通学、通信講座各種についての内容や評判です。選ぶ際の参考にしてみてください。合う合わないもあるので、気になるところは全部資料請求してみた上で、自分に合いそうなところを選ぶのがよいかと思います。
内容については、第59回(令和7年度)への対策講座が発表されていれば順次情報を更新していきますが、まだであれば直近の過去のものを掲載しています。
評判については、受講した方々から直接確認したもののうち信用性のありそうなものだけを書いています。具体的には、複数人から同じ証言が得られた、発言者が中立的な人である、情報が古くない、その他信用性を失わせるような事情が無いなどのことから総合的に判断しています。また、みこ会で購入して実際に裏付けをとっているものもあります。しかし、あくまで主観的なものであり、人によっては違う感想を持つこともあるのでご注意ください。
公開するのが不適切と判断した情報や、公開できるほどの信用性までは無いと判断した偏った情報はここでは掲載していませんが、個別であれば回答できるようなものもございますので、掲載されていない講座や講師などの情報が知りたければご連絡ください。
なお、異論のある方は、受講生、業者の方問わずぜひご連絡ください。検討の上訂正、削除、加筆などさせていただきます。また、新規掲載希望の方もご連絡ください。とくに、ここに載せていない講座についての感想等を頂けるととても嬉しく思います。
講座を選ぶ前に
四月以降開講のものは、ある程度基礎が身についているか、勉強時間を毎日長時間とれるか、勉強が少なくとも苦手ではないと言えるくらい学力がある方でないとなかなかついていけないので、そこを考慮して選択してください。
どの講座が良いのか
どの講座が良いですか、良くないですかという質問をよく受けるのですが、どれも特徴がありますし、それも人によって受ける印象が異なるので、単純にお答えすることはできません。人それぞれ向き不向きや環境の違い等があります。
たとえば、教材が充実していて手厚く指導もしてくれる講座は、引き換えに料金は高くなります。価格は気にしないという人にとっては良くても、低価格重視で探しているのなら選択から外れるでしょう。
また、テキストが薄い講座は、取り組みやすい反面、省いているところを理解力でカバーしたり他の教材を買い足したりする手間がかかりやすいという特徴もあります。入門と割り切っていたりカバー出来たりする自信がある人には向いていても、細かくあれこれと説明が要るのにその講座一本で乗り切ろうとする人には厳しいかもしれません。簡単そうだと思って使ってみたら、端折っているところが多くて教材の乗り換えをすることになり、結果的に遠回りしたということはよくあります。
このように、それぞれの講座に個性があるので、自分が求めているものに近そうなのはどれなのか、どこが譲れてどこが譲れないのかというように、自分の特性に合わせて総合的に判断してみてください。
それが出来るように、なるべく中立的に情報掲載することを意識しています。
通信か通学か
講座には大きく分けて、録画した講義を視聴する通信講座と、リアルタイムで講義に参加する通学講座があります。また、通信や通学の派生として、zoom等を使ったオンライン講座も存在します。
どれを選ぶかは好みや環境に応じて様々ですが、あまりにも細かいことが気になったり、テキストを自分で読むことにかなりの困難を伴う場合(日本語が母国語でなく、かつ、日本語自体があまりよく分からない場合等)は、その場ですぐ質問できる通学かオンライン講座をおすすめします。通信を選ぶと質問回答までにいくらか時間がかかるので、分からない部分が多すぎて授業についていけない人は、通信を受けてもあまり身につかないからです。
もちろん、どの通信も大体の受験生のレベルに合わせて作っていますが、中には殆ど講座の意味が分からない、納得できないという受験生もいるので、そのような方にはおすすめできません。
それを防ぐために、気になる講座があればサンプル講義を視聴してみてください。大体どこの講座も無料配布しています。
早期割引
早期申込割引が適用される講座も多いので、受けるのであれば早めの申込みをご検討ください。各社のホームページをチェックしてみると情報が掲載されています。時期によっては半額近くまで割引している講座もございます。
合格率
業者が公表している受講生の合格率は、データの取り方や計算方法がバラバラなので、比較することにそんなに意味はありません。講座の申込者全員を対象として計算した合格率ではなく、課題の提出率や得点率を満たした人を対象として計算した合格率としているケースがよくあります。
開講講座
- 日本関税協会(通信)
- LEC東京リーガルマインド(通信)
- TAC(通学、通信)
- マウンハーフジャパン(通信)
- フォーサイト(通信)
- ユーキャン(通信)
- 吉田クラス(通学)
- 神戸大阪通関貿易教育研究社(通学、オンライン講座)
日本関税協会
通称、関税協会。通学、通信ともに講座を開講している公益財団法人です。
公益財団法人とは、すごく簡単に言うと、公益性がありますよと国のお墨付きを受けた団体です。関税協会は、日本の関税政策や制度についてより良くしていくための活動を行っていますが、その一環として通関士試験の講座も行っています。
ゼロからの申告書や計算ドリルという受験生の多くが持っている問題集を製作したりしていることなどもあって、通関士試験の受験生であれば一度はその名を聞いたことがあるでしょう。全国通関士模試という日本最大の受験人数を誇る模試の主催もしています。
通信
基本料金77,880円(税込)。オプションとしてスクーリングと答案練習を付けることができ、その場合は別途料金。早期申込割合有り。基本の通信講座部分のみ教育訓練給付制度対象となります。
使用する教科書については分かりやすいと評価が高いです。勉強を始めてから、いつまでにどこを勉強してほしいのか、ということまで親切に記されています。また、付属する問題集も、ゼロからの申告書をはじめとしてメジャーなものがたくさんついてくるため安心感とお得感はあります。ここの問題集などの教材は市販教材としてバラ売りされているものもたくさんあるので、講座は不要だけど気になるものがあるという方は、ホームページや書店で入手できます。
7回分の提出課題がついています。
基本料金自体がもともと安価な上に、早期申込割引や教育訓練給付制度を利用すればコストを低く押さえられ、その割には教材が充実しているということから、とてもお得感があります。
開講が4月と毎年遅めの時期に設定されています。
LEC東京リーガルマインド
資格試験予備校として大手のLEC。大抵の資格試験で講座を開いているので、今まで貿易関係の資格や仕事と無関係だった方もご存知なのではないでしょうか。
通関士試験では生講義を聴講できる完全な通学講座は用意されておらず、Web通信+Webダウンロードという形態か、もしくはDVDで受講する通信講座のみです。Webはもちろんスマホ対応。
LECの特徴は、選べる講座の種類がとても多いことです。セットのコースには、初学者向けのものと学習・実務経験者向けのものの2種類があり、その他にも入門講座や通関実務対策をはじめとしたバラ売りの講座の種類がとても充実しています。セットコースまでは要らないけれど、自分の弱点などをピンポイントで教わりたいという方には選択肢が広がるでしょう。
講師の伊藤先生はベテランの方で、授業では、クセが少なく分かりやすく整理した視点を加えた解説を行ってくれます。
近年は、みこ会とタイアップキャンペーンを開催したり、SNSで利用者の意見に応えたりと、精力的に受験生との距離を縮めており、受講生が急増中です。
ただ、内容は充実しており評判は良いものの、価格は通信講座としては比較的高額です。しかし、LEC独自の割引制度が存在し、分割ローンにも対応しているので、それも考慮に入れて決めるのがよいでしょう。
また、通信しか開講していないため、先生に傍でみっちり面倒を見てもらいたいという受験生は、他社の通学講座を選択してください。
初学者コースのみ教育訓練給付制度対象。
通信
通信web 184,500円
さらに、通関実務対策を強化したカリキュラムを加えた必勝コースがあり、価格は初学者向けコース価格に+約2万円。
これら以外にも、試験が近づくにつれて多くの単科講座を開講していくので、チェックしてみてください。
TAC
こちらもLECに引けを取らないくらい大手の資格試験予備校。書店でよく見かける「通関士スピードテキスト」という市販の教科書も販売しています。
TACには講師が三名名在籍しており、好みはあるものの、どの講師もメリハリの効いた授業をしてくれて分かりやすいと評判です。解答速報会などに積極的に出ておられる小貫先生のギャグは、緊張をほぐしてくれるし覚えやすいと有名です。
通学講座は、新宿、八重洲、横浜、神戸の4ヶ所で行われます。
高額ではありますが、それに見合うだけのものがあり、内容も分かりやすく演習も充実しており、満足度も高いと良い評判です。
ただ、難易度の高い通関実務科目に本腰を入れるのは遅めのカリキュラムなので、そこが気になったという声もあります。これは、通関実務は他の分野の理解が出来てから本格的に取り組むことで伸びやすいというTACの方針です。
金額は気にしないからとにかく良いものが欲しい、というのであればやはりTACでしょう。安定感は抜群。再受験生向けの講座もあります。
通学、通信ともに教育訓練給付制度対象です。以下に掲げた講座以外も順次開講されていきます。
通学
教室講座/ビデオブース講座 264,000円(税込)
通信
Web通信講座 264,000円(税込)
マウンハーフジャパン(MHJ)
貿易関係の資格講座やセミナー開催に特化した企業。貿易実務検定の主催団体である日本貿易実務検定協会はマウンハーフジャパンの内部団体であり、つまり貿易実務検定は実質的にマウンハーフジャパンが製作、運営している民間資格です。
マウンハーフジャパンの代表取締役(つまり社長)の片山立志先生が主に講師を勤めています。
通信
コンプリートコース 176,000円(税込)
テキストコース 68,200円(税込)
人気の市販教材でもある通関士試験合格ハンドブック(通称:ハンドブック)を講座のテキストに使用します。
講義は基本的に片山先生自身が行います。噛み砕いて多角的な説明をするのがとても上手な先生であり、頭に残りやすいようにお話をされるので、講義の評価はすごく高いです。
MHJの特徴は、安定して合格するのに必要最小限知っておくべきことをとてもよく分析しているところです。
ポイントを分かりやすく整理して試験合格に必要な範囲で端的に説明しているので、だらだらと余分なことはさせないようにしています。
また、平均的な通関士試験受験生の能力を把握しており、幅広い層を合格に持ち込める前提で講座を作ってあります。
説明も丁寧ですし、あれもこれもと大量の情報を詰め込むような無茶をさせません。
誰でも合格できる、というところを徹底して目指しているように見えます。
法改正や経済連携協定の対策が強いのも特徴です。MHJで運営している貿易実務検定やEPA検定のノウハウがあるからでしょう。
毎年早期申込の割引率がかなり高いので、興味のある方は早めに申し込んでください。
TAC社やLEC社等の大手予備校に比べてサービスの安定感やフォローにはやや欠けるが、片山先生の指導力の高さと、大手予備校には価格競争で勝てるという二点でカバーしているような印象を受けます。
本質さえしっかりしてれば細かいことは大目に見れるよ、というのであればおすすめです。
フォーサイト
フォーサイトは通信のみを開講しています。担当講師の神田先生は、声が聞き取りやすく喋り方も上手な先生です。
お値段も、かなりの低価格なのが嬉しい講座です。
また、テキストが薄く表現が易しいため法律初学者にも取り組みやすくなっていることと、ポイントでまとまっているため要点を反復学習しやすくなっており、その点も高い評価が得られています。
講義内容自体は、テキストを読んでいるだけの部分が多めで、総収録時間もかなり短いです。
コンパクトにまとまっている分、明記されていない部分を自分で読み取る必要があるので、それができる人には最短距離になる講座ですし、できない人は他のテキストを追加して補っています。
低価格帯の講座全般に当てはまりますが、演習教材は少なめなので、勉強が進むと市販の演習教材を追加している方もよくいますが、それを考慮しても費用は抑えられます。
教育訓練給付制度対象。
通信
52,800円(税込)
ユーキャン
ユーキャンは大手の通信教育講座という安心感もあり、受講者の多い講座です。
テキストは法律初学者向けにやさしく書かれており、情報量も必要なだけあるということで評価が高いです。
付属のセレクト過去問集(通関業法、関税法等)は使いやすいと評価が高いですが、問題演習の分量が少なめなので、学習が進み途中で物足りなくなった方は市販の演習教材等をプラスしています。
教育訓練給付制度対象。
通信
59,000円
吉田クラス
大阪市東淀川区で開講する少人数指導の個人クラス。
講師の吉田先生はベテランで、長年通関士試験を研究、指導されている実績があります。また、授業が親切丁寧で分かりやすく、人柄も面倒見が良いとの評判です。
なお、名古屋の大学でも出張講義を行っています。
吉田クラスは現在1月開講のコースのみとなっています。詳しくはホームページからお問い合わせください。
通学
月謝制(金額は要問合せ)
神戸大阪通関貿易教育研究社
神戸と大阪の2箇所で通関士試験の対策講座を開催している学校。
通学講座と、ZOOMによるオンライン授業を開催しています。
少人数の対面講義により、生徒さんの特性を掴み、個々に合わせた指導をするということを強みとしておられます。教材は、翔泳社のテキストと過去問集を使用。
受講生の意見として一致しているのは、内容がハイレベルだということ。本試験のレベルを超えているところも多く、ペースも速いので、授業についていくのが難しいとよく聞きます。講座がハイペースで難しい、ついていけないという相談を受けると、大抵こちらの受講生です。
とはいっても、最後までついていけた受講生の合格率は高いので、厳しい内容によって鍛え上げているのでしょう。実際、こちらの講座で厳しく勉強できたことで、余裕を持って本試験に合格できた、とても良かったという肯定的な意見も受講生から聞きました。演習も多く、内容も基礎から応用までみっちり詰め込んでもらえるからです。
以上のような理由から、合う合わないがはっきりしがちな講座だと言えると思います。基礎的なところだけを易しく勉強させることで万人受けを狙ったものが多い通関士試験講座の中では、個性的な講座に分類されるのではないでしょうか。
気合いの入った方ならこちらをおすすめします。
大阪校と神戸三ノ宮校の2箇所で開講されていますが、受講生から聞いた話によると、神戸三ノ宮校の方が少人数なこともあってかアットホームな雰囲気だったということでした。
通学
早期スタートパーフェクトコース(2月開講)、レギュラーコース(4月開講)、短期完成コース(6月開講)
2月開講のコースから順に、175,000円、150,000円、89,000円。その他にも様々なコースを展開しています。
オプション講座や模試等もあり。