合格体験記~お腹の子と2人で臨んだ試験編~

ellie さん(女性 2020年度合格 受験回数1回)

お陰様で第54回通関士試験に合格することができましたので、僭越ながら合格体験記を寄稿させていただきます。

受験を決意したのは今年(2020年)の6月上旬、妊娠初期の悪阻がようやく落ち着いて来た頃です。妊娠中お腹の子のためにストレスをできるだけ溜めないようにと指導され、ただでさえ転勤族妻ゆえにキャリアがガタガタになっていることに日々焦燥感を感じていた私が考えた、一番ストレスを感じない方法が通関士の勉強に集中することでした( 笑)もともとメーカーの輸出入部門やフォワーダーで働いていたので、通関士の資格があれば少しでも産後に社会復帰しやすくなるかなと考えたものです。

幸い、勉強期間の4ヶ月弱がほぼ安定期と重複し、体調も比較的よかったので、勉強中に妊娠による障壁を感じることはありませんでした。ただ、あくまで体調と睡眠時間の確保が優先で、8月末までは1日の勉強時間は3~6時間とし、週に1度は必ず勉強を休むようにしていました(9月はもう少し頑張りましたが)。唯一辛かったのは 眠くてもカフェインが摂取できなかったことくらいです(妊娠中はカフェインをできるだけ摂取しないようにと言われています)。

試験当日は妊娠後期に入りお腹もかなり大きくなっており、疲れやすくなっていたので、迷わず日帰りではなく試験会場の近くのホテルに前泊することを選択しました。前日も早めにホテルに入り、家事に追われることなく最後の追い込みができたのもよかったと思います。当日朝はのんびりホテルで朝食をいただいてから出発。

試験会場では新型コロナ対策でマスク着用必須、さらに全員検温してからの入室で、検温査証がないと試験会場に入れないシステムになっていました。もう少し受験生同士の距離を離してもらえたら安心でしたが、会場のキャパも考えるとできる限りの対策をしていただいたのだと思います。自分の教室の階には女子トイレがなく、毎度階段を上り下りしないとトイレに行けなかったのは妊婦的に辛かったです。

以下、試験に関する所感です。

1 通関業法

語句挿入問題は例年より難しいような気がしました。過去問は直近5年分を3周し、過去問についてはほぼ満点が取れるようにしてから試験に臨みましたが、通関業の許可の期限等はノーマークだったので反省。お腹の子はとても静かで、お、空気読んでくれてる!と感謝しながら2科目目へ。

2 関税法等

先ほどまで静かだったお腹の子が動き出す。難易度は全体的に例年並みかなと思いました。基本的な用語の定義確認が甘かったかなと反省しつつも、全体としてはおそらく6割は超えられているだろうという所感。

3 通関実務

胎動がますます激しくなり、内側から終始蹴られ続けながら電卓を叩く。ノーマークだった消費税と軽減税率の計算問題に一瞬固まるも、この問題はきっと正答率が低いはずと思い、他の問題に全力を尽くしました。申告書問題については、特に輸出申告は一見シンプルに見えましたが注をよく読むと採番が一気に変わってしまう部分があり、1品目の採番ミスで大幅に点を落とす人がいそうだな~と考えながら解いていました。消費税問題のサプライズと、輸出申告の罠を踏まえると例年よりはやや難かなという印象。

以上です。今回合格することができ、妊娠中にこれだけは頑張ったと言えるものができて本当に嬉しいです。通関士資格取得にあたってはSNS(主にTwitter)で皆さんが使っていらっしゃる参考書情報を大いに参考にさせていただきました。また、勉強アカウントを作られている方々は合格への意識が高い方が多く、皆様のご様子を拝見することで 自分のモチベーションアップにもつながりました。疑問に思ったことを投稿すると誰かしらからご意見をいただけるのも心強かったです。本当にありがとうございました。私自身はこの資格を活かせるまで時間がしばらくかかりそうですが、合格された皆様の今後ますますのご活躍と、来年以降受験される皆様のご健闘をお祈り申し上げます。