外国人だけど一発合格

みーみー さん(留学生 2022年度合格 受験回数1回)

プロフィール

留学生で日本語はゼロから勉強しました。現在大学院で言語教育を専攻しています。通関士という仕事に全く縁のない人生ですが、知人に勧められて受験を決意。2022年4月に勉強開始。最初は法律条文がほとんど読めませんでしたが一発合格を遂げました。

自己採点
通関業法39/45
関税法等49/60
通関実務33/45

モチベーション

一回目は勉強の大変さに向き合うだけで、二回目はつまらなさとも戦わなければなりません。退屈さに勝てる自信は私にはありません。そして、二年連続同じ問題集を解いて同じ内容を暗記したいとは思えませんので何としても一回で合格したいと思いました。

反省点

分類や類注は早い段階から対策せず本試験で全部失点しました。
疑問に思ったのにみこ先生に質問しなかったところを本試験で間違えました。最終的に合格できたとしても本来できるはずの問題をちゃんと正解したかったです。

使用教材(役に立ったもののみ取り上げます)

・みこ会の課税価格テキスト

みこ先生が意識したかどうかわかりませんが、いわゆる「やさしい日本語」で書かれているのでとてもわかりやすかったですし通関士試験の言葉に対する苦手意識もだいぶ解消されました。56回の申告書問題には按分計算がなかったものの、計算問題と関税法等と実務の選択問題としても出題されますので、得点源として確実に押さえたい方にとって読んでおくべき一冊です。

・関税協会さんのテキストと問題集

関税評価以外全部揃えるといいです。特に本当に必要な知識だけを簡潔にまとめた『まるわかりノート』がおすすめです。私は興味がないことに対して全然集中できないので、無理に厚くて情報量が多いテキストを読んでも頭に入りません。『まるわかりノート』で大体の枠組みを覚えてから他のテキストで細かいことを読むという作戦にしました。そしたら関税法が得意分野になり模擬試験などで不合格になったことはありませんでした。

・LEC powerup申告書講座

中古で過去年度のものを購入しました。じっくり申告書問題に向き合いたい方にお勧めです。ただし、本試験の難易度とかけ離れすぎているため、精神が不安定になりやすい直前期は避けてください。

勉強法というより勉強を通して考えたこと

通関士試験の勉強に限らず、受験勉強は、言語学習とはかなり似通っています。英語が苦手だから資格の勉強もうまくいかないだろうと思われるかもしれませんが、ゼロからネイティブレベルまで言語を勉強した経験は誰にも持っています。つまり私たちの母語です。その生得的に備わっている学習能力を活かせば、どのような試験も乗り越えられるはずです。

では、私たちはどのように母語を勉強したのでしょう。生まれたその日から喋れる人間はいません。長い時間をかけて身近な人の話をたくさん聞いてはじめて言葉を発せるようになるのです。資格の勉強も、焦らずテキストを読んでインプットを十分に受けることが大切です。

そして、文法書だけ読んで英語がペラペラになる人はいないでしょう。話せるようになるためには、インターアクションを通して周囲の人から肯定証拠(こう言えば伝わる)と否定証拠(こう言ったら通じない)をもらうのです。問題集を解くことはアウトプットだとよく言われていますが、私はインターアクションのほうが正確だと考えます。なぜなら、問題集に話しかけたらちゃんと返事をもらえるのです。実際のコミュニケーションでは、私の日本語は間違っていると指摘してくれる人は学校の先生以外なかなかいませんが、問題集はどこがいけないのかをきちんと指摘してくれるのです。

話し上手になるには、回数はもちろん、いろんな場面に慣れることも不可欠です。受験勉強もしかりで、同じ問題を必要以上に繰り返して解くよりも、新しい問題に触れることはとても重要だと考えます。(私の場合、過去五年間の本試験問題も一周しませんでした。市販の問題集とみこ会のアプリで解答したことがあるはずですので、復習として効率的とは言えませんし実力測定にならないからです。)したがって、本番過去問だけでなく、受験年度の模試に申し込んだり、過去の模試問題などもをなるべく多く入手することをおすすめします。大半は新品ではありませんが、私は市販の問題集と模擬試験を全部購入しました。他の受験者ができる問題は漏らさずできるようにならなければと思ったからです。過去の模試と通信講座各社の練習問題も入手しました。新しい問題を解くことは、モチベーションを維持できるだけでなく、初見の問題でも正解できる経験は本番での自信に繋がります。

自分の言葉が相手を傷つけたかもしれないと反省した経験はありませんか。インターアクションは、誤解やトラブルが常に伴います。問題集とのインターアクションがうまくいかなかったら、なぜできなかったのか、どうすればできるようになるのかを頭の中で整理するようにしましょう。今まで何回も日本の資格試験を受けてきて、合格するには覚えるだけでなく、出題傾向や出題者の意図などを分析することも不可欠だと感じます。

もし周りに話が極めてわかりにくいが、どうしても関わらなければならない相手がいたらどうしますか。よくわかりませんけど大体こういうことを言っているだろうと、その人の話のパターンを掴めていけば、コミュニケーションが円滑になります。通関士試験の日本語は、まわりくどい表現があったり、重要な情報が細部にあったりしますし、ひっかけもよくあります。選択肢と問題文を正確に読み取れなくて絶望したことが何度もありますが、パターンを把握できるようになったら問題を素早く読んでスムーズに正解できるようになりました。