kbbf さん(20代女性 貿易事務(入社3年目) 2021年度合格 受験回数1回)
【受験のきっかけ】貿易事務の仕事をしており、通関士としての仕事に興味がありました。自己育成として資格を取得してみようと思い、この度受験しました。
【使用教材】①通関士 完全攻略ガイド (翔泳社)所々にイラストや解説がついているのでイメージが掴みやすく、過去問で問われたちょっとしたポイントを欄外に記載してくれているので、このテキストを使えば、大体の内容は網羅できるのではないかと思います。
②通関士 過去問題集 (翔泳社)
ジャンルごとに厳選された過去問が集約されています。一問一答タイプではないので、じっくり考えながら何回も解くことで着実に力がつくと思います。
③通関士試験問題・解説集 (関税協会)過去問が3年分と、ジャンルごとにまとめられた過去問があります。ジャンルごとの過去問に関しては、一問一答タイプの問題となっており、さらっとこなせる感じです。問題数も多いので繰り返し解けば基礎学力は身に付くと思います。また自分の不得意分野がどこなのかが分かりやすいので苦手なところだけ集中的に取り組むこともできます。
④通関士試験 ゼロからの申告書 (関税協会)実務を受けるなら必須な問題集だと思います。申告書問題で点を取れるかどうかが合格のポイントになるので、何度も繰り返し解くことが大切です。
⑤計算問題ドリル (関税協会)実務の計算問題に特化した問題集です。レベル別に分けられているため、基礎からしっかりと理解できます。
⑥関税評価ドリル (関税協会)みこ会の課税価格テキストがあれば、これは正直いらなかったかなと思いますが、市販テキストのみの使用であれば、これがあると理解が深まると思います。
⑦通関実務対策講座 貨物分類編 (LEC)私は単発でこの講座を受講しました。受講料は高いですが、独学でこれだけの知識を得ることを考えると受講して損はないです。試験で狙われやすいところ、重要なポイントを繰り返し説明してくれるので、一通り聞くだけでかなり知識がつきます。この講座を受講してから申告書問題を解いてみると、ものすごく問題が解きやすくなっていて驚きました!
⑧課税価格の決定テキスト (みこ会)みこ会のテキストを読めば、どうしてこれが加算でどうして非加算になるのかが詳しく説明されてあり、暗記ではなく、きちんと理解することができます。なんとなくで解いていた問題も、これはこういう理由だから加算/非加算になる、と自信をもって答えることができ、得点源になりました。
【勉強方法】平日は仕事で、定時であがれることがほぼなく、基本22時ごろの帰宅となるため、夜に勉強する時間がとれませんでした。代わりに朝早く起きて勉強するようにしました。また通勤中には、みこ会のテキストや記事を読んだり、LECの貨物分類講座の音声を聞いたりするようにしていました。土日は平日に勉強できない分、最低でも1日7時間は勉強するようにしていました。偏りがでないように、月木は関税法、火金は実務、水は業法、土日は主に関税法と実務、というように曜日で勉強する科目を分けていました。
<業法・関税法>まずテキストには何も書き込まず、ただ読んで、その後に問題を解いてみました。この段階では問題が解ける解けないよりも、どういうところが試験で狙われるかを確認しました。『何度も繰り返し問われるところ=重要な箇所』になります。それを踏まえた上でテキストをもう一度読んで問題を解きました。これを繰り返し行い、何度も間違ってしまうところ、あやふやになってしまっているところをテキストにマーキングするようにしました。また一通りテキストや問題集をこなしてくると、テキストのこの部分の説明が足りないなとか、ここと混同してしまうから気をつけよう、などが自然と分かってくるので、そのタイミングでテキストに自分なりに書き込みをするようにしました。どうしても覚えにくいところは、その部分を単語帳に書き出してみると覚えやすかったです。
<実務>申告書問題は、直接書きこんだほうが解きやすいので、『自然に消える しるしつけペン』という100均に売っているチャコペンを使用していました。これを使うと数日後には書き込んだ部分が勝手に消えてくれるので、ゼロ申の問題集は、これを使って何度も何度も繰り返し解きました。(本来はチャコペンとして使用するものなので若干やりにくい部分はあります。ですが、書き込んだ部分を自分で消す必要がないため、私は過去問を解く際もこれを使用していました)
どの科目でも共通して行ったことは、選択肢を読む際、1文をそのまま読むのではなく、ある程度のところでスラッシュを入れて文を区切るようにして読みました。最初は何も印を付けず選択肢を読んでいたのですが、理解できている内容なのに、ちょっとした引っかけに気付かず読み違えをして失点してしまうことがありました。1つの選択肢を読んで、そこで正誤を考えるのではなく、スラッシュで区切ったところまでを読んで、その都度正誤を考えるようにすることで正答率がぐっと上がったように思います。少し時間をかける方法にはなりますが、本当ならできた問題を落としてしまうことが一番勿体ないと思ったので、私はこの方法で問題を解きました。また、正誤問題では、どうして間違っているのか、正しい答えは何であるのかも含めて考えるようにすると、たった一問解くだけでも自分の理解をかなり深めることができたと思います。
【模試】関税協会とLECを受験しました。模試は本試験とは違うので、合格点に達していなくてもそこまで落ち込む必要はないと思います。(私はLECの実務は合格点に達しませんでした)大事なことは、自分の弱点を見つけて本試験までに潰しておくことだと思います。特に自分が間違えた問題の正答率を確認し、皆が解けているところで落とした問題は何度も確認するようにしました。
【本試験】全体的に、作成者が変わったのかな?と思うくらい、これまでの過去問と雰囲気が違っていて、細かいところまで聞いてくる試験、という印象を受けました。見たこともない問題もありましたが、みこさんがそういう問題は必ずあるもの、とおっしゃられていたので、皆同じ様にできていないはずと思い、気にせず他の問題を解くようにしました。一通り解き終わったら、マークミスをしていないかをまず確認し、そこから見直しするようにしました。業法と関税法は、頭から解いていきましたが、実務は第3問から最後の問題までをまず解き、最低でも1時間は残して、輸出申告、最後に輸入申告の問題を解く方法で行いました。実務に関しては、自分のやりやすい方法があると思うので、どの流れが解きやすいかを確認しておくとよいと思います。
また試験と試験の間は、持っていったお菓子を食べて糖分を補給し、できるだけリフレッシュした状態で試験に臨むようにしました。
【振り返ってみて】私は1月から勉強を開始しました。十分に時間が取れないことを考えて早めに取り組んだつもりですが、やはり試験が近づくにつれ、もっと問題集をやりこむ時間が欲しかったです。いつから勉強しよう?と思われていたら、今すぐ始めることをお勧めします!
私は貿易事務の仕事をしているので、なんとなく貿易の流れは分かるのですが、通関士試験の内容は仕事の内容とはまったく違っていたので、最初は何のこと??法律ばかりで読みにくいなあ、と思うこともたくさんありました。ですが、そこで立ち止まらずに、とりあえず読み進めてみる、とりあえず問題を解いてみる、何度もこれを繰り返しました。そうすると、あっ、これってそういう意味なんだと腑に落ちるタイミングがあります。最初は分からないのは当たり前。初学者なら尚更だと思います。諦めずに続ければ、いつの間にかテキストを読むのも楽になってきます。ぜひそこまで頑張って続けていただきたいです。
みこ会の記事や過去問・問題集の解説なども重宝しました。私はみこさんに直接質問することは少なかったのですが、よく聞かれている質問はすでに記事としてまとめてくださっていたので、問題を解いていて躓いたときは、まずそこを確認しましたし、原産地基準や法改正の内容も非常に分かりやすく説明されていたので本当に助かりました。
また私は試験日の1週間前くらいから、もう一度テキストの読み直しを行いました。この時期は、どちらかというと問題を解きがちになると思うのですが、その場合、過去問でよく出てくる問題は解けるけれど、これまでに出たことのない問題に対応できないかもしれないと思い、テキストを読み直し、細かいところを再確認しました。今回の本試験は、さらに踏み込んだ内容を聞いてくる問題が多かったように思うので、これをやっておいたおかげで高得点が叩き出せたのかなと思っています。
試験を受験される皆様のお役に少しでも立てれば幸いです!頑張ってください!