マラソンSub3との二刀流で合格を目指す

Eliterunner-momo さん(30代 メーカー勤務 SCM・ロジスティクス担当 2023年度合格 受験回数2回)

◆受験の動機

以前から貿易関連に係る資格取得には興味があり、20代中盤までに貿易実務検定B級、TOEIC 910点を取得。

新卒で入社後6年目でSCM部署へ異動となり、グローバルの需給調整、生産計画策定に従事。当初はSCMの国際認定資格であるCPIM/CSCPの取得を目指していたが、取得費用も高額かつ教材・試験出題が英語のため、貿易関連唯一の国家資格である通関士試験を目指すことにした。

第50回試験(2016年)で初回の合格を目指し、MHJ社の通信講座を受講するも早々に挫折し記念受験で終える。その後は子育て等を理由に資格取得から遠ざかっていたものの2年前にロジスティクス部署への異動が決まり、子育ても最初のハードルを越えたことから、勉強癖を取り戻す目的もあり2回目の通関士試験受験がスタートした。

 

◆受験への取り組み方針

通関士試験受験を決意する前の2022年9月より、約5年ぶりにフルマラソンへの復帰と3時間切り復帰を目指しランニングを再開していた。

学生時代から文武両道の姿勢で何事も取り組んできたことから、今回の通関士試験もフルマラソン3時間切りとの二刀流で臨むこととした。

以前であれば「二兎追うものは一兎も得ず」とされていたが、通関士試験の対策本も電子書籍化、通関士試験に特化したサブスク指導サービスのみこ会誕生、ランニングにおいては厚底シューズの普及など

二刀流を実現できる環境は整っていた。そのため、「二兎追うものは二兎も得る」を自ら実現し、二つの目標を同時に追うことが可能であることを証明することで後に続く受験生の励みになればと思い、両輪を回す8ヶ月の旅が始まった。

 

◆試験までのスケジュール

資格試験取得に臨むのは数年ぶりであり、法律系の勉強は初めてであったことから、通関士試験の出題範囲と重複するCistec STC Associate & Advancedを先行して受験し肩慣らしを行った。

通関士試験の前に成功体験や類似試験での合格実績を積んでおけば、試験当日までの「流れ」が変わると考えたのもSTCを先行して受験した理由である。

 

2022年9月中旬 STC Associate 学習開始

2022年10月末  STC Associate 合格

2022年12月初旬 STC Advanced 学習開始

2023年 1月末 STC Advanced 合格

2023年2月初旬 通関士試験 学習開始

2023年10月1日 通関士試験 受験

2023年11月26日 フルマラソン復帰レース

 

◆学習時間、ランニング走行距離(時間)

マラソンSub3のダブルで目標達成を狙っていたため、序盤から中盤にかけてはラン時間も確保しつつ学習を進めた。子育てが最初のハードルは越えていたものの、子どもの習い事も多く、家族との時間と学習の両立には苦労した。

幸いにもコロナ5類移行となった2023年5月以降もテレワーク中心の生活を継続できたことが追い風となり、無理なく平日も勉強時間を確保することができた。

終盤期は家族の理解も得ながら、ランの時間も減少させつつ試験に向けて最後の追い込みを行った。但し、子どもの夏休みの思い出作りを必須と考えて8月下旬には4日間旅行に出かけた。(この間勉強はほぼゼロ)

①序盤 2023年2月-4月

学習:平日・・・1H/日、休日・・・3H/日、合計・・・44H/月 ラン:200km/月(16H/月)

②中盤 2023年5月-7月

学習:平日・・・1.5H/日、休日・・・4H/日、合計・・・62H/月 ラン:162km/月(13H/月)

③終盤 2023年8月-9月

学習:平日・・・1.5H/日、休日・・・5H/日、合計・・・70H/月 ラン:133km/月(11H/月)

総合計 学習:458H ラン:1,352km(109H)

 

◆教材及び学習回数

テレワーク中心の仕事ではあったが、小さい子どもがいたことから場所や時間を問わず勉強をしやすいKindle版(電子書籍)をメインテキストとして使用した。

 

・ヒュー赤(翔泳社 完全攻略ガイド)Kindle版:精読3周 → 2月(所要期間1ヶ月弱)、5月(1週間)、7月(3日)※実務は1回目のみ精読

・ヒュー青(翔泳社 過去問題集中)Kindle版:2周 → 4月(通関実務のみ)、6月(関税法、通関業法)、8月(関税法、通関業法)

・ゼロ申(関税協会):2周 → 6月末に購入し1-1.5ヶ月で2周

・計算ドリル(関税協会):4周 → 6月末に購入し、試験直前まで間違えた問題を中心に演習を繰り返した

・貨物分類講座(LEC):1周 →動画講義は1.5倍速で基礎編のみ視聴

・みこ会(課税価格の決定):精読1周 → 4月(所要期間3週間)

・みこ会(アプリ):10周以上

・過去問:関税法・通関業法・・・51-56回試験を1周、通関実務・・・45-56回試験を2-3周

 

【関税法・通関業法】

暗記系の分野である両科目を机に向かって勉強することは避けたかったため、みこ会アプリにウエイトをおき、95-98%の正答率となるまで反復演習を繰り返した。

アプリだけでは知識が断片的になっていたので、短期集中でヒュー赤を精読することで補完した。

【通関実務】

申告書問題は過去問から取り掛かるも、ゼロ申を使用している受験生も多かったことから6月末より2周学習した。しかし、ゼロ申は仕入書に記載の貨物数が8項と多く、

貨物分類を的確にできなくても答えを導ける傾向にあったことから、以降は過去問にシフトして取り組んだ。

 

◆模試

 実地模試:関税協会のみ → 試験当日の行動、時間配分を把握するために実地で受験した。業法28/45・税法44/60・実務31/45と業法に苦戦するも全科目で6割は超えた。

 自宅受験:関税協会(2022年)、LEC(2023,2022,2021年)→ 試験直前期に初見の問題により多く取り組むことで、実力値の把握と知識の補完に繋がると考え、計4回分を取り組んだ。

 ※試験1週間前に解いた関税協会模試(2022年)は3科目全てで8割超えとなり、試験当日に向けていい流れを作る機会となった。

 

◆試験直前から当日

 試験4日前から遅めの夏休み第二弾を取得し、模試の復習や苦手としていた問題の復習に時間を充てた。試験前日が大安であったため、最寄の神社に合格祈願に向かったところ、偶然にも

 義母と母のブルース(新年スペシャル)の撮影を行っており、間近で綾瀬はるか・佐藤健・上白石萌歌を見ることができた。この出来事を「運がいい」と捉えて、翌日の試験に臨むことができたのは強みであった。

 試験当日の前夜は神経が昂っていたことから睡眠を十分に確保できなかったが、朝食・昼食を軽めに抑え、昼休憩時に仮眠を取ったことで眠きに襲われず乗り切ることができた。

 また、試験会場の座席が最後列であったことも「運がいい」と思えるきっかけになり、当日はモチベーションを高く保ち、最後の1秒まで走り抜けることができた。(模試の時は最前列であった)

 ※昼食は完全栄養食品のBasebread 1個のみ(模試でも同様)

 

◆試験得点

業法38/45(84.4%)、税法44/60(73.3%)、実務38/45(84.4%)

妻からは1回限りの受験で終えることを強く告げられていたことに加えて、税法に手応えがなかったことから、自己採点の際は手が震えていた。しかし、結果的には全科目で合格ラインを超えることができた。  

 

◆最後に

通関士試験に限らず、資格試験の勉強は短期集中で期限を設けて取り組むことが大切だと感じております。次があると思うと、自身への甘えが生じ勉強も中途半端になり、挫折に繋がるものと思います。

また、短期集中になると1日あたりに割かねばならない学習時間が増え、仕事等との両立で体調を崩しやすくなります。試験で最大のパフォーマンスを発揮するには「心技体」が揃う必要があるため、

是非学習と並行して1日20-30分でもいいので運動時間を確保して頂くことをお勧めします。

そして、良い流れを自分で作り、運を味方につけることが合格を引き寄せる秘訣でもあると考えています。試験が近付くにつれて、周囲の受験生からの遅れを感じ不安になることもあるかと思います。

その際に運がいいと思える機会を多く作ることができれば、強い精神を保ち試験本番も迎えることができます。何か悪いことが起きても物事は捉えようです。Positive Spinで良いことが起きたと思うようにしましょう。

 

みこ先生を始め、Xを通じて多くの受験生、先輩合格者に励まされながら試験に臨むことができたため、合格の二文字を手繰り寄せることができたと思っております。それ以上に感謝すべき存在は、試験までの8ヶ月間を近くで支えてくれた妻や子供です。試験当日まで約450時間を学習時間に費やしたことで、家族にとって多くの犠牲となる時間が生まれたにも関わらず、最後まで応援してくれた妻には感謝しかありません。

試験を終えた今、暫くは家族との時間を確保しながら、通関士資格をどのようにキャリアに活かしていくかを考え行動に移していきたいです。

粗削りの合格体験記となりましたが、受験生の皆様にとって参考になれば幸いです。