなくなることもなく、貨物分類の重要なポイントを押さえた出題傾向は最近の本試験の傾向とも合致しているように思います。6月ごろにはスピードも正答率も上がり、自分の得意科目は実務だ!と思えるようになりました。

並行して関税法、業法はLECの過去問とヒュー青を進めていました。業法は短い家事、例えば洗濯物を干す、たたむの時に耳で勉強する、あとは講座を聞き、過去問で演習していました。

基礎に立ち返った関税法は昨年とは全然違い、伊藤先生の丁寧な解説によりつながりが出来ていきました。

丸覚えでもできる人は良いかもしれませんが伊藤先生の口癖である「~というところにつながっていきます」がポイントで、色々な分野の理解がつながっていくとどんどん記憶しやすくなっていきます。こちらも諦めないで学習を続けていくことが大切でした。

洋上転売の課税価格の仕組み等、目から鱗が落ちる瞬間が何回もありました。何を聞かれても淡々とした調子でお話をされている伊藤先生。先生なので当たり前かもしれませんが本当に深いところまで広く経験され、理解されているので初学者にもわかりやすい講義をされるのだと思います。

  • 進捗の不安

自分の勉強の進め方が合っているのかどうか、不安になることはありました。

Twitterなどですごい得点を挙げている方に、いったいどうやって勉強しているの?と聞いたこともあります。皆さんものすごく勉強されています。短期間でも集中的にかなりの量をこなされている方がほとんどです。最初から出来る人はいません。自分もしどもど言ってる場合ではない、やるしかない。と思いました。

それでも、自分の進捗を定期的にみこさんに報告し、アドバイスをいただきました。

今の自分の過去問や模試の点数、今自分はこんな進捗で勉強しているけれど、方向性は間違っていないかどうかというところです。

みこさんの分析はいつも的確で背中を押してくれました。

私が一番悩んだところは関税法や実務の肢問題の答え合わせに時間がかかりすぎるところでした。

過去問を解いた後ひとつひとつの肢を丁寧に確認することにとても時間がかかっていました。

ゴールデンウイーク明け頃でしょうか、みこさんに相談させていただいたところ、「そうですね。でも早いうちから過去問に取り組んでいるので、今は時間がかかってしまうかもしれませんが復習のペースはだんだんと上がっていくので大丈夫ですよ。」とアドバイスを頂きました。夏頃復習のペースがどんどん上がっていき、みこさんのアドバイスの通りになりました。さすがだなと振り返ります。

  • 「太陽より早く起きる」と過去問会への参加

5月ごろから、過去問会に招待して頂き毎週土曜日、本試験の時間通りに3科目過去問を解いていました。

仲間ができることで悩みを分かち合ったり、時々関係ない話もし、気分転換もしながら学習のペースが出来ていきました。

毎週土曜日定時に過去問を解くと決まっているとそれに合わせて平日の勉強の調整もできていくようになりました。

そして平日の時間を調整していく中で時間が足りないことに気づき、朝の勉強時間を確保することに致しました。

早起きは苦手で続いたことがない私でしたが「#太陽より早く起きる」をTweetすることにより本試験当日まで続けることが出来ました。

4時台に起きると朝関税法や実務の過去問を解くことが出来たり、勉強時間の確保がかなりしやすくなりました。

早起きが苦手な方は試しに一週間「#太陽より早く起きる」に取り組まれることをお勧めします。

直前期には朝に関税法、昼休みに業法、仕事が終わってすぐ実務、夕飯、お風呂がおわってから丸つけと間違い直し。と平日なのにフルで過去問を解くことができたのも朝時間のおかげでした。

  • 模試までに仕上げる

本試験までと考えるよりは「模試まで」と考えて勉強を進めることをお勧めします。

55回の時は模試を受ける準備が整っていない自分にかなり焦りを感じていました。

あくまでも本試験に合格するのが目的なので模試は一つの指標。私の場合は関税法で合格点を取ることが一つの目標でした。

振り返ると55回、56回の本試験の関税法は模試と同じか模試よりも難しいのでは?という体感でした。

2回の模試を受けたことにより1回目の模試で失敗したことを2回目には成功させようと取り組めたこともあったので2回ぐらいが妥当かなという印象です。私は関税協会とLECを受験致しました。関税協会模試の実務で按分計算で失点し合格点を取れなかったことがとても悔しく、絶対にLECの模試では合格点を取ろうと取り組みました。LEC模試で3教科合格点を取れたことは大きな自信につながりました。

たとえ合格点を取れなかったとしても自分の詰めの甘さに気づきがあり、模試は受けられる状況であれば受けた方が良いのではないかと思います。

2回の模試の結果報告後またみこさんにアドバイスを頂きました。これもまた心に刺さるお言葉を頂きました。体調管理に気をつけて下さいね。というお言葉を頂いた時、眠りが浅く少し体調が悪かったので驚きました。

本当に一人一人の受験生をよく分析していらっしゃる。すごい先生だと思いました。

  • 当日は合格しに行く

こんな風にタイトルをつけると自信満々のようですが、試験に対する自信は全然ありませんでした。

ただ、「やり切った感を持って試験会場に行く」という目標を達成できたことをとても嬉しく思い、晴れ晴れとした気持ちで当日を迎えました。今まで自分を支えてくれたみなさんに合格という形で恩返しをしたいという思いでいっぱいでした。

試験が始まるとやはり緊張はし、一限が業法でよかったなという印象です。ドキドキしながら業法を解きましたがスタンダードな内容でした。

業法を解き進めるにつき落ち着きを取り戻していきました。

二限、天敵関税法は複数選択が終わるまでは落ち着いて〇×と進めていきました。今年は択一が難しく、最後に2つどうしても残ってしまう肢が何問かありました。さっぱりわからない問題も何問かありました。わからない問題はあって当たり前とは思いましたがちょっと不安が残ったままマークミスがないことを確認し、終了しました。

お昼休みはお天気が良かったので校舎の外に出て過ごしました。太陽の光を浴びて気持ちが良い日でした。

さぁ最後の実務、頑張るぞ~というわくわくした気持ちで過ごしました。

三限の実務は去年のように電卓音に圧倒されるかと身構えましたが、これだけ勉強したんだ、大丈夫。という思いで臨んだところ去年のようなドキドキはありませんでした。私はいつも3番から解き進めます。複数選択6番でEPAの計算問題があり、「今年のビックリ問題はこれなのね!」という思いと「この問題、みこ会で見たな。解けそうだわ。」という思い。落としてもたかが二点、途中まで解いて時間がかかりそうだったので申告書が終わってから戻って解こうと思い先に進みました。56回の実務ですが、消費税の長い計算、延滞税の日付の計算、色々時間がかかる問題が多く、昨年よりは時間が足りなかった印象です。実務はやはり何よりもたくさん演習を積んだことが良かったと思います。何度も演習を重ねたお陰で最悪27点は取りに行く為に自分の試合展開はこれでいいんだと焦る気持ちを抑え抑え最後まで問題を解き終わり、ざっと見直しをして試験終了を迎えました。

この時の気持ちは「やり切った。。。」お疲れ様みんな!お疲れ様自分!という清々しい気持ちでした。

解答速報を見る勇気は無く11月8日の発表まで悶々と過ごしました。というのが試験直後のTwitterで落ち着いて解いたEPA問題で逆の選択肢を選んでしまったことが発覚。他にもミスをしているかもしれない。。。終わったことは仕方がないと思いつつ祈るような気持ちで合格発表の前日はあまり眠れませんでした。自分の受験番号を唱えながら寝落ちしました。

番号を見つけた時は信じられず娘にも息子にも探してもらいました。合格です。こんな私でもここまでやって来れたのでした。

みこさん、LEC伊藤先生、一緒に勉強してくれた仲間、55回で既に合格されているのに後輩のために色々なチャレンジ企画を実施してくれたモミジさんを中心とした諸先輩方々、ありがとうございました。通関業に従事したことのない私ですが上司も「実は欲しい資格なんだよね。マジですごい!」と、とても喜んでくれました。

2年少しに渡る長い受験生活でしたが、3回の試験を通して勉強時間の確保という意味では同じ人と思えない変貌ぶりだと思いませんか?56回の試験ではLEC必勝パック全体を通して3周ほど(部分的に5周ほど)、関税協会計算ドリル2〜3周、ヒュー青2周、過去問実務11年分5周、関税法、業法5年分5周、関税協会模試2年分3周、LEC模試2年分3周。勉強時間は1月から1044時間でした。ほとんど勉強しなかった54回、300時間ほどだった55回、同じ人間が同じ生活をしながらここまで変われました。どんなことがあっても合格するという覚悟が何よりも大切だったと振り返ります。

最後に小さいお子さんを抱えながら勉強されているお父さん、お母さんに聞いていただきたいことがあります。

高校生の息子に「母さんが家事や仕事をしながら勉強している中で、自分は勉強だけをさせてもらえて幸せだった。勉強時間を割いてお弁当作ってくれてありがとう!母さんが勉強してる姿を見たら人間はこうして進化していくんだって思った。」と言われました。親が勉強している姿を見せることは何よりも子供のやる気になるってこと、大人になって必要に駆られての勉強ではなく自ら選んで勉強することは人類の進化につながるらしい?ということ笑 お子さんは小さくてもちゃんと親の背中を見てくれています。伝わっています。大丈夫です。

これから受験される方の合格を心よりお祈り申し上げます。

Grace