いおり さん(30代女性 金融業 2021年度合格 受験回数2回)
現在金融業に勤めておりますが、そもそも通関士試験を受験しようと思ったきっかけは以前の自宅近くに税関があったことです。通関士という職業があることを知り、「かっこいい名前のお仕事だなぁ!」と思っていました。
しばらく忘れていたのですが数年後転職を考えるようになった時に「何か資格を取って転職の足がかりにしたい、何か勉強したい、せっかくなら国家資格取ってみよう!」と考え、通関士資格の事を思い出しました。
貿易の事を何も知りませんでしたが何だか面白そうだぞ!と興味を持って勉強を始めました。
独学で当然周りに通関士の事を知ってる人も、情報もない状況で1年勉強しましたが54回は業法7割、関税法と実務は5割の得点で不合格。
6割取れたら合格する試験ですが、甘く見て勉強を6割の理解でいいやと思っていたのが敗因だと思います。初見で取れない問題も出ますし、6割の理解では太刀打ち出来ないと痛感しました。
試験の直前にみこ会の存在を知り、もし落ちたら入会しようと決めていたので合格発表当日に早速入会。
記事を読み漁り、勉強の進め方や計画の立て方などを特に熟読しました。
方針としてはテキストをまず1周、それから早速過去問を解き間違えた箇所や正誤判定の根拠が曖昧か不正解の箇所をテキストに戻って確認するということを徹底しました。過去問は何度も何度も解答を覚えてしまうくらいやりこみました。
教材は下記の通りです。
○テキスト:通関士完全攻略ガイド ヒューマンアカデミー
→2年目ですが1から学び直す気でしたので、細かく解説されていてありがたく、分かりやすい内容でした。
○どこでもできる通関士 選択式徹底対策
→選択肢無しの穴埋めです。
通勤や昼休みのお供にずっと持ち歩いていました。3分野に別れていますが試験範囲を偏り無く満遍なく復習するために、それぞれ3つ付箋を付けておいて並行して読み進めました。これはかなり効果的で、学習が偏って忘れてしまうことがあまりありませんでした。
○みこ会のテキスト
課税価格の決定について初年度は丸覚えしていましたが、加算、非加算、控除になる理由が丁寧に解説されていて大変勉強になりました。理由が分かると変化球が来ても落ち着いて考え、判断ができるようになりました。
○過去問スピードマスター
過去問ですが分野別になっているので本試験の過去問とは別にやりこみました。7周はしたと思います。
上記とは別に計算ドリル、ゼロからの申告書、単発で貨物分類講座等も大いに活用しました。
初年度ではやらず2年目でやってみてこれは良かったなと思うことは以下の通りです。
1、テキストは早く読み進める
まず早く1周して過去問、問題集を取り組みながら理解を深めて知識をつける。
2、実務対策は早めに!貨物分類の知識は早めに勉強して分類のポイントを自分の物にして下さい。申告書問題はとにかく時間との戦いです。分類の切れ目や知識は大いに時間短縮に役立ちます。申告書楽しくなると一気に勉強が楽しくなります!
3、隙間時間を大切に!勉強しない日をつくらない!
子供2人と仕事もフルタイムだったのでととにかく勉強時間を捻出するのが大変でした。どこでも通関士やみこ会のテキストをタブレットで電車の中で15分読んだりしてとにかく暇さえあれば勉強しました。
試験範囲にたくさん触れることは知識の定着に必須です。また勉強の習慣をつけるために勉強しない日を作らないことを遵守しました。しんどい時は1日15分でもいいのです。必ず1回は範囲に触れること。平日2時間、土日は4時間やり結果的に1年で900時間勉強しました。
4、耳から勉強する
みこ会のテキストをPDF読み上げアプリで再生したり、LECさんの貨物分類講座の音声のみを子供の寝かしつけ時や勉強出来ない時に聞いて勉強していました。
5、模試を受ける
2年目で初めて模試を受けました。会場でしか確認できないこと(科目の合間の時間の活用の仕方~トイレのタイミングまで)を体感する為です。緊張のあまり時間配分を完全に間違えてしまい、実務で大失点しましたので本試験ではきっちり時間配分を決めて受けることが出来ました。
6、勉強仲間を作る
Twitterアカウントを作ったことで同じ通関士試験を受ける仲間が出来ました。質問をして皆で解決したり、教材や試験情報の交換を頻繁にしていました。一緒に頑張れる仲間が出来たことは異業種で挑戦している私にとって大変心強かったです。
試験当日は念の為前泊して当日は6時に起床しました。予め直前に確認しておきたい箇所に付箋を貼っていたので、会場に向かう前や試験の合間はそこから確認していました。
着席してからは周りを見渡して深呼吸を繰り返しとにかく落ち着くよう務めました。
○業法:かなり自信があった語群選択で初見の問題があり、血の気が一気に引きました。もうダメかも…….と思いましたが「これは皆分からないはず!」と思い直し、最後まで解いてみ見直ししてから考えることにしました。
※余談ですが語群選択問題は過去問ほぼ完璧に解けるようにしておくのがいいです。合計で25点ありますのでここが強くなると点数が安定します。
○関税法等:複数選択でかなり悩みました。結果ここは半分しか合っていませんでしたが他の問題で何とか取り返しました。
○実務:模試での失敗を踏まえてかなり細かく時間配分を考えました。輸入申告書40分、輸出申告書15分、問3~7問を10分、問8問~12問を15分、13問~17問を10分、見直し10分が目安。輸入申告書をじっくり考えたかったので問3~17→輸出→輸入の順で解きました。
去年は消費税を落とし今年出たらぜったい当てると決めていたので、出題されてるのを見た瞬間心の中でガッツポーズしました(笑)
輸出申告書は注にほぼ書いてあったので悩まず分類出来てラッキーでした。輸入は何度も過去問をやった飲料類やお菓子だったのでこれは貰ったと再び心の中でガッツポーズ!
試験が終わり自己採点で大丈夫なのを確認しましたが、見直ししたのにマークミスしてないかと合格発表まで不安でした。
当日ドキドキしながら官報で自分の名前を確認した瞬間目が潤んでしまいました。去年の悔しさを思い出し、本当に嬉しかったです。
2年かかりましたが貿易のぼの字も知らない状態からここまで来れたことは、勉強に集中させてくれた家族の協力や応援、そしてお世話になった講師の方々、苦楽を共にした勉強会のメンバーのおかげです。
この場を借りて御礼申し上げます。
試験は年に1回しかないので、これから挑戦される方は「ここまでやってダメなら悔いはない」と思うまでぜひやり込んで頂きたいです。
そして、試験当日は自分の1年間の思いをぶつけてきて欲しいです!心より応援しております。