私と通関士試験ちゃん

Noob さん(30代 会社員 2021年度合格 受験回数1回)

第55回通関士試験に合格致しました。社会人、業界未経験、初学者という条件下での受験となりましたが、これから学習を進められる私と同じ境遇の方の参考になれば幸いです。

        * * *

1月に受験決意並びに試験までの9ヶ月を正しく進められるよう情報を収集。飽きっぽい性格から、一発合格以外に通関士資格取得は難しいと見定め、収集した情報の中から自身の性質に合い尚且つ有効であろうと思われるものを模索。春に別の国家試験を控えており、そちらを独学で進めていたため、通関士試験は資格予備校の通信講座受講を検討。


2月になる頃ようやく
  ( TAC+みこ会+Twitter )×  学習
         を最適解と推定しました。


方針の決定後は自身が定量の学習を重ねるのみとシンプルでわかりやすい状況になります。
しかしながら私は、意思が弱く、自分に甘く、不合理な方法を取ることに抵抗がなくと、長期に及ぶ通関士の学習においておおよそタブーとされる要素で構成される日常を送ります。

  • 毎日勉強することを良しとしない
  • 通勤等の隙間時間を勉強に充てない
  • 通関実務の学習は7月から開始(TAC準拠)
  • オリジナルのまとめノートを作成

試験攻略に学習の習慣化は欠かせませんが、習慣のサイクルは人それぞれで良い筈です。
毎日の勉強を自身に強いて息切れしたり、通勤や仕事の合間に内容の伴った勉強ができるほど器用ではないことを私は知っていました。
意図的に学習時間を抑えることで、「早く勉強したい」と思う飢餓感になり、それは机に向かった際の高いモチベーションと集中力保持に役立ちました。一番恐ろしいのは、ダラダラと時間を費やし「勉強した気になること」です。
まとめノートの作成は、その作成時間、手間を大きく上回る自身へのメリットがない限り必要ありません。誤った知識定着のリスクももちろん高いです。
私はTACの授業配信の間、ジッと聞いてると退屈して集中できないため、学習において能動的な時間の確保を目的としてあえてノートを作りました。あくまで自分の心持ち優先です。
授業は1.2倍速で聴き流すような形にし、その間にTACのテキストから要点を抽出したものに翔泳社の通関士完全攻略ガイドから補足情報を加えてノートに纏めて、TACスピードマスター、過去3年間の過去問と併用する形で通関業法と関税法等の学習を進めました。


以下、具体的な学習の流れへと続きます。

      * ① *


【通関業法及び関税法等のインプット期】
【2月〜3月*通関業法+貨物分類】
【2月〜4月*関税法等+貨物分類】
【4月〜6月*関税定率法+課税価格の決定】

通関実務同様、通関業法と関税法等においても本質的な理解は欠かせないものの、合否を左右するのは最終的に単純な知識量であるため、時間をかけて頭に入るよう「忘れる」ことを恐れずに、一定の間隔をかけて学習を進めました。
覚える → 忘れる → 覚え直すという反芻は、遅々とした歩みながらも頭に残れば容易には消えない強固な記憶となるため、通関実務の学習が始まる7月の頃には業法と関税法は本試験で充分に合格できるレベルに達しており、残りの3ヶ月を通関実務の学習に集中して使用できるアドバンテージとなりました。

       * ② *

【通関実務学習開始】
【7月〜8月*通関実務+2科目定期メンテ】
【Twitter本格使用開始+zoom勉強会参加】
【「みこ会&LEC貨物分類」の二大攻略本】

TACのカリキュラムでは通関実務対策が7月開始と遅いものの、通関業法と関税法等と並行して貨物分類並びに課税価格の決定の学習を進めるため、ある程度前提知識を持った状態で迎えることになります。しかしながら通関実務は本質理解が不可欠であろうことは2月の情報収集で察知していたため、Twitterで評判の高かった、

    「みこ会 • 課税価格の決定」「LEC • 貨物分類対策講座」

こちらの2つのテキスト、講座で知識を補完。それまでの表面理解から本質理解に昇華させ、尚且つ体系化した状態で自身に落とし込むことができ、通関実務の学習に大きな効果を発揮してくれました。また、セオリーと反することになりますが、通関実務の過去問は一度も触れずに、TACの実務対策教材と、日本関税協会の「ゼロからの申告書」、「計算問題ドリル」の周回を重ね、自身の心地良さを優先してきた学習方法でどの程度の結果が出るのか、9月初旬に4つの模擬試験を受けることとなります。

       * ③ *

【試験直前期】
【 TAC / LEC / MHJ / 関税協会 / 模擬試験】
【zoom過去問会で溜めてた過去問に着手】

4種の模試は全てで3科目ともに合格ラインを超えることが出来ましたが、個人的には会場受験で本試験の擬似体験をすることの他に、模試で大きな効果を得られるとは思いませんでした。
関税協会のものを除き、予備校模試は本試験に比べればニッチな出題傾向にあり、それだけに本試験との関連性は薄いと感じたからです。
実際に模試の復習は不必要と判断し、これまで重ねてきた基礎知識、頻出問題の確認に時間を割きました。通関実務に関しては、これまで努めて触れないようにしていた過去問にようやく着手することを許し、直前期に本試験に直結する良質な問題を初見で解ける、自身で用意した模擬試験のような形で利用。Zoom過去問会で本試験同様のタイムスケジュールでその時間を重ねられ、得点も8〜9割取れていたので、学習に飽きず、良いイメージを保ちながら本試験を迎えられる直前期を過ごすことができました。


         * * *

官報に名前を見つけ、合格証書を受け取り思うことは、本試験に向けて1月から情報収集をし、自身の性格に沿った形でうまく反映させ実行できたことが勝因であろうこと。また早くに基礎知識の大切さに着目し、大切に育ててこれたことも大きな要素であると実感しております。そして何より9ヶ月間の学習(約500時間)を積み重ね、継続できたのは、みこさんをはじめ、Twitterで出会った多くの方に刺激を受け、支えられたからにほかなりません。コロナも終息に向かいながら、常に不安定であった2021年を結果的に素晴らしい1年にすることができました。

皆様本当にありがとうございました。

これからチャレンジされる方も、健康に充分な配慮をされながら是非ともTwitterを情報交換とモチベーション獲得のために活用していただき、その中からご自身にあった選択を以て学習を進まれるよう応援しております。

がんばってねー!!