いつやるか?今でしょ!

雫月 さん(30代男性 航空FWD輸入事務→異業種→航空FWD国内集配部門 2023年度合格 受験回数2回 ※1回目は第47回試験)

その資格の名前を知ったのは大学3年生の時だったと思います。
サークルの部室に行くと文学部の女の子が分厚いテキストを手に、ツウカンシなる資格を勉強していると周りに話していました。

テキストを見せてもらいましたがちんぷんかんぷんです。経済学部の後輩が「カンツウシ頑張ってください!」と言うのでコイツは本当に人の話を聞いてないなと思いました。
自分がその資格に2度も挑戦することになるとは夢にも思わずに……
そんな私の合格体験記、駄文で申し訳ありませんが最後までお付き合いください。

【1回目不合格~2回目チャレンジ】

大学を卒業して航空FWDに入職した年に1回目の受験(第47回試験)をしました。仕事に関係ある資格だから取ったら何かしら評価されるかな?という「なんとなく」な理由でした。

フォーサイトの教材を申し込み、講義DVDを見て問題集をやって……自分なりに気合を入れたつもりでしたが結果は通関実務で惨敗。
与えられた教材をこなすだけで満足してしまい、過去問に手を付けるのが遅すぎましたし、実務の関税評価の学習も不完全燃焼のままでした。

落ちるべくして落ちた試験だったと今になって思います。

その後は通関士試験からは遠ざかっていて、全く関係ない業界に転職をしたこともありました。
それでもやっぱりこの国際物流の世界は面白いし、学び足りないこともたくさんある。

せっかく得た経験を無駄にしたくないと思いましたし、もしこの業界でずっと働くなら専門性を身に付けたい。
それならば通関士試験だ!と、今回の第57回通関士試験への再チャレンジを決意したのです。

【みこ会入会~GW終わりまで】

GWあたりから独学で始めるかな~と思いつついろいろ情報収集をしていた3月の初めごろ、みこ会の存在を知りました。
最初はよくある情報まとめサイトだと思って読み進めていたのですが、この合格体験記を読んでいるうちに不思議と勉強のモチベーションがみなぎってきたのです。

いつやるか?今でしょ!(某予備校講師風に)
そのために使えるものは何でも使ってやろうじゃないか!

駆り立てられた私は勉強計画の前倒しを決め、その日のうちに即入会申し込みをし、週末にはみこ先生のアドバイスを受けつつテキストを買いに走っていました。
この決断をしていなければ、私の合格は無かったかもしれません。

私は関税法と通関業法のメイン教材として『合格ハンドブック』(マウンハーフジャパン)を選びました。過去問とその解説ははみこ会で配布しているものをタブレットに取り込んで使っていました。
フルタイムで働きながらの学習ですので基本的に平日は朝1時間、夜1時間。休日は4~5時間程度を勉強時間に割いていました。

<当時のルーティーン>

平日の夜(1時間): 単元ごとにテキストを読んでインプット

翌日の朝(1時間): 過去問&みこアプリで昨晩やった単元をアウトプット

休日(4~5時間): 今までに学習した範囲を過去問で総復習。間違えの多い問題や理解が不十分な単元をテキストで再度インプット

関税法と通関業法はずっとこのサイクルを回しながら学習を進めていきました。
最初のうちは慣れるまできつかったですが、軌道に乗ると逆に勉強しないと気持ちが悪くなってきます。

自分はこうしたほうが勉強が進むと思っていたのでその性格をうまく利用しました。勉強計画づくりは自分の性格と向き合う事でもあると思います。

まず過去問をやってみて、何度も何度もしつこく問われている論点を見極めて、定着するまで繰り返し覚える。
これが試験合格への最もシンプルな方法なんじゃないかと思いますし、それができるだけの環境がみこ会には揃っていると断言できます。

これから受ける方へのアドバイスですが、関税法と通関業法はその名の通り法律系の科目ですので、法律特有の回りくどい言い回しや難解な用語が多数出てきます。
私は法学部出身でしたのであまりハードルは感じませんでしたが、X(旧Twitter)では法令通達の条文読解に苦労されている方を多数お見かけしました。

書店や予備校等において行政書士や宅建士のように「法律系資格」としてカテゴライズされることの少ない通関士ですが、実態はバリバリの法律系資格だと思います。
なので法律系の小難しい文章に免疫のない方は事前に「法令通達の読み方」の学習をされることをお勧めします。
みこ会にはその点をサポートした記事も用意されていますし、インターネットや市販の本でも解説本がたくさん出ています。

【GW終わり~いよいよ模試】

GW終わりに差し掛かると関税法・通関業法とも概ね仕上がってきて、過去問を通しで解いても9割程度は取れるようになっていました。
そこでこの時期から通関実務に比重を置いた学習に切り替えることにしました。

『合格ハンドブック』の通関実務科目のページは内容が薄く個人的に物足りないと感じたので、ハンドブックの該当箇所はサッと目を通すにとどめ、
『課税価格の決定の原則 / 例外』(みこ会)および『ゼロからの申告書』『計算問題ドリル』(日本関税協会)の3冊をメイン教材としました。

<当時のルーティーン>

平日の朝(1時間): 計算問題ドリルを1日1レベルづつ

平日の夜(1時間): ゼロ申または過去問の申告書を輸出入1問づつ

休日(4~5時間): 申告書・計算ドリル復習 & 関税法と通関業法を忘れないように過去問を再度解く

8月下旬の模試シーズンになるまではずっとこの繰り返しでした。5月末にゼロ申、計算ドリルの新年度の版が発売されたのも丁度良かったです。
申告書問題はまず過去問を使って基本的な解答手順を練習し、ステップアアップとしてゼロ申に行く……というのがお勧めです。

ある程度問題の解き方に慣れてきたら、なるべくいろいろな種類の品目が出てくる申告書をやるのがポイントだと思います。
ゼロ申は最近の過去問の傾向からは少し外れている(按分計算が多い等)感じがしますが、過去問に慣れてきた時に「引き出し」を増やすにはうってつけの教材だと思いました。

57回試験に出題された繊維と食品はある意味「王道」とも言えますが、他にも特徴的な分類が出てくる類はいくつもありますし、出題者目線で問題にしやすいのです。
この類にはこんな分類のしかたがあるんだ!と「引き出し」を徐々に増やしていけば安心感がだいぶ違います。

またこの時期にLECの貨物分類講座もみこ会キャンペーンを利用し受講しました。
教材そのものはいいお値段しますがこれはやらないともったいないです。

貨物分類は暗記モノばかりの中々掴みにくい単元で「こんなのみんなどうやって勉強してるんだ?」と思っていましたが、
正しい方向性で勉強すれば体系的な知識が身に着くということを教えてくれる良教材ですし、本番の選択問題や申告書で絶大な威力を発揮してくれること間違いないでしょう。

【模試~ついに合格】

模試は会場受験ができる関税協会とLECの2社に絞りました。
関税協会はB判定、LECは14位/247人(確かB判定。いや厳しくない!?)と上々の結果でした。

またこの2社は過去の模試(関税協会は去年分のみ・LECは去年と一昨年分)を再販していただいたのが非常にありがたかったです。
こちらもすべて購入し「日曜日は模試の日!」と決め、結果的に会場2回、在宅3回の模試を解きました。

それまでの勉強でしっかり貯金を作れていることは確信していたので、模試は「問題文をきちんと読む練習」と位置づけ、
限られた試験時間というプレッシャーの中で、指示を読み飛ばさない、キーワードを確実に拾う、ということに重点を置いて取り組みました。

特に通関実務は「知識を詰め込むよりも問題文をきちんと読む」ということを心掛けていれば点が取りやすいようにできているので、
この時期に十分に力がついているならそういう方向性の勉強をするのもアリだと思います。

本試験は東京会場(下高井戸の日大文理学部)でした。
駅から少しばかり歩くのと机が若干狭くて実務の時に少し窮屈なのが難点でしたが、それに目を瞑れば綺麗なキャンパスで設備も整っている印象でした。

独特の緊張感の中「今まで積み重ねてきた問題演習を今日もいつも通りやるだけ」と自分に言い聞かせながら試験開始。
通関業法は普通の難易度、関税法はかなり難しめ、実務は難しくしてくるかなと思いましたがすんなり解けました。

試験終了後は思考力がすべて吸い取られた感覚になり、使い慣れているはずの新宿駅で乗り換えが出来ずにしばらく迷ったりしていました。
そしてついに念願の合格発表。自己採点の結果からしてほぼ間違いなく受かるだろうとは思っていましたが、やっぱり自分の番号を見た瞬間は嬉しくて会社で叫んでいました。

<試験結果>

通関業法: 39/45(86.6%)

関税法等: 46/60(76.6%)

通関実務: 44/45(97.7%)

実務がまさかの点数となりましたが、しかし何点でも合格は合格ですし、高得点が偉いという訳ではありません。

【最後に】

自分の心に火をつけてくれたこの合格体験記に、そしてその機会を与えてくださったみこ先生に感謝いたします。
そしてここに自分の名前を載せられたことが本当に嬉しく思います。

これを読んでいるあなたの名前が、ここに載る日を楽しみに待っています。頑張ってください。