デナリ さん(50代男性 メーカー勤務 2021年度合格 受験回数1回)
<プロフィール>
当方50歳超えのメーカー勤務(男)です。約2年半前に貿易関係部門に異動しました。2年前に貿易実務検定 B 級を取得しています。
昨年より貿易実務関係の社内教育担当となったこと 、委託している通関業者の方とのやり取りで知識不足を痛感したこと、コロナ禍で在宅時間が増えたこと等から通関士試験の受験を昨年12月に決意しました。
<教材選び>
初学のため、ネットで検索してテキストが見やすいと評判の高かったフォーサイトに昨年12月に決定しました。(割引キャンペーンもやっていました)
長所
・通信教育に実績のある会社なのでテキストがコンパクトにまとめられていてカラフルで見やすい。 テキストが丈夫につくられているため 破れ、汚れ等に強い。
・講義動画(WEB)も聞き取りやすく、テキストと同じ画面が出てくるので理解しやすい。
・Web のサイトで学習計画を半自動的に作れるようなっている点も良い。(以上、当初の印象です)
・問題集は過去問をジャンル別に整理して構成、テキストに書かれてないことも含めて問題集を繰り返し、解くことで必要な知識を取得するように作られている。(後で思ったことです)
短所
勉強するにつれ、分かったことです
・テキスト&講義動画が通関実務の解説が圧倒的に少ない。特に輸入申告書は輸出申告書で説明済の旨、大幅に省略されている。原産地規則ついての解説はほぼ皆無。
・問題集は解説が不十分な問題(なぜその解答になるか)が多くありました。計算問題(過去問)についても加算要素等の解説(加算、不加算の理由)があまりありません。また、別途、再現問題集なるものがありましたが、単に昨年の過去問でした。 (ネットでタダで入手できます)
・9月になってテキスト、問題集に基本的な間違い(NACCSでできない申請内容等)があり訂正(焦りました。直前に訂正する内容じゃないかと)
・途中からアニメの講義動画(初音ミ○もどき?)も追加されましたが、内容は講師の方の講義と同じ(当方、ガンダム世代ですがアニメは不要。その分、安くして)
・質問は無料では5問まで以降は1問1千円。 躊躇して結局、質問は2回だけしました。(コスト削減なのでしょうが、質問しづらいし質問するのが遅くなるのが致命的)
・ネットで通関士試験関連の検索を沢山したからか、やたらとフォーサイトのネット広告が出てくる(今でも)
<学習時間>
コロナ禍で原則、在宅勤務なので平日は仕事前に30分から1時間、昼休みに30分、就業後に1、2時間程度、週末は直前期以外は土日祝の半日を勉強に当てました(あくまで則)。直前期は土祝日は8時間程度です。
<12月〜4月 学習開始&早くも中弛み?>
昨年12月に学習を開始し、通関業法、 関税法、通関実務の順番でとにかくフォーサイトのテキストを講義動画を見ながら3回繰り返しました。
その後、ジャンル別の問題集(過去問)を解きましたが、憶えたと思っていた箇所を間違えます。テキストで解説のない問題も多々ありました。
間違えた箇所を繰り返し解くうちに通関業法と関税法はだんだん正確に解答できるようになりました。
フォーサイトも言っているようにアウトプット(問題演習)が大事だということを痛感しました。
しかしながら、通関実務については申告書の問題が理解できません。特に品目分類が苦手で時間(約1時間)をかけてもなかなか解けませんでした。
余談ですが、スキーが趣味なのでこの時期(12月から3月頃)は 2週に1回ほど滑りに行って週末はあまり勉強しませんでした。(昨シーズンはスキーは積雪、混雑度では当たり年でした)
<5月〜6月 停滞期?&みこ会との出会い>
関税協会のサイトで本試験の過去問をダウンロードし 直近の問題から解き始めました。フォーサイトの問題集は過去問を再構成したものなので一度解いた問題もあるため通関業法と関税法は70%程の点数を取ることができました。(当たり前ですが)
しかしながら通関実務は50%前後しか得点できずまた時間もオーバーしてしまう状態でした。 (正直、この頃は合格は無理と思ってました)
焦りを感じて勉強方法の見直しをすることにしました 。ネットで調べる中で評判の高い、みこ会に6月初めに入会しました。(藁にもすがる思い)
<みこ会>
・みこ会の記事を一通り読みました。 目標得点、申告書問題の解き方 、課税価格の計算、原産地規則等がとても参考になりました。
以降、何度も読み返して勉強の焦点がずれないようにしました。(無料でネットで調べることも可能かもしれませんが時間が勿体ない。時は金なりです)
・記事を見て教材の追加としてヒューマンアカデミーの「通関実務集中対策問題集」を購入。課税価格の解説が詳しく書いてあり役に立ちました。
・課税価格等、模試や過去問で不明な箇所を最終的に3回ほどですが質問させてもらいました。
・Twitter は見るのみでしたが情報収集や皆さんの頑張りに刺激を受けました。(Twitter の皆さんのやる気と実力は凄すぎです)
<7月〜8月 またもや中弛み?>
通関業法、関税法は フォーサイトの問題集の違えたところを 中心に繰り返し解き、テキストを見て復習しました。
通関実務は計算問題はフォーサイトの過去問を繰り返し、加算要素で間違えた箇所を理屈を理解できるように復習しました。(解説が不十分なところはみこさんに質問)
「通関実務集中対策問題集」の計算問題も解きましたが難易度が高く間違えてばかりです。
週末に過去問中心にを解き(3科目全て)、間違えた箇所を復習しました。この頃になってようやく過去問の申告書問題が解けるようになってきました。
申告書は「通関実務集中対策問題集」もやりましたが、結局、1回づつしかできませんでした。
余談ですが、オリンピックをテレビ&ネットで結構見ていました。ながら勉強です。(チケット 持ってたのに。。。)その分、お盆休みは大部分を勉強時間にあてました。
<模試 8月下旬から9月上旬>
通関士試験は初受験のため試験に慣れるため3つ受験しました。 以下感想です。
関税協会:難易度、マークシートの 形式などが一番本試験に近いと思います。解説も充実していて復習に役立ちました。(本試験を想定して一つに絞るとしたらここかと思います。 )
LEC: 会場試験(水道橋)があったため受験しましたが 、試験官が途中で退出するなどあまり緊張感はありませんでした。座席も自由でした。難易度はかなり高かったと思います。輸入申告書の課税価格が加算の判断違いで全滅し通関実務は14点と散々な結果でした。かなり凹みましたが(お葬式状態)、実力不足を痛感し、奮起するきっかけになったのは今思えば良かったと思います。LECを受けなかったら油断して合格しなかったかもしれません。(本番に優る経験なし)
MHJ:貿易実務検定の主催もしているところですが、 どうも日本語の表現が私にはしっくりきません。(本試験とはかなり違う?)またマークシートも普通の紙でマーク欄が四角だったり、数値の解答は0の桁はマークしない等、本試験と違う形式になっていました。計算問題は後々、練習問題として繰り返し解きました。(この点では役立ちました。)
<直前期9月>
テレビやネット視聴も制限し勉強に集中しました(当たり前ですね)。計算問題は内容別(延滞税、過少申告加算税、消費税など)に毎朝必ず解くようにしました。
消費税の計算問題を定期的にやっていたのが本試験で役に立ちました。
通関実務の勉強時間を増やしましたが、通関業法、関税法の問題を解くと以前は正解していたはずの問題を間違えていることが多く、通関業法と関税法の勉強も少し増やしました(減らした分、戻しました)。直前期は毎日必ず3科目勉強したのが、今年の本試験には良かったのかもしれません。
<試験前日>
東京会場(東大駒場)でしたが、 電車の遅延も考慮し(当方、千葉在住)、 会場から徒歩15分ぐらいのホテルに泊まりました。 前日に下見をしましたが、Google Mapでは正門ではなく最寄りの入り口を案内します。実際はコロナ禍の影響で正門以外は閉鎖されていました(下見で正門の守衛さんに確認済)。
なお、下見ではコロナ対策か構内には部外者は入れませんでした。 (こちらも正門の守衛さんに確認済)
また東大駒場周辺は 細く道が入り組んでいるため 、徒歩で行く方は下見をしておく事をおすすめします。(井ノ頭線だと正門の目の前に駅があります。やっぱり東大ってすごい)
<試験会場>
・会場は1号館の一番奥の教室でした。 時計はありましたが、なぜか横の壁にあり私の席からは見えませんでした。(時計は必ず持っていきましょう。)
・座席は四人掛けの机に2人、前後の人とは互い違い座るようになっていました。私は左端に着席だったため右側の空いてる机に予備の筆記用具と時計などを置くことができました。
・試験直前に慌てて入室してくる方がいました。集合時間は過ぎてましたが受験はできたようです。(時間に余裕を持って行きましょう。)
・食事はコロナ対策で自席で取るように試験官の方から説明がありましたが、実際は外で食べることもOK だったようです。(今年は快晴でした)
<持ち物>
・B の鉛筆3本、 鉛筆削り、三色フリクションボールペン3本、消しゴム3個、定規、卓上時計
・電卓:簿記用のカシオを買いました。(値段は多少しますが、 安いものとはキータッチ等の使い勝手が違います。通関実務は時間が厳しいので電卓にも拘ったほうが良いです)
補足:関数機能付きや液晶表示が角度調整ができるのもの(カンニング防止?)はNGなので注意が必要です。
・テキスト参考書:前泊だったので、ほぼ全て持って行きました。(持って行かなかったことで試験当日に不安になるといけないので)
・昼食&おやつ:パンとチョコ、ゼリー飲料を持ち込み休憩時間にもエネルギー補給しました。 眠くなるといけないので昼食は食べ過ぎないようにしました。
<本試験>
・通関業法:いきなり語句選択で躓きました。難しかったです。いくら考えても分からないものは分からないので、迷ったところは勘で選んでどんどん進めました。あまり時間に余裕はありませんでした。(一通り見直しをして時間終了)
・関税法:通関業法の結果を考えてもしょうがないので 気分を切り替えて臨みました。こちらも例年より若干難しかったのではないでしょうか。時間が余ったのでじっくり見直しましたが、マークミスが見つかりました。(複数選択2点分でした。 見直しはしっかりしましょう)
・通関実務:申告書は後にして、他の問題を先に解きました。消費税の計算に手間取り15分ほどかかってしまいました。(正解はできました)
選択問題は深く考えてもしょうがないので早めに済ませて、残り1時間ほどで申告書問題(配点の高い輸入→輸出の順)に取り組みましたが 今年は申告書がとても易しかったので助かりました。
<自己採点>
試験直後は通関業法と関税法は落とした、通関実務は易しくて余裕と思っていましたが、自己採点は以下の通りです。
(通関実務はマークミスの可能性も高いため合格発表までハラハラドキドキでした。5社で自己採点しました)
・通関業法: 合計32/45 語句選択16/25、複数選択8/10、択一式8/10→得点源になるはずの語句選択が難しかったです。
・関税法: 合計40/60 語句選択17/25 複数選択10/20、択一式13/15→択一式になんとか救われました。(こちらも得点源になるはずの語句選択が。。。)
・通関実務: 合計31/45 申告書19/20、複数選択4/10、計算問題6/10、択一式2/5→余裕と思っていたら、計算問題は2問間違い、申告書が易しくて大変助かりました。
<総括>
ギリギリの点数でも、合格できたので良かったのですが、 もし通関実務が例年通りの難易度だったら合格は厳しかったと思います。
他社の通信教育の教材を見ていないので比較はできませんが、今だったらフォーサイトを選ぶかは微妙です。(あくまで個人的感想です)
みこ会の入会が6月と遅かったため、もっともっと早く入会して活用できれば良かったと思います。(今なら教材決定前にみこ会に入り、教材の検討したと思います)
でも、みこ会に入会していなかったら、おそらく合格できなかったと思いますので、みこさんには感謝、感謝です。
これだけ勉強したのは大学受験以来、30年数年振りでした。年を取ると体力、記憶力、気力も落ちて、正直辛いところもありましたが
五十才過ぎても国家試験に挑戦できて良かったです。もし年齢を理由に受験を躊躇されてる方がいれば、遅すぎることはないと思いますので、是非チャレンジされることをおすすめいたします。(上から目線ですいません)
<おまけ>
せっかく勉強したので 12月の EPA 検定 と通関ビジネス実務検定 (みこ会タイアップ)も受けることにしました。(勉強するのが習慣になりました)
今さら気が付きましたが、EPA 検定のテキスト(C 級)は通関士試験の通関実務(原産地規則)の勉強に役に立つと思います。(今年も通関実務で3点分、出題されました。テキストだけなら安いかも)
通関ビジネス実務検定のテキストも貿易実務検定(同じく実質MHJ主催)と違って良くまとまっていて見やすいです。
フォーサイトのテキストより 解説が丁寧で理解しやすい部分もあり、こちらも今さらですが、なるほどと思う部分があります。通関士試験の準備に受験されるのも良いかもしれません。
以上、長文失礼致しました。
来年受験の方、頑張ってください。